Monday, February 4, 2013

エジプト各都市で、反ムルシのデモ発生/チャック・ヘーゲルの指名に関して Egyptian Cities Erupt in anti-Morsi Demonstrations By Juan Cole



著名な中東専門家のホアン・コール教授が…エジプト情勢と米国の状況の昨今のアウトラインを解説している。
 …エジプト大統領の、ムスリム同胞団のムルシ氏の最近の動きは、典型的なヒットラー独裁にむかっていると憤慨し… 警戒感をあらわにする人もいるが、本当なのか?

エジプト各都市で、反ムルシのデモ発生 Egyptian Cities Erupt in anti-Morsi Demonstrations (2/3, Juan Cole)

この21日の金曜日には、何万人ものエジプト人たちが寒さや、アレキサンドリアやカナルゾーン(灌漑地域)での雨天にも関らず全国各地でデモを行った。カイロだけでも、Heliopolisのムルシの大統領宮殿の前には多くの群集が集結、モロトフ・カクテルを投げ込む若者たちもいた。主な都市における群衆が、新たな大統領選挙を要求して声を合わせて叫んだ─すなわち、ムルシの大統領辞任を求めて。
 彼らはまた、エジプトの「モスリム同胞団化」をも非難した。ポート・サイード(Port Said)では何千人もの人間がデモを行い、ムルシ政府の解散を要求したが、彼らの中には「ポート・サイード共和国」の独立を宣言する者たちさえもあった。

デルタ地帯の都市カフル・シーク(Kafr Sheikh)では25人のデモ参加者たちが、警察の使用した軍用レベルの催涙ガスによって負傷した。カフル・シークはテキスタイル産業の中心で、その産業の労働者たちが2006年頃以降には、デモやストライキを率いている。モスリム同胞団は社会的に保守派でビジネス偏重の傾向であるために、その体制は組合の利益には反しており、エジプトにおける多くの反対運動は組合労働者たちの怒りの表明という部分も多いようだ。

ムルシは昨年6月の選挙では辛うじて勝利を得たものの、この秋以降はますます独裁的にふるまい始め、彼自身の立場を裁判所の司法権限の及ばないものと規定し、原理主義的色彩のある憲法を制定しようと推し進め、世俗主義者や女性たち、コプト派のキリスト教徒たちを怯えさせた。ムルシは司法権を無視した彼自身の刑事免責への要求は取り下げたものの、いまだに高圧的にふるまっている。彼自身が概ね任命を行った、モスリム同胞団の支配する諮問委員会(上院のようなもの)は、下院議会を選出するのを待たずして、法律を制定しようとしている。
                       
   なかでも最悪な点とは、ムルシが、2年前の反ムバラクの革命の主要な牽引勢力であった労働者たちによる、賃上げと労働環境改善の要求を受け入れていないということだ。彼の憲法制定への試みでは、労働者を組織化して、単一産業分野ごとに一つの組合のみを認可しようとしている。あらゆる事のなかでも特に…2週間前に、ポート・サイードの20人のフットボール・フーリガンたちに対して、1年前の同市のスタジアムでの騒乱事件を誘発し、数十人を死亡させ事件での彼ら役割において、死刑を宣告したという事がある。この宣告の発された後には、地元の家族らが彼らの親族や子供らを助け出そうと刑務所に乱入して衝突が発生し、41人の死者を出した。

木曜日に、ムルシと世俗派、あるいは中道派の野党議員らとの間に、和解への会合が持たれたにも関らず、そこに和解の兆しはみられていない。
ムルシは、憲法を性急に成立させようと急ぐべきではなかったのだ。彼は大胆なジェスチャーを取ってみせて、彼に対するさらなる反対の動きを阻止したい…とも望んでいた。しかし、その代わりに彼は、革命の先頭を切っていた若者たち…昨秋までは同胞団との協力を進んで受け入れていた左派の若者たちを遠ざけてしまったのだ。

http://www.juancole.com/2013/02/egyptian-cities-demonstrations.html

エジプトは内戦の縁にあるのか?ムルシは非常事態法を撤回 (Juan Cole,1/30)

