Wednesday, August 19, 2009
タリバンの支配するアフガン南部/Despite US troops, Taliban roam freely in south - By KATHY GANNON
タリバンが治外法権をしくアフガン南部地域は、
欧米が石油パイプラインを通せない、
最後の砦だとも いわれるが…?
米軍の駐留にも関わらず、アフガン南部をタリバンは自由に往来する - By キャシー・ギャノン (8/18、AP通信)
タリバンにとっては、南部アフガニスタンの一地域だけの地方判事の任命権だけではもの足りない。地域住民が腐敗した政権への懸念に神経過敏になっていることを受けて、Helmand 県のMusa Qala 地方 の武装勢力は、地域の判事たちがわいろを受け取っていない、と証明するための委員会を設立した。そして、現政府の組織の多くの役人たちの場合と異なり…この仕組みは機能した。「ある判事がわいろを受け取ったことがわかったとき、タリバンは彼の顔全面を黒く塗って、樹にくくりつけたのだ」、とビジネスマンのEitadullah KhanはAP通信に語る。「そして彼は解放されるとすぐに、解雇された。」
南部アフガニスタンは今年、米軍が2万1千名の追加兵力を派遣しようとする地域だが、その地は木曜日の大統領選および州議会選挙の合法性が、有権者の投票への参加率によって検証されるべき地でもある。
そこではまた、タリバンがその最強のインフラを整備している─武装兵士たちが存在するうえに、裁判官システムと、武装勢力の任命した地方首長たちが存在し、影の政府があるのだ。
このタリバンの行政制度は、アフガン政府よりも腐敗が少なくより効率的なものとみられており、地方の住民は彼らの方をより好ましいとみる…または彼ら以外を認めることを怖がっている── それが、米国とNATOが求めている地域住民の対・反乱勢力の作戦への支持の獲得を困難にし、また選挙の投票率を上げるたいと望むアフガン人にもその実現を困難にしている。
公けには、米高官たちはタリバンが影の政府を運営するほどの能力は持たない、という…彼らの脅迫の能力は認めていながらも。
「タリバンには、影の政府を運営する能力などない──彼らはそうした方法による作戦はとらない。彼らの行動とはこの国を、恐怖とテロで引き裂くことなのだ」、と米軍の下位士官チーフで米軍スポークスマンであるBrian Naranjoはいう。「我々は、彼らをアフガニスタンの民衆に対する脅威として深刻に捉えているが、しかしタリバンよりも人々の方が彼らに勝っていると我々は知っている。」
米高官たちのなかには、タリバンが効果的にコントロールし、アフガニスタン軍の入れない"no-go" area(侵入不可地域)が存在する、と認識する人たちがいる。先月LAタイムスのインタビューで米軍の最高司令官、Stanley McChrystal大佐が語ったのも、「現実的にいって、タリバンに支配されている地域が存在する」ということだ。
6年近く前、Mullah Mudaser師は、欧米軍兵士の死者の増加の陰にあった路肩爆弾(roadside bomb)の作り方を学んだタリバンの最初のグループの1人だった。
その当時、彼にはパキスタン国境を越え密かに潜入し、訓練のために隣国を行き来する必要があった。今日、彼は武装兵士たちをアフガニスタンで訓練しつつ、AP通信の記者とKandahar 市のど真ん中で羊のカバブの食事を取りながら会見することにも何の障害もない。
Mudaser師は、タリバンが武器と弾薬、自爆用ベストをKandahar市近郊の幾つかの場所に密かに備蓄しているという──それは2001年の米国主導の侵攻以前に、タリバンの精神的・戦略的な本拠の地だったのだという。 アフガンでの10万人以上の米軍・NATO軍の駐留にもかかわらず、Kandahar市の住民は、タリバンの武装兵士たちが同市の北部と南部の近郊地域を何の咎めもなく通行し、(選挙へ行く者への)脅迫を記した「shabnamas…(または、夜の手紙)」を配布したり、女性の運動家や女子生徒たちを襲ったりしていると話す。
