Sunday, January 17, 2010

自爆テロリストとアラブ・メディア?…"JIHADIST CHARACTER".."From the Jihadist Blogger to Suicide Bomber"

 CIAのセキュリティ史上の最大の汚点、ともいわれたアフガニスタン、KhostのCIA基地の自爆テロ事件。
 アフガニスタン情勢を専攻する若い米国人学生を含むCIA職員10名の死者を出し、米国の諜報能力に大きな疑問符が!

 事件早々の翌日には「アル・ジャジーラ英語版」が犯人のヨルダン人内科医、Humam Khalil Abu Mulalal-Balawiのプロフィールを素早く掲載したと西欧メディアが報じた。Balawiがアル・カイダ系のネット掲示板やジハディスト・ブログの有名人で、アラブ・メディアにも知られる人物だったから…らしいのだが?
 自爆テロ犯の医師、Abu Mulalal-Balawiはヨルダンの諜報機関が、CIAに「信頼できる情報屋」として紹介していた。しかし実は、彼はパキスタンのタリバンと、アル・カイダにも雇われた3重、または4重スパイの貌をもっていた‥
http://english.aljazeera.net/news/asia/2010/01/2010197189398339.html
CIA attack 'revenge for Mehsud'

自爆テロ犯Humam Khalil Abu Mulalal-Balawi
  アラブ系の英語ニュースメディアはこうした自爆テロ犯の詳しい家族のインタビューを、即座に記事やビデオで掲載した‥Balawiの一卵性双生児の兄弟が居たが、その談話なども採られており西欧メディアはやや裏をかかれたような印象もあった。http://www.aawsat.com/english/news.asp?section=3&id=19433

Asharq Al-Awsat Visits Home of CIA Triple Agent 07/01/2010

 Balawiは、米国のCIAに緊密に協力しているヨルダンの諜報機関General Intelligence Directorateが、信頼できる情報屋と保証してCIAに紹介。CIAは彼をアフガンの基地に送り込んだ。医者という職業柄、彼はアフガンでアル-ザワヒリを探す任務を帯びていたという。
 イラクにおいて、アル・カイダの大物だったアブ・ザルカウィなどの居場所の特定や暗殺に多大な協力をしてきたのもこのヨルダンの諜報組織で、イラク開戦以来、米国から毎年何百万ドルもの資金援助を受けてきたという。
 アフガン・パキスタン国境地帯付近のKhostのCIA基地はアル・カイダ関係の情報の収集を目的としており、ヨルダンの保証付でアルカイダに入り込めるダブルエージェントとなれば、喉から手が出るほど欲する人物だったという。パキスタンのタリバンも事件後、この自爆犯は当初CIAがリクルートし、その後パキスタンのタリバンにもダブルエージェントとして働く提案を持ちかけてきた人物であることを公表した。http://www.nytimes.com/2010/01/05/world/asia/05cia.html?hp

Attacker in Afghanistan Was a Double Agent
 CIAのKhost基地の自爆犯Balawiが、犯行前にタリバンのニュー・リーダー、Hakimullah Mehsudと共に写っている声明ビデオのオリジナルは、西欧メディアには余り出ていないが見ものかもしれない。Hakimullahはこのビデオで健在が確認されたが、その後1月17日に空爆で怪我を負い死亡したとも、再び噂された(しかしその後再び声明ビデオ等も流され、彼は生きているようである)
http://www.youtube.com/watch?v=9F-VO1MAoX0&feature=player_embedded

Balawiの声明ビデオでは、この自爆テロが米国によるタリバンの前リーダー、ベイトゥラ・メスードの暗殺の仇討ちだとはっきり宣言。http://english.aljazeera.net/news/asia/2009/03/2009331171735191991.html
Obituary: Baitullah Mehsud

NYタイムスのThe Ledeブログは同ビデオのリンクを掲載した
http://thelede.blogs.nytimes.com/2010/01/09/from-jihadist-blogger-to-suicide-bomber/
From the Jihadist Blogger to Suicide Bomber

http://www.nytimes.com/2010/01/10/world/middleeast/10balawi.html?hp
Bomber Who Killed C.I.A. Officers Appears in Video


