我々は知っている:何がフレディ・グレイを殺したのか?─ そして、警察バッジは真実を匿せない
金曜日の朝、ボルチモア州検事 マリリン・モスビーMarilyn Mosbyは、フレディ・グレイFreddie Grayの検死官による調査結果を発表した。報告書は明快だった。彼を死に至らせた首の損傷とはほとんど、頸椎が切断されていたも同然だったが─それは、 手錠をはめられ、警察のワゴン車に乗せられた際に、十分な安全確保がされなかったことによるものだった。
グ レイは、手頸と足首とを手枷足枷で拘束されて、バンが西ボルチモアを走り回るあいだ車内にうつ伏せの状態で放置されていた。車の走行中には少なくとも2人 の警官が、グレイの状態をチェックする任務にあったが、彼らは彼の呼吸ができないとの訴えに対しても、何もしなかった。彼による訴えと「急速に悪化」して いく状態にも関わらず、彼にいは何の医療処置も施されなかった。最後に、警察署に到着した瞬間に彼は、心臓発作を起こしていた。
だが、それだけではない。Mosbyによれば、逮捕そのものが違法だった。警察にはグレイを拘束する理由はなかった─彼は武器すら所持しておらず、警官たち が彼のポケットにみつけたナイフはスウィッチ・ブレード(飛び出しナイフ)ではなかったため、メリーランドの州法の下でも、所持は合法だった。「グレイ氏 は何の犯罪も冒して」いなかった。
つまりは、グレイは警察によって誤って拘束されて、致死的な怪我を負わされた。もちろん6人の警官[Officer Caesar Goodson Jr.、Officer William Porter、 Lt. Brian Rice、Officer Edward
Nero、Officer
Garrett Miller、Sgt. Alicia White]らはグレイが医療処置を受ける必要があったことを知っており、彼が死ぬか深刻な怪我を負う可能性がある、とも知っていたが、彼らは何ら行動しないことを選んで、彼の運命を決定づけた。Mosbyは─彼の死因は殺人であると述べた。それはボルチモア警察が出したメディア向けのプレス・リリースによる主張─つまり、グレイは自死した、という見解とは決定的に対立する。
かくしてMosbyのオフィスは、この件に関与した者全員の容疑を提出すると宣言した〔Goodsonの容疑とは、第2級醜行謀殺罪(または”人命に対する酷薄なる無視”)、未必の故意による過失致死罪、第2級暴行罪、車両による過失致死罪、職権乱用罪だ。Porterの容疑とは未必の故意による過失致死罪、第2級暴行罪、職権乱用であり、Riceもまた同様の容疑と誤認逮捕によって拘置した罪に問われる。Nero と Millerは第2級暴行罪、職権乱用と誤認逮捕による拘置罪に問われる。Whiteは過失致死罪に加えて、暴行罪、職権乱用と誤認逮捕による拘置罪に問われる〕。彼らのすべてが休職処分を受け、逮捕状が発行されている。こうした変化とはボルチモア警察への決定的な反撃となる。
ツイッター上で巻き起こったリアクションとは全くの驚きに溢れていたが、それには大きな理由がある。警察が、犯罪容疑に直面したことは非常に稀なのだ。Washington Post紙は、近年の警察による暴力事件の統計をこう報じている─「2005年以降に発生した、何千件もの死を招いた狙撃事件のうちでは、わずか、54人の警官が訴追されたにすぎない…」と。そしてメリーランド州では、警察権力による「正当化される殺人」が高率で発生しており、市民が死亡した場合でも、警官たちが犯罪容疑で訴追された例は2%以下なのだ。いや、グレイの死は狙撃による死ではないが…彼らに対する容疑の提出とは従来のパターンへの挑戦ともなる。
ツイッター上で巻き起こったリアクションとは全くの驚きに溢れていたが、それには大きな理由がある。警察が、犯罪容疑に直面したことは非常に稀なのだ。Washington Post紙は、近年の警察による暴力事件の統計をこう報じている─「2005年以降に発生した、何千件もの死を招いた狙撃事件のうちでは、わずか、54人の警官が訴追されたにすぎない…」と。そしてメリーランド州では、警察権力による「正当化される殺人」が高率で発生しており、市民が死亡した場合でも、警官たちが犯罪容疑で訴追された例は2%以下なのだ。いや、グレイの死は狙撃による死ではないが…彼らに対する容疑の提出とは従来のパターンへの挑戦ともなる。