国防大臣のGen.Abdel Fattah al-Sisiは火曜日、もしもこの国で動乱が続くなら、エジプトは国家崩壊の危機に直面するだろう、と述べた。

怖れを知らぬCNNの記者Ben Wedemanは、エジプト警察のアンビバレントな心情についてレポートをしている。─彼らはムスリム同胞団の大統領から、抵抗する若者たちを弾圧せよ、との指令を受けた。そして彼は、なぜ、Ismailiaと、Port Said、そしてSuezの街が大統領の非常事態法と戒厳令の公布に逆らっているのかについて説明している。

Wademanは、さらに引退したGen. Sameh Seif al-Yezalにもインタビューを行っている。彼はal-Sisiの声明は国が内戦状態へとずり落ちて行くことへの警告だと解釈していて、al-Yezalは、それが現実的な可能性であると考えている。

そんななかでMuhammad Morsi大統領は、彼の命じた非常事態法と、運河の都市Suez、Port Said、Ismailiaにおいて市民の自由に制限を課する法令を撤回した─それらの都市では、1月25日の革命2周年以来、強烈な反政府運動が起きているのだが。

 Morsiはこれら3つの都市の地方知事たちに、非常事態法を実施するか否か、いかにそれを実施するか、あるいはキャンセルするかの権限を委任した。彼のスポークスマンは、それは平和的抵抗運動を停止させるよう意図したものではないという。

 3都市の民衆は、月曜と火曜の夜に大統領が命じた戒厳令を守ることを拒否し、政府の建物の前でデモを行い、サッカーを行った。Wedemanがレポートしているように、警察はそれを妨害しようとは考えていない。

 大方のエジプト人たちは、アルジェリアの過去の事例に比較されることへの憤りを抱いているが、それはDr. Morsiにとっては警告的な事例なのだ(チュニジアのムスリムのリーダー、Rashid Ghanoushiの場合の例と同じように)。1992年から2002年にかけて、15万人のアルジェリア人が、世俗主義者と原理主義者たちの間の熾烈な内戦によって死亡した。同じような分裂がエジプトにも生じつつあり、そして世俗派と穏健な宗教勢力が、ますますMorsi支配の正当性を拒絶しつつある。権力を競い合う2つの勢力というものは、内戦の原因となるものなのだ。

 Morsiはこのような両極化を、原理主義者の色合いに染まった憲法と、野党勢力を排除したムスリム同胞団政府の樹立によって惹き起こした─彼は、大きな票差で選出されなかったにも関わらず。彼の示している、徹底的な法令を発したり、同胞団の同僚を贔屓するという傾向は、彼が原理主義者のムバラクになりたいと望んでおり、真の民主主義的な本性を持たないのではないか、という怖れを生じさせている。 
http://www.juancole.com/2013/01/backs-emergency-decree.html

チャック・ヘーゲル、奇天烈な米国上院世界の袋叩きにあう? Chuck Hagel Mauled in Bizzaro World of US Senate (2・1、Juan Cole)
 
オバマ大統領による、チャック・ヘーゲルに対する国防長官への指名をめぐる上院での公聴会は、見るのも辛いものだった─なぜならそこには…馬鹿馬鹿しい行いと、見せ掛けの態度、独善的なKnow Nothing主義(Know-nothingism)と、アメリカの壊れたデモクラシーを支配している、困惑すべきリアリティからの乖離の光景が展開されていたからだ。まるでそれは、ネブラスカの平凡な男がサーカス小屋のフリーク(畸形)たちをけしかけているようだった…モラル的な小人の集団や、猫男のストーカーたち、性質の悪いロブスター・ボーイ(えび少年)たち、倫理主義者をよそおう狼男たちのような輩を…。

ヘーゲルが滅多に彼の立場を主張しなかったこと─しばしば、細かいことに拘泥した質問で方向を逸らされたり、時々はネオ・コン風のオーソドックスな教理を復唱したりなどして─を憂えた人々は、ワシントンにおいて重要なことは口先において積極的に調子を合わせることだ、と(…当人が、本当は何を信じていようと、どう振舞おうと)いうことを想起すべきなのだ。ヘーゲルは、彼が彼の(議会の)・同僚たちに押しまくられたかのように見えたことには、同意するかも知れない(彼らの面子と、彼自身の面子を守るために)。だが彼は、ひとたびその職務に任命されたならば、押しまくられることには同意しないことだろう。

