Thursday, September 3, 2009

イランのお尋ね者/Iran's Most Wanted-Ahmadinejad's choice for defense minister is sought by Interpol for planning the bombing of synagogue. By C.Hitchens


このほど、 再選後にアフマディネジャド大統領の指名した
21人の閣僚が承認されたが

イラン最大のお尋ね者─
アフマディネジャドの選んだ国防大臣とは、インターポールの指名手配犯、アルゼンチンのシナゴーグ爆破の容疑者だ (8/24、By クリストファー・ヒッチンズ)


 オバマ大統領は、イラン・イスラム共和国が「(世界の)国々のコミュニティ」へと戻ることを願っている、と述べた。残念ながら、同国をそのような配慮から排除しているのは、詳細に言うとイスラム共和国自身であることは事実だ。最近の軍事クーデターで生々しい血を浴びたばかりの専制君主マフムード・アフマディネジャドが先週、彼の防衛大臣を指名したときにもその状況は繰り返された。その人物とはAhmad Vahidi…各国の防衛ファイルに名前が載り、またインターポール(国際刑事警察機構)によっても指名手配されている人物だ。

 Ahmad Vahidiはかつて「クッズ・フォース(Quds Force)」という「革命防衛隊」の影の武装機関を率いていたが、その機関は海外で秘密作戦を遂行していた。アルゼンチンのインターポールの「レッドリスト」(「最重要指名手配犯」リスト)によれば、1994年に彼はブエノスアイレスの「ユダヤ人コミュニティ文化センター」の破壊を「発案し、計画し、資金を集め、実行した」人物の1人だった。その事件では85人が死亡し、何百人もが負傷した。この残虐事件を遂行した5人の共犯者のなかには、モーセン・レザイー(Mohsen Rezaee)──元・革命防衛隊のヘッドで、最近の大統領候補者の1人──また、故・イマド・ムグニヤ(Imad Mugniyeh)、つまり、ダマスカスを根拠地にしたヒズボラの軍事部門(それ自身がイスラム共和国の代理人を宣言する)の元リーダーも含まれていた。

 当時、インターポールの事務総長であったRonald K. Nobleは、「レッド・リストの通知により、その人物の旅行の自由が制限されるが(chills travel—limits travel)、その土地の行政当局が、なぜレッド・リストを発された人物が自由に旅行できるかを説明した場合にその政府にはリスクが課せられる」としている…同様の特別な圧力のかかったケースが、2006年当時のカナダ外相の関係者の身に起きた。外相のオフィスではSaeed Mortazaviなる人物が、イランからフランクフルト、ジュネーブ経由でカナダに旅行してくるとの通知を受け取ったが、Mortazaviとはテヘランで、その当時から(そして今でも)最も嫌われ恐れられている検察庁長官で、彼の権限で2003年には、カナダ市民の女性フォト・ジャーナリストZahra Kazemiに対するレイプと殺人容疑への告訴が却下されていた。彼は二つの独立委員会が有罪だと認めたこのカナダ女性のレイプ犯と殺害犯を釈放していた。(…Mortazaviはこのとき、人権評議会”Human Rights Council”へのイランの公的な代表団の一員としてジュネーブを訪れた途上であったことを、私はここに付け加えるべきだろうか?) カナダの外相のPeter MacKay は彼の相手国に電話しMortazaviを逮捕してカナダに送還するように、との要請を試みたが、彼の行動は少し迅速さにかけていた。

 もうひとつの考慮に値する印象的なbacklog (情報記録)によれば、1997年にドイツの裁判所は、1992年に起きたベルリンのMykonosレストランでのイラン系クルド人たちの射殺事件が、イラン政府「最高指導者」のアリ・ハメネイとラフサンジャニ首相を含む委員会の命令によって行われたことを見出した。これは犯罪事件の捜査が、イランの国家元首とその周囲の人物たちに及んだ事件として最初のものではなかった。Mark Bowdenは、マフムード・アフマディネジャドがかつてテヘランのアメリカ大使館での外交特権を侵害した人質誘拐者たちの1人だったという、説得力ある(結論を断定するほどではないが)証言も行った。またオーストリア議会の立法議員たちは──アフマディネジャドが革命防衛隊のリーダーとして、イランの暗殺部隊が'89年に実行したイランのクルド人リーダーAbdul-Rahman Ghassemlouのウィーンでの暗殺において、武器・資金の調達に果たした役割に関する尋問を要求している。

 革命防衛隊という名称は当初は、最近言われているような通り言葉ではなかった。しかし今年、テヘランで起きた、同防衛隊がメイン・エンジンとなった軍事的クーデターは、それを我々が注目する最前線へと押し出した。若いイラン人たちへのレイプや拷問といったサディスティックな公的な虐待、ときには女性たちの殺害、新聞の発行停止、反対派・知識人たちを裁くショー仕立ての裁判…──これらは「革命防衛隊」の活動と野望の成果だ。自ら自身のボーダーの中に閉じ込められたイラン人たちを助け、援護するために我々がなし得ることは限られているかもしれない。しかし、今や国際社会はこの犯罪的ギャングたち自身が、自らの境界の内側に留まるように、と声を上げて言うべきだ。おそらく、アフマディネジャドの選んだ国防大臣には、「大統領」アフマディネジャドがコロンビア大学でのスピーチに招聘されたよりも僅かな招待しかなく、歓迎の赤い絨毯を敷き延べる国々も少ないだろう。殺人や拷問を監督していた周知の責任者をジュネーヴの世界人権サミットに出席させることについても…おそらく、それもまた不適切な禁忌事項とすべきだろう。こうした人間たちは海外に銀行口座をも所有しているが(救いがたいほど不活発なイラン経済から彼らが何年も逃れてきた結果):そうした口座もまた凍結するか、または民主主義の実現される日まで、条件付捺印証書をつけて資産を没収した方がいい。

 レバノンやイラクで宗派間闘争の殺人を行った人間たちや、サルマン・ラシュディ(当時ロンドン在住の小説家)の編集者や出版者に対する暗殺を試み、組織的にそれを遂行した人間たちは、イラン政府による報酬を受けつつイランのどこかに隠れている。誰もが今や、イラン政府は自国内でどんな法的正当性への訴えも剥奪しているのだ、と知っている。そしてその重要性において殆ど遜色のない事実とは、その政府はいまや外部世界に対しても犯罪的事業としての貌を現してきたということだ。国々の間には、ファミリーというものはない──口語的な言い方での、「犯罪一家(crime family)」の様なものへの所属を促される以外は。我々は各国のリーダーたちをスタート地点に据え、彼らに対してその多くの「お尋ね者の共犯者たち」の本国送還を求め、彼らの海外の代理機関に対しては、重いペナルティを課すべきだ。リビアのカダフィ大佐の手によって英国が屈辱を受けたこと(*スコットランド・ロッカービーでのパンナム航空機撃墜犯を先日釈放したこと)に対し、オバマ政権が無力であったその週は、こうしたことへの我々の責任…我々のカナダに住む隣人たちへの義務を含めて…を思い出すのに最高の瞬間だった。しかし、思い出してほしい:バグダッド陥落の後、カダフィ大佐は少なくともその核燃料物質の放棄を決意した。イランの場合は、神権政体の暴漢、詐欺師、暗殺者たちが彼ら独自に、核分裂性の物質やミサイルを整えるまでに長くはかからないだろうということだ。彼らが明らかにそれをやっていることを心に留め、忘れないでほしい。

http://www.slate.com/id/2226110/http://aa.yhs.search.yahoo.com/avg/search?fr=yhs-avgb&type=yahoo_avg_hs2-tb-web_aa&p=v