武装勢力のインフラは田舎の方で最も強く拡がっている。タリバンは彼らがパシュトゥン族地域の田舎の65%を支配していると主張する(──この数字は確認のしようがないが)。Kandahar 県、Zabul 県、Helmand 県、Uruzgan 県及びNimroz 県では、武装勢力が数箇所の郡地域を支配する、と国連は述べている。
「田舎の辺境地域は政府の支配が難しい」、と国連高官Samad Khaydarov は爆弾防護壁と分厚いスチール製の障壁、そして数名の制服警官が警護するKandaharの彼のオフィスでのインタビューで、語った。「タリバンは特に数箇所の郡とその他の地域で、イスラム聖職者たちや部族の長老達の間に影響力がある。」
タリバンの厳格なイスラム教の裁判システムは、武装勢力の影響力の最もぎらぎらした証拠だ。
Kandaharの隣のHelmand県では何千名もの英軍が駐留しているが、Musa Qala地区のタリバンは定期的な裁判の日程を組んでいる、とビジネスマンのKhanはいう。毎週木曜日に、村民は、もめごとの仲裁をおこなうタリバンの判事の前にたつ。
30歳のKhanはかつてはHamid Karzai大統領の支持者だったが、Karzaiの政府の腐敗に幻滅を感じたといい、タリバンの仕事を賞賛の言葉をちりばめて語る。
「タリバンはよくないグループだった、しかし政府の人間たち…こうした人間たちは今や泥棒で、殺人者だ」
Kandahar のZherai 地区のある大地主は、タリバンが彼の地域内を自由に往来し、そこにも裁判所を建てたのだと、彼は身の安全のために匿名を条件に語った。ある元政府の役人は 「いくつかの地域では、夜はタリバン、昼間は政府の役人が支配している。」と、これも匿名を条件に語る。「誰もタリバンから身を守ってくれはしないからだ」。
米国とアフガンの政府関係者は、選挙を前に南部の治安確保にむけ奔走している。既に同地域の武装勢力が、投票するものは暴力にあう、との警告を発している。
米軍はHelmand 県のNow Zad地区で大規模な攻撃をおこない、タリバンを Dahaneh の街から一掃し、投票所の設置を可能にしようと試みた。
アフガン政府と米国諜報部は、アフガニスタンのタリバンが隣国パキスタンにいくつかの拠点基地もつことを特定した。そこにはQuetta shura と呼ばれる10名の委員会(committee)があるという。Mudaser は、アフガニスタンでのタリバンのインフラは過去2年間の間に癒合・合体しつつある、と述べる。
彼の出身地のZabul県では、反政府勢力の地域支配者は Mullah Ismailであり、Mudaserのボスの軍事的司令官はMullah Basharで─彼はタリバンの全国的な防衛大臣のMullah Abdul Ghani Baraderに報告の義務がある。2006年のタリバンの軍事司令官Mullah Akhtar Mohammed Usmaniの死後、Barader はタリバンの戦場での司令を発している。
南部のパシュトゥン族支配地域の何十もの郡部では、タリバンが警察のチーフも任命しているとMudaserはいう。彼は彼の指揮下に120名のタリバンの部下がおり、何百人もの兵士に路肩爆弾の製造法を教授した。南部アフガニスタンでそうした多くの兵士の指揮権をもつ今、彼は彼のスキルを、パキスタンまで隠密に旅して教える必要はもうない。
「今ではその製造法を知る者が何百人もいる。」 彼は、どのようにしてマーケットから材料を入手し、220パウンド以内のその材料を使って爆弾を作るかについて付け加えた。
http://hosted.ap.org/dynamic/stories/A/AS_AFGHAN_TALIBAN_PRESENCE?SITE=AP&SECTION=HOME&TEMPLATE=DEFAULT
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