テキサスのTea Party主義者、テッド・クルス(Ted Cruz)議員は─ 数年以内にテキサスが青色州(大統領選での民主党支持州)に転じたならば、彼はおそらくもうそこには居ないだろうが─ヘーゲルに対してFox News風の待ち伏せ攻撃を仕掛けた(http://www.huffingtonpost.com/2013/01/31/ted-cruz-chuck-hagel-_n_2592699.html)。彼は2009年にアル・ジャジーラがヘーゲルに核軍縮の件に関して訊いたインタビューの件を持ち出して、彼を刺激した。

インタビュー中のある時点で、ロンドンから電話をかけてきた人物が、ダブル・スタンダードについての憤りを表明した─他の国々はより厳しい基準のもとにあるのに、アメリカとその同盟国だけが国際法から自由である、といって(たとえば核兵器の所有や、その使用において)…その人物は、オマール・アル・バシール(スーダン大統領)が犯したダルフールでの戦争犯罪に関して国際刑事裁判所から訴追されても、イスラエルの指導者たちはパレスチナ人への戦争犯罪にも関らず、お咎めなしであるといったこと(*)からも、不平等に法が適用されていることは明白だと主張した。彼は怒りを吐きつづけて、スリ・ランカ政府がタミール・タイガーに対して犯したとされている戦争犯罪についての文句を言い、そして番組のホストは彼に対して、ヘーゲルにひとつ質問して終えるようにと頼んだ。ヘーゲルはそれに答えた際、電話の相手の論点には同意するといい始めた…私が思うには、ダブル・スタンダードがあった件については彼が同意していたのは明白で、彼はその後、アメリカとロシアが核軍縮の先導をきることによってそれを克服すべきだとも述べた。電話の相手には酷いアクセントがあり、彼が怒りつつ言ったことをヘーゲルが全て理解していたかは不明であったし、そのことからも彼がその相手に同意する必然性もより低かったといえる。クルスはヘーゲルが、スリ・ランカの件に関しても同意していた、と捉えたのだろうか?
 (* 2009年初頭のイスラエルによるガザ攻撃においては、イスラエル軍とパレスチナ武装勢力の双方に深刻な戦争犯罪があったとされ、調査を行った国連調査団はIDFも国際法に規定された人権法侵害で有罪に当たるとした。(コールはイスラエル元首相のリヴニ戦犯としてICCに告発されており英国に入国できないのではないか…と揶揄している

UN mission finds evidence of war crimes by both sides in Gaza conflict )

私はネブラスカ州出身の前・共和党上院議員のチャック・ヘーゲルには疑いもあり、私はアメリカの国内政治については殆ど全て同意する。しかし彼は、住宅都市開発省の長官に指名されたのではない、彼は防衛長官に指名されたのだ。そして、国防や外交政策については、ヘーゲルの見方は彼らに対して推薦すべき点が多くある。私は20044月に、ヘーゲルが委員を勤めていた上院の外交委員会の前で、イラクで叛起しているマハディ軍の件について証言を行った。その際の議長だったリチャード・ルガーとヘーゲルの両者が、その状況についての知識も豊富で、関心も深かったことに私は驚かされた。その他の人間たち、たとえばサム・ブラウンバックなどは、私の同僚のパネリストたち(そこに叛乱などない、と主張したネオコンのリチャード・パールなど…)に対し、殆どロボットのようにソフトボールを投げているに過ぎなかった。ヘーゲルはイラク戦争を容認することに票を投じた一人だったが、状況がどうなりつつあるかに関するアメリカの無知について、その時点でさえ疑問を呈しており、そしてブッシュ政権の後期においては、イラクからの撤退を主張する民主党の立場に賛成していた。ここに、ヘーゲルの指名に関するいくつかのポジティブなポイントがある:
 
