Want To Stop Nuclear Proliferation? Encourage Democracy.
Ignore the shady people promoting sinister theories to the contrary.
核兵器の拡散を抑制したい?それなら、民主主義をおし進めよ。
…悪意のある逆の理論を主張する怪しげな奴らを気にするな。
By クリストファー・ヒッチンズ(5/23、Slate.com) (写真:Dr.A.Q.Khan)
核拡散によって不当に利益を得る者たちの側から、よい行為についてのレクチャーを受けることはとても不愉快だが─しかし、もしもあなたがそこでじっとして、自分の嘔吐した物を飲み込めるなら、そこで学べるレッスンというものもある。
4月27日にNew York Timesは、「王の中の王 "King of Kings"」、狂気の扇動者の娘、Aisha el-Qaddafiの長いインタビュー(*)を掲載していた。Saddam Husseinの法的弁護団のメンバーとしても働いた彼女は─その経験からは彼女はほとんど何も学ばなかったようだが─まさに国際刑事裁判所にも名前を言及された経験をもっているわけだ。反乱的な裏切り者たるリビア人たちの特性をあれこれと語りながら、彼女はどうにか過去についての興味深い回想を織り交ぜていた:
彼女は、彼らの運動を彼女の父親が支持していたアラブ人たちの「裏切り」について、また彼が大量破壊兵器を明け渡した西欧の同盟国らについて不満を述べていた。「これが我々の得た報酬なのか?」と彼女は問うた。「このことによって、大量破壊兵器を持つすべての国が今後それを保持し続けるかもしれないし、あるいはそれをより沢山作ることによって、リビアのような運命を辿らないようにするかも知れない」(註:リビアのQaddafi大佐は、ブッシュ政権によるサダム・フセイン政権の転覆をまのあたりにし、核開発プログラムを断念、2003年に核備蓄を全て米国に明け渡し、外交路線を急に親欧米に転じた…)
先週の末にNewsweekに寄稿された記事 http://www.newsweek.com/2011/05/15/pakistan-s-a-q-khan-my-nuclear-manifesto.html で、パキスタンの有名なA.Q. Khan(博士)が同じような論点を主張していた─核兵器を第3国に売る上での彼の役割には少しも触れもせずに…。その論点とはこうだ:
核保有国として、軍事攻撃や占領にさらされた国、あるいは国境線を引きなおされたような国がひとつも存在しない、という事実を看過するな。もしもイラクとリビアが核保有国であったなら、それらの国が我々が最近目にしたような仕方で破壊されることはなかったろう。もしも我々(パキスタン)が1971年以前に核の保有能力をもっていたら、我々は我々の国土の半分─ 現在のバングラデシュを、不名誉な敗北の後に失うことはなかったろう。
私が今、彼らの言葉を引用した二人のいかがわしいキャラクターはもちろん、手前勝手な理論を展開しているのだ。(肩をすくめさせるKhanの主張は、我々に─パキスタンがいかにバングラデシュの民族虐殺でその通常兵器を改良することができたか、そしてさらに、インドの街々を破壊するとの脅迫にさえも用いることができたかを、静かに思い出させる)しかし、この論議は色々な形で、より尊敬できるフォーラム(公開討論の場)でも繰り返し言及された。広く過大評価がされているMohamed ElBaradeiは、その最新著『The Age of Deception』において、大方の”ならず者国家”の核兵器に関する非行行為はアメリカ合衆国のせいだとしている。たとえば、リビアの保有した核兵器… 彼がIAEA(国際原子力委員会)での任期中になんとか無視し続けたすべての存在は…1986年の米国によるトリポリ空爆への返答、として「本当に」獲得されたものだといっている。彼はQaddafiとの会合で、Qaddafiが「彼がリビアを発展させたい、との願いを誠実に語った」とも言及している。
カーネギー国際平和基金のGeorge Perkovichもまた、そのElBaradeiの著書についての優れた書評 http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/mohamed-elbaradeis-the-age-of-deception-on-nuclear-diplomacy/2011/04/21/AF6rlmAG_story.htmlの中で、彼のイランと北朝鮮に対するこの上なくお目出たいナイーブぶりを引用している。イラン上層部のMullah(宗教指導者)らが…もしもMahmoud Ahmadinejad大統領がワシントンとの何らかの合意を達成したならば、彼の後につこうと計画している、と知って彼はこうコメントする─「私は溜息をついた。テヘランはワシントンの政治に追従するべく、余りにも時間を費やしすぎたと私は思った」。そんななか、一方でKim Jong-ilの政権は「孤立し、窮乏し、米国によって深く脅かされていると感じているが、それでもなお反逆し続ける」。確かに、反逆ぶりは十分だ─ そのミサイルを発射テストのために核非保有国である日本の本土の上に警告なく発射し、太平洋の水面に「着水させ」ようとするとは。