サウジの準政府系新聞Asharq Alawsatの女性コラムニストのDiana Mukkaledは、Balawiが911テロ犯のMohammed Ataと Zyad Jarrahに次ぐ、「大物自爆テロ犯」のようにも書いている。
http://www.aawsat.com/english/news.asp?section=2&id=19525
Al Balawi: After Ata and al Jarrah 
 彼女のコラムは、「イラクのアル・カイダの“butcher屠殺人”と呼ばれたAbu Musab al Zarqawiのような無謀な人物が出たおかげで、昨今の我々はアル・カイダの人気が無くなったのではと信じ込まされていたが‥今回の事件からみても、アル・カイダはいまだに彼らジハード願望のある若者に人気があるではないか」と論じる。
彼女は、「オンライン上の“JIHADIST CHARACTER”としても知られたBalawiによる爆破テロは‥米国の911以来のすべての努力の崩壊の一例であり‥“Mohammed Ata と Zyad Jarrah後の時代”を代表するものだ‥」などと述べる‥レバノンその他アラブ諸国でTVキャスターとしても知られるという彼女のコラムは比較的平明なトーンだが、アラブの人々の一般的庶民感情を伝えているかも知れないのだ。
* 写真右:Diana Mukkaled

Monday, January 4, 2010

パキスタンはなぜ、アメリカを憎むのか?──それは我々が頼りだからだ Why Does Pakistan Hate the United States? Because it is dependent on us.-By Christopher Hitchens


パキスタンと米国の「病気な関係」を掘りさげるコラム
…でも、西欧人はいまいち他人の心を読みきれていないようでもある 

パキスタンはなぜ、アメリカを憎むのか?
──彼らには我々が頼りだからだ
 (12/21、By クリストファー・ヒッチンズ)


 副大統領を信頼しようではないか。彼は、本当に政治を楽しんでいるし…「彼が政治に尽力していない部分なんて見あたらないかのようだ」
 …私の同僚は、先週の水曜日の朝、彼についてなかば賞賛しつつこういった。我々二人は、バイデン副大統領がスカボローとブレジンスキ・チームによる主にアフガン問題に関するインタビューを終えた後…彼にコメントをのべるために、スタジオに入る時間を待っていた。

 彼はスタジオを去りながらも、我々と話をすべく立ち止まってくれた。この話題について喋ることのできるチャンスを失いたくなかった私は、彼に──なぜそのインタビューの中で、インドについては一度しか触れなかったのか、と尋ねた。すぐさまバイデンは、少数の良き政治家だけがマスターするトリックをもちいて…まるでその質問の内容とは、彼自身の考えていたアイディアのようなふりをして答えた…

 もちろん、と彼は言った───パキスタンがその最良の軍隊を、FATA*(パキスタンの政府公認の部族地帯)に駐留させているよりも、インド〔=我々の友〕との国境地帯に置き続けるのを好むことには、心悩まされているのだ、と…FATAでは、彼らはタリバンとアルカイダ〔=我々の敵〕と戦う可能性があるというのに。…彼はそして、私と握手を交わし、次の人間との握手へと移っていった。 (*Federally Administered Tribal Areas)

 その日の朝、新聞各紙が、パキスタン当局は彼らが、彼らにとっての重要な資産(asset)だと考えているアフガニスタンのタリバン指導者を捕らえることには何の関心も示していないのだ、と報じていた。新聞各紙はまた次の朝、パキスタン政府が米国の大使館員と他の要員に支給するビザの延長を拒否し、諜報情報の収集からヘリコプターのメンテナンスに至るまでのあらゆる事柄に、じょじょに麻痺が生じつつある、と報じていた。

 このことから、いくつかの質問が生じる。一つ目は:この地域の戦略の責任者とは誰なのだろうか?もしもハミド・カルザイ大統領に、悲惨な程にぐらついた彼の体制の状況に関して、厳しい言葉を語る必要があったなら、その言葉を伝える役とは副大統領の引き当て仕事だったろう。それ以外の時には、アフガン・パキスタン戦略という次元はおそらくリチャード・ホルブルックの監督の範囲だと考えられるが、彼は最近あからさまな不服のサインを示している。あるいはそのうち、国務長官のヒラリー・クリントンが、カブールかイスラマバードの滑走路の上に現れる可能性もある。または、それは国防長官のロバート・ゲイツかCIA、その他の幾人もの軍司令官たちの責任の範ちゅうかもしれない。彼らがもしも、"ライバル同士から成るチーム”なのだとしたら、議論のなかでお互いのポリシーの違いを明確化しても効果はないだろう。それはただ、(異なる見解どうしの)不快な応酬が続くだけの状態に違いない。

