Sunday, September 10, 2017

シャルロッツヴィルに現れた、軍隊でもないのに武装した迷彩服の男たちとは誰なのか?Who were the armed, camouflaged men in Charlottesville who have nothing to do with the military?

Yingling, in sunglasses     
シャルロッツヴィルに現れた、軍隊でもないのに武装した迷彩服の男たちとは誰なのか?
 By Hanna Kozlowska (2017/8/15, Quartz.com)


先週の末、バージニア州・シャルロッツヴィルでの白人至上主義者らによる集会で起きた暴力事件では、松明やナチの記章を振りかざす…落ち着きのない白人の男らの集団から、群衆に突っ込む車が人々を宙に飛ばす有様に至るまでの光景が、多くの人々にショックを与えた。ソーシャル・メディアに拡散した画像の一つとは、迷彩服に身を包んで重武装した男たちが、まるで戦場に出た兵士らのごとく居並んでいる光景だった。

何と驚いたことに!彼らは米軍の一部などではない。彼らは、3年前の今月にファーガソンでの(黒人に対する警察暴力への)抗議デモの前に出現した、重武装の法の執行機関(武装警察)の一員ですらないのだ。彼らは武装した民兵組織(militia)であり…シャルロッツヴィルの抗議デモの秩序を守るために来た、と自称している。彼らがそこで一体何をしていたのかに関して、ここに正確な説明がある─

Who are these guys? この男たちは誰なのか?

これらの武装した準軍事的集団は、強固な反政府的信条を抱きつつ、自らを米国憲法の保護者だとも位置づけている。民衆のあいだでの彼らの人気は共和党政権の時期におおむね減退したものの、専門家らはトランプ政権下における彼らの活動は衰えていない、とも言う。

この民兵組織のリーダーChristian Yinglingをインタビューしたワシントン・ポスト紙によると─これらの光景に映っていた男たちとは、彼がソーシャル・メディアやオンライン・フォーラムを通じて、東海岸の異なるユニットからリクルートしてきた32の民兵組織のメンバーなのだという。イングリング自身はペンシルバニアのLight Foot 民兵団の司令官であり、崩壊した家庭を逃れ、海軍に入隊したという。彼は似たような民兵団をそれ以外の右翼組織の集会でも組織しており、バージニアの民兵団の司令官が彼にシャルロッツヴィルへの出動を依頼したのだ、という。

ある民兵団ウォッチャーは、今回の抗議デモには、これら以外にも他の数グループが参加していたという。

シャルロッツヴィルの事件に参加していた愛国的民兵組織のチャート
Chart of Patriot militias involved in #Charlottesville, via @MilitiaWatch:
https://t.co/HjwZmFUsZr pic.twitter.com/oAA8StmUfN
? Hampton Stall ?????? (@HamptonStall) August 14, 2017


Whose side are they on? 彼らはどちらの側を支持するのか?

インリングはシャルロッツヴィルのデモ隊に関しては、両者の側を「jackass(のろま、間抜け)」と呼び、彼らのグループが、そこに、単に言論の自由の権利を謳う憲法修正第一条(First Amendment)を守るために居たのだと語る。彼は、彼の呼びかけに応じた者の数は多くなかった(白人至上主義者と間違われる事を嫌う者が多かったために)という。

シャルロッツヴィルにいたことが報じられた別の民兵団、「Three Percenters(3%たち)」は、抗議デモの発生に際して「解隊(隊列を解いて解散)せよ」という命令を出し、メンバーが一人でもネオ・ナチや白人主義者のデモに参加することは、非難糾弾したと、”The Trace”は報じている。

非常に広範な地域に広がる緩やかな民兵組織である、「Three Percenters(3%たち)」は、最終的には彼ら自身、白人至上主義者からは距離を置くことを決断した。

これらのグループは、長らく右翼的な反政府運動勢力(2016年に野生生物保護区を占拠したグループなども含めた─)と連帯していた。シャルロッツヴィルのデモの起きたその日に、FBIは23歳の男、Jerry Drake Varnellを逮捕した─彼は「Three Percenters(3%たち)」のフォロワーだったと報じられ、オクラホマ銀行で自動車爆弾を爆発させようと計画していた。という。


Why were they able to be so intensely armed? 彼らはなぜそこまで、重武装ができたのか?

民兵組織が軍隊にそこまで酷似している理由とはその武器だ─そこには攻撃用ライフルも含まれ─イングリングによれば─それには実弾も装填されている。バージニアでは、銃器の携帯への法的規制が非常に緩いのだ。そこでは、何の許可もなく公然と銃器を携帯でき、州への登録義務もない。バージニアでは攻撃用武器に対する規制も非常にわずかなのだ。

市民の動乱を規制するため、ほぼ30年ぶりに動員されたバージニアの州兵は、人々が民兵のメンバーを彼らと混同することを非常に懸念し、ツイッターでその識別方法を発信した:

.@VaNationalGuard ready to assist local law enforcement in #Charlottesville, can be identified by MP patch #cvilleaug12 pic.twitter.com/xkz2SqZlAR

シャルロッツヴィルで地元の法的執行組織(警察)に協力するバージニアの州兵組織はMPパッチで識別できる
? Va. National Guard (@VaNationalGuard) August 12, 2017


What was their role? 彼らの役割とは何か?

地元の法的執行組織(警察)は、暴力への対処において精彩を欠いていたことで批判を浴びた。ProPublicaの記者によれば、ニューヨーク州からきた民兵のメンバーは、言い争いなどを解消させるために警察よりもアクティブな役割を果たしたという。バージニア州のTerry McAuliffe知事でさえも、ニューヨークタイムズに対して公的勢力を擁護すると語り、その男たちが「我々の州警察よりもよい装備を持っていた」と語った。
https://qz.com/1053604/who-were-the-armed-camouflaged-men-in-charlottesville-who-have-nothing-to-do-with-the-military/

★次の記事「The complete story of what happened in Charlottesville, according to the alt-right」
シャルロッツヴィルで何があったのか─オルト・ライトの証言する完全なストーリー」
https://qz.com/1053220/charlottesville-attack-how-the-violence-unfolded-through-the-eyes-of-the-alt-right/
(に続く)

*関連記事
How Militias Became the Private Police for White Supremacists
http://www.politico.com/magazine/story/2017/08/17/white-supremacists-militias-private-police-215498