Saturday, March 28, 2009

D.ブルックス、アフガンに入る”Combat and Community” By David Brooks

 NYTコラムニストD.Brooksが、アフガンのワルダック県を訪問・レポートした。 

http://www.nytimes.com/2009/03/24/opinion/24brooks.html?pagewanted=print¥
戦争とコミュニティ(要旨) 

(アフガニスタン、ワルダック県)それはぼろを着た子供の多い、家々もまばらなダウンタウン、老人の姿はほとんどまれな、平均年齢45歳の地域… チェックポイントにいる背の低い迷彩服の兵士は、子供かと思えば米軍の女性兵士が笑っている…

”The U.S. has just increased troop levels tenfold in Wardak."
─米軍はちょうど、この地に派遣する兵力を10倍に増強したところだ。駐車場には無骨な装甲車両がひしめく…

…米軍兵士の詰める合板でつくられた部屋で25名のアーミー・レンジャーに会う。(フットボールのラインバッカー系の、クルーカットの男が沢山、会議をしている。唯一日焼けして髭を蓄えたMoses大佐はイラク戦争で反乱軍と戦ってきたベテラン)

”As they talk, it becomes clear that aside from killing bad guys, they’re also trying to figure out how to reweave Afghan society.
(彼らはただbad guysを掃討するだけでなく、アフガン社会の'再縫合'を試みようとしている)”

"Before the Soviet invasion in 1979, Afghan towns had three parallel authority structures: the tribal elders, the religious clerics and the government representatives. The Soviets decimated the tribes and the indigenous government. That left only the mullahs, and their sudden unchecked prominence helped explain the rise of the Taliban.”

(’79年のソビエトの侵攻前、アフガンの街には3種類の権力者が同時に存在していた─ 部族の年長者たち、宗教的な聖職者たち、そして政府の代理人たち。ソビエトは部族の組織と土着的な政府を殲滅した。そして宗教者たちだけが残り、彼らのノーチェックの優勢さがタリバンの勃興を生んだ…)

(…しかしテロリズムとタリバンの崩壊は宗教者たちの力もそいだ。2002年に米国の同盟軍がきたとき彼らの社会はずたずたにされ、社会資本は壊滅していた。その無秩序が反乱軍の隆盛を生んだ。
2002-05年に米・同盟国とアフガン人たちは社会の再建を協議して─戦争領主の存在と内戦発生の恐れが最大の脅威だと考え、中央集権的政府を建設した。それはある程度は成功し、政府軍はアフガニスタンで最大の信頼できる組織になったが、彼らの手では村レベルでの社会の復興はできず、無法状態と偏在する政治腐敗は誰にも防げなかった)

─そのため「国家統合プロジェクト」の名のもとに、村々ではいまや「地域社会振興会議(コミュニティ・ディベロップメント・カウンシル)」を選出しようとしている。ここに西欧の支援団体は2万3千の地方の村々の再建のために最高6万ドルを寄付しようとしている。

─ ワルダック県の知事、モハメド・ハリム・フィダイと木製の部屋の男達は、Afghan Public Protection Programを作成している。─ この計画のもと、村々ではもはや、治安維持のためカブールから送られる国家の警察組織だけに頼ることはない。今後は村々独自で警察組織を雇い、学校や橋や、近隣の地域を守る。この県では国が派遣した26名の警察官のほかに、250名の地域住民のA.P.P.Pが組織される。

─こうした組織に地方の militias や warlordism(戦争領主と私兵勢力)の跋扈の再来を恐れる声もあるが、アフガニスタンの安定には地方の治安組織が必要だ。対話とコンセンサスのある社会制度の確立が必要だ。そしてそれが中央政府とつながり協力し合う必要がある。これが今、武装したHumveeのひしめくparkng lotと、日々の攻撃の脅威の中で始まっていることだ…