 次の質問とは、もう少し古い質問の焼き直しだ:なぜパキスタン人は我々を憎むのか?…我々はこれを泣き言のような調子で、"彼らのために我々が働いてやった後に…” などといいつつ、問いかけるべきではない、しかし何れにせよ、明らかにそれは難問なのだ。

 米国はパキスタンという国を、冷戦時代の同盟国として最重要視してきた。米国は彼らの軍隊が、常に政治の場に介入することも大目にみてきた。そして米国は多くの札束を費やしながらも、彼らには、余り多くの質問を投げかけなかった。米国は一般的にインドよりもパキスタンを好んできたのだが、その国は最近、危険なほどに“中立主義(neutralist)”の国だと看なされ、そしてバングラデシュ戦争の最中には、東ベンガルでのモスリムの民族虐殺に対して目を閉ざしてきた。ソビエトによるアフガニスタン占領時代には、米国はパキスタン軍とその諜報機関に対し溢れるほどの乳の恩恵を与え、彼らの側が核兵器を獲得することさえも許した。

 そして次の質問として、パキスタンのエリート層は、なぜ米国を憎むのかという問いに至る。彼らはそうする、なぜならば彼らは米国に頼っているし、未だに米国によって“買われて”いる。彼らは米国を、しばしば属国client statesとその給与支払人paymastersの間に生じるような自己嫌悪のようなものによって嫌っている。(貴方は同じような憤りを、エジプトの支配層の間にもしばしば感知することだろうし、時にはイスラエルの右翼政治家たちにも感じるだろう。)米国の施し物の受領者であるという彼らの救いがたく惨めなステータスの、過剰なる清算(overcompensation)という意味で、そうしたグループはしばしば、彼らの僅かに残るぼろ布のようなプライドを大げさに振り回すのだ。パキスタンでのその最も安全なはけ口とは、(米国からの)次なる補助金に一方の手を伸ばしつつ、イスラムの宗教的団結への敬虔なノイズを喧しく立てるというような、その国のオフィシャルな文化だ。パキスタン軍の将校たちは今や、公共の場で彼らの支配力をカースト制度のように持続し、彼らの不運な隣国アフガニスタンにも支配の拡大を試みるよりも、祖国の独立を護るほうを望むような態度を、気取った身振りで表わしている。

  このことは今でも、そしてそれは過去にも常に病んだ関係だったし、今や危険なほど病的なものになっている。そのような基本状況の上に、実効的で、信頼のおける、共に闘える同盟関係を見出すことは不可能だ。共産主義下の東ヨーロッパの工場労働者らはこう冗談を言った、“我々は働くふりをする、そして彼らは我々に支払いするふりをする”…と。パキスタンの例では、パキスタン人たちは彼らの軍隊の主な一撃を(我々との)共通の敵に向けて放つ…というふりをさえしないのだが、それでも我々は、無論、彼らに支払いを続ける。もしも我々だけがそれを知っているのなら、真の恥辱と軽蔑は我々が蒙るものであって彼らのものではない。

 このことは、我々がアジアに於ける長期的な同盟者がパキスタンではなく、インドなのだと気づくまでは、より不快で腐敗した、品位を落とすものになって行く。そしてインドとは、自己憐ぴんと自己嫌悪で燃え上がっているような国家ではない…なぜならインドは一度も、我々の植民地や属国だったことはないからだ。

 我々はニューデリーに、ひと月に15もの異なる代表団を…なだめ半分、苛め半分に…送る必要もない。なぜならインドとの関係はヒステリー感情や羨望 hysteria and envyなどに基づいてはいないからだ。そうとはいえ、ああ悲しいかな…、我々はこの世界最大の、世俗的で多文化的な民主主義の国に何らの代表団も送ることもなく、そしてその国のことは、(米国の外交ポリシーにおいては)単なるあと知恵のごとく言及されているだけだ…このことが変わるまでは、何も変わらないだろう。
http://www.slate.com/id/2239339/

Hitchens meets Biden?..


*12/15 NBCのinterview:Hitchens on Afghanistan, Palin
http://www.videosurf.com/video/hitchens-on-afghanistan-palin-103899853
ヒッチンズは、「パキスタン軍の主勢力が置かれているのは"Wrong border”だ」とバイデンがいった、といっている…また彼ら出演者はパキスタンが最近、ハカニ族勢力に対する攻撃を拒否した件について語っている…
(─上の記事のなかで友人と呼び、Biden副大統領へのインタビューを共に行ったとしているWashington PostのEugine Robinson記者と一緒にTV出演している)