Saturday, October 10, 2009

オバマはタリバンを討たない方針に転換する/Obama prepared to accept Taliban role in Afghan politics


“オバマ大統領は米国の政策の方向を変えて、
アフガニスタンでのタリバンの政治的役割を認める方向にある”と米高官が語った…

オバマ大統領、アフガンでのタリバンの部分的受け入れを準備? By Alex Spillius in Washington (10/9、The Telegraph, UK)

 オバマ大統領はアドバイザーや軍司令官たちと、アフガニスタンで米国のとるべきオプションを探るための会議を重ねてきた。米国のアフガンにおけるNATO司令官、Stanley McCrystal中将は、反乱勢力への対策としてさらなる4万の米軍兵力の増強を求めている。

 しかし最新のオバマ大統領の動静では、彼はこれを却下すると見込まれ、いかなる兵力増派もこの数字より小規模になると思われる。ホワイトハウスにおいて生じつつある考え方では、アル・カイダを打倒するためのより小規模な作戦を好み、それはタリバンを潰すことではないらしい。

 その代わり、米国はタリバンにアフガニスタンでの政治的な参加の場を与えながら、ある種の和解の途を探るかも知れない。AP通信社に状況のレビューを語った政府高官によれば、米国は「タリバンの権力への復帰を望まない」、しかし、彼らを完全に壊滅することも求めない。オバマのチームの一部は、アル・カイダと同盟して西欧の打倒を目標としているタリバンは少数に過ぎない、と信じている。「彼らは均一なタイプのグループではない」と、ホワイトハウスの報道官Robert Gibbsは語る。「諜報的情報に支えられているような組織では確かにない」

 ホワイトハウスは、アフガニスタンには約100人のアルカイダの工作員がいるという──パキスタンにはオサマ・ビン・ラディンとその主な同盟者を含めて、何千人もの工作員がいるというのだが。
 実施される可能性のある戦略とは、特殊部隊による作戦と無人偵察機、そしてパキスタン軍に一層、重要性をおくものだ──それはTribal Area(パキスタンの国境地域の部族エリア)における対テロリスト作戦においても、一定の成功を収めている戦略だ… しかし批評家たちは、アルカイダを討つことはタリバンを討つことだ、ともいう。

 「現実のところ、我々はもしもタリバンが戻ってきた場合、アル・カイダも戻ってくることはわかっている」と、共和党の上院議員John McCainは、今週のホワイトハウスでの会議の後に語った。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/6284390/Obama-prepared-to-accept-Taliban-role-in-Afghan-politics.html

オバマはタリバンで
なく、アルカイダにフォーカスを絞る (10/8,Associated Press)

 …オバマが推進しようとしている戦略では、“タリバンが権力の座を取りもどすことは許さない”、と政府高官はいう。しかし米国は、タリバンがアフガンの中央の支配権を取りもどすことのみを阻止するために戦う…現状はその状態からほど遠いが…そしてアフガニスタンをアル・カイダに新たなサンクチュアリとして与えぬよう阻止するという。

タリバンというものは滅ぼし尽くすにはアフガニスタンの文化に余りに深く浸透しすぎている、という現実に譲歩して…米政権は、アフガニスタンの一部でのタリバンの役割を認める準備をしていると政府高官はいう。それはタリバンのメンバーのなかで、中央政府に参加する為なら暴力の行使を放棄したい…という者のために途を開くこと─アフガンの大統領ハミド・カルザイが唱えているが、タリバンに余り受けいれられていない和平討議のようなものだ。それは国土の一部をタリバンに割譲することさえ意味する可能性もある。

ホワイトハウスの地下の安全な緊急対策室で開かれたはじめの2回の会議セッションで、オバマはアドバイザーたちに対して、ひとつの質問に繰り返し立ち帰った…それは:我々の敵とは誰かという質問だった、と高官はいう。

その答えとは、アル・カイダだ…3月にもそうだったのと同様に。

アフガニスタン情勢が激変するさなか、現在進む戦争についての討論で、新たに刷新された定義とはとても示唆的なものだ。

現在、アフガニスタンにはアル・カイダのメンバーは100人未満しかいない。米国のアフガニスタンでの戦争とは、対タリバンの戦争だったものの…今オバマ・チームによってそれはアル・カイダとは別個のものだとますます、見直されつつある。タリバンとは未だに危険な存在だとはいえ、彼らは領土的な目的を掲げた、ほとんど完全にローカルな土着のムーブメントで米国に対する脅威にはとてもほど遠いとみられる。

オバマのチームはタリバンのなかのいくらかの構成分子がアル・カイダと手を組み、その過渡的な広がりと、西欧を攻撃するという目標に組みしてもいるが、それはたぶん彼らの多数派とはいいがたく、彼らはイデオロギー的な理由よりも戦術的な理由で手を組んでいるのだろうと高官はいう。
「彼らは均質なタイプのグループではない」…ホワイトハウス報道官Robert Gibbsはいう。「それは確かに、どんなタイプの諜報的組織の後ろ盾も得ていないグループのようだ」

それはアフガニスタンにとって、米国がタリバンを追い出すより以前のタリバンが権力を握っていた当時にアル・カイダがここで組織を再結成したように、今また再結成を遂げさせることはもはや不可能…と否定するのが第一目標なのだ。

アル・カイダに焦点をあてることは、McChrystal中将の進言したアフガニスタンへの大規模兵力増派案に代わるものとして、バイデン副大統領の主張したアプローチの原動力ともいえる。バイデンは米軍を、現在容認された6万8千人を維持しつつ(うちにオバマが追加派兵として今年初めに命じた2万1千人も含め)しかし無人の偵察機や、また特殊部隊や一種のサージカル(外科的、物理的)な対テロ攻撃(空爆等)への依存…それはパキスタンやソマリアその他で成功を収めた方法だが…を大きく拡大すべきだ、と論じている。
http://www.nytimes.com/aponline/2009/10/08/us/politics/AP-US-US-Afghanistan.html?scp=7&sq=obama%20taliban%20role&st=cse


*この記事は流動的なホワイトハウスの討論を捉えているが希望的観測もある?実際このとおりに進むだろうか

*Afghan War Debate Now Leans to Focus on Al Qaeda
http://www.nytimes.com/2009/10/08/world/asia/08prexy.html?ref=asia