オバマのグアンタナモ収容所閉鎖の決断などもやや足踏み状態にみえるこの頃─
オバマ大統領の特別なお気に入りとなり、彼のオフィスにも呼ばれた?という保守派 liberalのD.Brooksが提灯記事を書いた‥
ブッシュに負けたチェイニー By DAVID BROOKS
この木曜日に、オバマ大統領とディック・チェイニーが共謀して神話のような話を宣伝していた。その神話とは、我々は過去8年のあいだ、'Bush-Cheney'流の反テロリズム政策の中で生きてきたが、今や我々は、それとは異なった'Obama-Biden'流と呼ばれる反テロリズム政策の時代にはいったとか、いうものだ。オバマもチェイニーも理解している通り、これは完全にいんちきな歴史の歪曲だ。
真実は、といえば、9月11日以降、我々は2年から3年にわたって'Bush-Cheney'のポリシーとも呼べる時代にあったのだ。米国は、見えない死角からの攻撃を受けていた。諜報機関の関係者たちは、彼らに向けられた脅威についてほとんだど何の理解もなかった。ブッシュ政権はそのために、およそ可能な限りの全ての手段を講じ、脅威を発見してそれを予防しようとしたのだ。ブッシュの仲間たちは、自分たちが法の定める範囲で行動している、と信じていたが、今では我々の多くが、彼らに道義的にも問題があり、非生産的な事ばかりやっていた、と気づいている。
'Bush-Cheney'のポリシーの時代はおそらく3年間続いた。ディック・チェイニーにとってそれは黄金時代だったのかもしれない。民主党員にとっては、それは確かに、共和党のやることの周りを永遠にうろつきまわっている時代だった。しかしそれはもう、ずい分前に終わったのだ。
2005年頃までに、'Bush-Rice-Hadley' 時代というべき時代が始まった。徐々に、その時代は開始されそして定着し、ブッシュ政権の何人かの高官たち─ …コンドリーサ・ライス、スティーブン・ハドレイ、ジャック・ゴールドスミス、そしてジョン・ベリンジャーを含んでいた─が'Bush-Cheney'時代の過剰(行き過ぎ)を乗りこえようとした。彼らは全ての戦いには勝てなかったし、法廷による裁定や、公衆の怒りにも突っつかれていたが、徐々にポリシー上における進化をしてきたのは明らかだった。
2003年以降、ベリンジャーとゴールドスミスのような者たちは、過剰な尋問手法を許した法的な決断に反対を挑んで戦った。2006年には、ライスとハドレイがKhalid Shaikh Mohammedを外国の秘密刑務所から連れ帰り、拘留者への扱いを平等化(標準化)すべく、試みた。2007年にはライスは、そのような尋問手法の再開への執行命令の支持を拒んだ。ブッシュ政権の2期目の全ての時期にわたり、政権の高官たちはグアンタナモ収容所の閉鎖の実現を試み、これと並行して諸外国の政府に対し収容者の受入れを求める訴えを発信しながら、上院議員たちに、収容者の米国領土内への移送の許可を求めた。(しかし、GITMO収容所の閉鎖が先決問題であり、その次に収容者をどうすべきかを考えるべきだ、とされた為に、それは実現しなかった。)
チェイニーとオバマは自分らがそうした方向性にはない振りをしていた、しかし「水責め(ウォーターボーディング)」の実行を止めさせたのはオバマ政権ではない。それは、2003年の3月にCIAディレクター達が開始したことの継承だったが、2004年にCIAの調査官による破壊的なレポートが作られた時よりも前だった。
チェイニーが、国土安全問題への(政府の)ポリシーの変更を非難したとき、彼は、オバマ政権を攻撃していたのではなかった。かれはブッシュ政権を攻撃していたのだ。木曜日のスピーチのなかで、彼は公衆を前に、ブッシュ時代のホワイトハウスで彼が何度も行っていたのと同じ議論の多くを繰り返していた…今や、ホワイトハウスの意思決定が益々それとは異なるものになっていた中で。
バラック・オバマの就任は、米国の反テロ戦略に大きな変化をもたらしてはいない。それはそのポリシーに対する公衆の信頼性に変化をもたらしただけだ。
まず最初に、この政権が、テロリズムを真面目に捉えていないという言い方はばかげている。オバマは、ブッシュ政権が末期に醸成していた戦略と同じく、アフガンへの米軍の増派を支持したのだ。彼はパキスタンでの無人偵察機の作戦をステップアップした。彼は反乱勢力と対決するために攻撃的な兵士達を推進し、国内での対テロ作戦では実績をあげた。
テロリスト容疑者の問題に対しては、ジャック・ゴールドスミスが、The New Republic誌のWEB版に“The Cheney Fallacy” (チェイニーの誤信)という記事を書いた。彼は広範な戦略のリストを作った─ グアンタナモ、身柄提出令状、軍事委員会、容疑者の移送、尋問、などなど…。彼はその多くのケースで、どのようにオバマ政権が、ブッシュ政権の末期に徐々に進化してきた戦略を受け継いで、それをプレゼンテーションしているかを示した。
オバマが持っていたもの、そしてブッシュ大統領が決して持っていなかったものとは、他の人々の意見を問題にする、ということだ。ゴールドスミスはその点を上手く記している:「オバマ政権とブッシュ政権の主要な違いとは、テロリズムに対するポリシーには関係がなかったが、むしろそれを如何にパッケージング(包括)するかということだった。ブッシュ政権は自らの足元を幾度も幾度も、撃ち続け、彼らの政策の合法性や有効性が損傷を受ける状態を招いた。オバマ政権はこれとは対照的に、そうしたこと(他者の意見)に集中的に焦点を当てた。
オバマはブッシュが最後に採用していたのと同じ多くの政策を採用している、そして彼はそうした戦略が米国と世界にとって信頼するに足るものに変えた。彼のスピーチの中で、オバマは彼自身の決断を、繊細さと一貫性とをもって説明している。彼は我々の抱える幾つかの問題は困難であり、そこには容易な解決法はないとしている。彼は米国人を大人として扱い、そして、彼らの尊敬を得たのだ。
私はオバマが、彼自身が利益を享受する戦略を創ったブッシュ政権の高官たちに対して、より丁重に、誠意を抱いて接して欲しいと願うだろうか?イエスだ。しかし肝心なことは、オバマは多くの、より穏健で、時がたつにつれてそれが検証されうる妥協的なポリシーを講じてきたのだといえる。彼はそれらを知性をもって保存(維持)し、改革した。彼はそれらを、説得性のある枠組のなかに収めた。そうすることによって、彼は、我々の安全さを以前より低いものにはしない。彼はそれにより、我々をより安全にしているのだ。
http://www.nytimes.com/2009/05/22/opinion/22brooks.html?pagewanted=print
video)Cheney's Rebuttal to Obama
http://video.nytimes.com/video/2009/05/21/us/politics/1194840413908/cheney-s-rebuttal-to-obama.html
video)Obama sets'New directions'on terror
http://video.nytimes.com/video/2009/05/21/us/politics/1194840413735/obama-sets-new-direction-on-terror.html
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