警官らに対する容疑とは法に則ったものだ。人々はボルチモアのリーダー達が持つ視力というものは無視し得ない、ともいう。Mosbyとは黒人だ…警察のコミッショナーのAnthony Battsも黒人で、市長のStephanie Rawlings-Blakeも黒人だ。こうして描写される代理人たちも、これまで、市に巣食う問題を解決してはこなかった…だがFergusonの ような都市のリーダーシップに比べれば、彼らがその選挙民たちとの間により密接な繋がりをもち、コミュニティーの動きに対してより一層の采配を揮う可能 性はある。抵抗デモや暴動や一般市民のあいだの不満(先週までに、ボルチモア市民の間でそれを耳にするのは容易だった)が渦巻いている、不穏さのただ なかで、警官らへの容疑取り下げが、危険を招くということを担当官たちは判っていた。
容疑が全うされる、との保証はない。シカゴでもRekia Boyd、という男性が銃に手をかけたと信じて人々の群れに向かって発砲して、Boydを殺害した非番の警官は、未必の故意による過失致死罪に問われたものの─容疑は取り下げられたのだ。しかし、警察の暴力をめぐる問題が信頼性の問題であるなら、今回の容疑の提出とは、次の動きがどうなろうと重要だ。
ボルチモア市は、これらの警官らによる行為が誤てる行為だったのだ、と多くの言葉を連ねて述べた。Freddie Grayの生命が重要で、彼の死が起こるべきことでなかったならば、あなたのつけた警官バッジとは、あなたの負うべき責任を否定するものではない。
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2015/05/marilyn_mosby_is_charging_six_baltimore_police_officers_with_freddie_gray.html
How to Hold the Baltimore Police Accountable
Editorial/ ボルチモア警察の信頼性を保つために (5/1, NYtimes)
ボルチモア市は、これらの警官らによる行為が誤てる行為だったのだ、と多くの言葉を連ねて述べた。Freddie Grayの生命が重要で、彼の死が起こるべきことでなかったならば、あなたのつけた警官バッジとは、あなたの負うべき責任を否定するものではない。
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2015/05/marilyn_mosby_is_charging_six_baltimore_police_officers_with_freddie_gray.html
How to Hold the Baltimore Police Accountable
Editorial/ ボルチモア警察の信頼性を保つために (5/1, NYtimes)
今朝、ボルチモアの州検事Marilyn
J. Mosbyは…Freddie
Gray.に対する過失致死罪と職権乱用罪の容疑で警官たちを訴追するとのサプライズ・アナウンスメントを発した…(中略)
月 曜日に起きた暴動の只中で、メリーランド州知事のLarry
Hoganは今週、州議会に提出する筈だった数件の議案への署名を遅らせることを強いられていた─その議案とは、ボルチモア市のみならず、州全体におけ る警察の信頼性を改善して市民による監視を高めることを目的とした議案だった。警察の暴力によって暴動が誘発されたという状況のなかで、Hogan氏はこうした議案へと立ち戻って、それにできるかぎり早急に署名すべきである…(中略)
若い黒人青年、Freddie
Grayの死が暴動を誘発してから数日間に…ボルチモア市が警察暴力が多くの人々の生命を奪ってきたという由々しき歴史を持っており、それが州政府と住民とのあいだの信頼も損ねてきた、という事実が広く知れ渡ってしまった。だが、警察権力に調査の手がはいらないのはこのメリーランド最大の都市に限ったことではない。メリーランド州の米国自由人権教会(The
American Civil Liberties Union of Maryland)はこの3月に─2010年から2014年までの期間において、全米を対象に調査した瞠目すべき報告書を発信した(後略)http://www.nytimes.com/2015/05/01/opinion/how-to-hold-the-police-accountable.html?_r=0