これらの、緩く連携した繋ぎ目が─もしも米国がより寛大な戦略を選び、独裁者たちに核保有に走らせるようなニーズや怖れへの、より一層の認識を示したような場合に─それ自身、より理性的な振る舞いをするかどうかは、シリアスな論議となる。我々はひとつ、確かなことを知っている。これまでに、政権転覆へのざらついた問いに直面することなく、核開発プログラムを放棄した国はないということだ─そうした国々はこのことを自発的に行えるか、或いは強迫的な衝動のもとで手をつけるか、のどちらかだ。それを行った二つの偉大な国々の例といえば、ブラジルと南アフリカ─冷戦の最後の時期に核開発の長い道のりを辿り始めた二つのとても影響力のある国々だったが、核兵器がより温かくより緊密なグローバル・ファミリー(国際社会)への合流への障害となる、と決断した国々だ(廃棄された核兵器のパーツから作られた「swords into ploughshares」の彫刻http://www.unis.unvienna.org/unis/en/visitors_service/art_tour_swords2ploughshares.htmlは、1994年にIAEAのオフィスに贈られた)
これまでに、ブラジルか南アフリカを外部勢力によって脅かした者は存在しない。むしろ核の放棄は、これらの二つの旧独裁国が民主的な変貌に同意したことの一部分だった。飴から鞭へとポリシーを転換しながら、Saddam Husseinが狂気のもとで国連決議遵守を拒否したことは、彼の国が強制的かつ包括的に「(国連の)査察を受けた」ことを意味していた。これはリビアの(Qaddafiの)場合には、トニー・ブレア英国首相とジョージ・ブッシュ大統領に接近して、兵器(膨大な貯蔵原料と、余り多くない最終製品または使用可能な兵器類…)の「明け渡しを」行った。これらの発見品に対する査察は、これらの物の非常に多くが我々の「同盟国」パキスタンのみから来ていたという事実を認識させた。結果として、A.Q. Khanのネットワーク… それは北朝鮮と、おそらくシリアとも取引しており…またElBaradeiと IAEAの注視の目をも逃れていた─ が確認され、そして部分的にシャットダウン(閉鎖)された。核拡散防止のタームにおいては、このことの過程は何らかの成功事例として捉えられるべきだ。同じことが最近のイスラエルによるシリアの秘密施設の破壊にもいえる─それはIAEAによって、遅ればせながら核施設であったと認められている…それに続く、困惑したシリアのBashir Assad大統領による抗議をなんら引き起こしもせず。
残るケースを吟味してみると、核兵器開発プログラムと政権のキャラクターとの継続的な関連性に気づかずにいることは不可能だ。北朝鮮の核兵器とはその国の、いじけた発育不良の、飢餓に瀕した、孤立したキャラクターと、同国が引き続き半島における黙示録的な結果に至る危険性を冒し続けるという意欲の完璧なシンボルである。イランの開発プログラムとは、明かにMullahたちが地域的な軍事的脅迫を行う政策を推し進めるよう設計された(そしておそらく、彼らのより一層、非理性的なメシア[救世主]思想と、反ユダヤ主義の衝動を楽しませる)ものである。しかし北朝鮮は、すでに通常兵器だけでも韓国の大半を破壊できるポジションにあり、そしてテヘランも、現存の軍備でより小さな湾岸諸国を容易に脅迫することができるし、それを行っている。パキスタンも引き続きインドをそれ自身の兵器庫で脅し続けることが可能だが、しかしニュー・デリーからの反撃によるセカンド・ストライクがその国を完全に破壊できる可能性への弱みをもつ。かくして未来における対立と、潜在的な脅迫の方向性は、すでに独裁政権自身の手によらずに決定されている。Aisha Qaddafi とA.Q. Khanがもっと別の方向性からの脅威をほのめかしたり、核の兵器庫がそれらの独裁政権の安全性を無期限に保障することができて、そうするだろう等というのは間違っている(そうしたロジックは結局のところ、テヘランの核施設への先制攻撃へのライセンスを与えることになるだろう)。違法に獲得された核兵器は、近隣の国々と国際法に対する大きな脅威かつ、重荷であり続けるが、歴史はそれが攻撃的な国(犯罪国家)にとっては殆ど支持し続けられず、長期的にみても、その国の専制君主のライフスパンを短くする傾向があることを示している。これまでのところ、武装解除と民主主義化が、彼ら自身を自然な同盟者に見せてきた、ということはよいことだ。
http://www.slate.com/id/2295332/
(*Aisha el-QaddafiのNYTのインタビュー
http://www.nytimes.com/2011/04/27/world/africa/27aisha.html