1.チャック・ヘーゲルは勲功ある戦争の英雄で、ベトナムでは歩兵部隊のリーダーとして二つのパープル・ハート勲章を得ている。彼は、戦争とは何かを知っている─それは、よくある(戦いもしないで戦争を論ずる)チキンホークたちが彼を、戦争心が欠けるなどといって嗤うこととは、相容れないことだ。ウィリアム・クリストルが軍服を着た姿という考え、そのものには忍び笑いをもらさずを得ないのだが、しかしここにはその影響力のある男がいる(それはなぜなのだろうか?)彼は、彼が愛さない戦争には出会ったことがないのだ。ヘーゲルは戦争を知っているだけでなく、歩兵部隊とNCOの立場からそれを知っている─将校たちの部隊の視点からではない。ヘーゲルは戦争と、それが何を達成できるかに対して慎重で、そして時を経るごとにより慎重になってきた─彼の手がイラク問題の解決でやけどを負ったことによって。この慎重さとは、国防長官として賞賛すべきものだ。

2. ヘーゲルはベトナム戦争の擁護者であり続けた。彼はイラクへの派兵に期限を設ける法案を提案してきたが、その法案は通らなかった。(多くのイラク戦争帰還兵たちは18ヶ月の兵役を複数回にわたり経験し、そして彼らの問題の多くは長期の兵役に起因していた)。彼は上院議員ジム・ウェッブの提案した、GIに関する法案の主な共同署名者だった─それは911日以降に兵役に就いた者たちへの、教育機会を拡大するものだった(その法案は立法化された)。多くのベルトウェイ内部の強硬派論者たちが政治的な目的で兵を用いようとしながらも、帰還兵たちへの戦争終了後の社会保障をカットしようとするのとは異なり、ヘーゲルはそのことに対し注意を向けているのだ。

3.ヘーゲルは長らく、中東において外交的解決の代わりに制裁を用いることに対し反対してきた─2001627日に、米国イラン人評議会(American Iranian Council)の会議において、リビアとイランへの制裁というものは、「我々を孤立化させる」と論じたのだ。

4.ヘーゲルは、米国がイラクのような国に侵攻して民主主義をうちたてようといった…ジョージ・W.ブッシュと彼のネオコンの男性主義(マスキュリズム)的なウィルソン主義に反対した。ヘーゲルは2006年に、「私の意見としては、あなたがたは民主的な政府というものを、そうした歴史や文化や民主主義の伝統の全くない国に押し付けて樹立させることなどできない。…我々は、そうしたファンダメンタル(状況的発生要因)というものに、常にコネクションを持っているとは限らないのだ」と述べた。
5.2006年の夏に、イスラエルがレバノンを空爆してQana10数人の子供たちが殺されたとき、ヘーゲルはブッシュ政権が停戦への要請を拒否したこと(すなわち、イスラエルの更なる軍事行動を支持したこと)を批判して、「両サイドの胸の悪くなるような殺戮は、いま終わらねばならない、この狂気の沙汰を止めるべきだ」、と述べた。
 (中略…こうしたヘーゲルのリベラルな立場に関する推奨項目は10項目続く…)
 
…ヘーゲルは指名され、そして上院によって受諾されるだろう。そしてそのプロセスは、米国政府のイスラエルとその米国におけるロビーとの関係にとってのターニングポイントとなるだろう。それは非常にポジティブな状況的進展であり、特に、パレスチナにおいてヨルダン川西岸地域の併合によっては生き伸びることのできないイスラエル自身にとっては、そうなることだろう。
http://www.juancole.com/2013/02/mauled-bizarro-senate.html

ホアン・コールがBizarro…というのも頷け…チャック・ヘーゲルの公聴会については、
保守派のコラムニスト罵詈雑言はひどかった…たとえば、このJennifer Rubinのコラム…
http://www.washingtonpost.com/blogs/right-turn/wp/2013/01/31/hagel-sinking/
 Hagel sinking

Neocons Press Hagel in Confirmation Hearings  Hagel was largely submissive to right-wing bullies, passing up opportunities to defend his own views ちらはリベラル・ウェブサイト

─右派のキョウリョクなイスラエル・ロビーとキリスト教原理主義者たちは、ヘーゲルの長官任命をゆるすのだろうか?