Obama retools his political operation for post-Trump
オバマ、“トランプ後“に向けてその政治活動を一新する
─彼は、彼の財団と政治グループ”Organizing for Action”を、
自らのレガシーの救済と民主党の再建のためにもちいる─
By Edward-Isaac Dovere 2017/1/09 (Politico.com)
バラク・オバマは、大統領退任後の時のすべてを割いて、対トランプの活動にばかりかまけていたくはないが─彼は自ら、それがどんなものであるべきかに関する、彼自身のビジョンを抱いている。
トランプによる勝利が、オバマの目指していた退任後の生涯にわたるプランを転覆させてしまったなかで、彼と話をしている人々は、元・大統領としての彼が後任の大統領に対する批判を控えるべきである…とされる伝統をいかに守るべきかを静かにみつめ、そうした態度を選ぼうとしているのだと話す。そして彼は、同時に自らの遺したレガシーをいかに救い出しつつ自らの党を再建するべきかの最善策をも考えようとしている、と。
「彼の思い描く彼自身の役割についての見方とは─バラク・オバマとしてそこで激烈なスピーチを発し続けたり、運動やデモの先頭に立ったりするようなものではなくなる…しかし、彼は次なるリーダーたちの世代を力づけて浮上させる役を果たしたいと願っている」と─彼のホワイト・ハウスのコミュニケーション・ディレクターを務め、2度の大統領選キャンペーンのメンバーでもあったジェン・サキJen Psakiは言う。
元・側近たちはすでにオバマの選挙戦の構造のなかから生まれ出た組織Organizing for Actionの再強化に、手を付けている。その組織とはもはや、ホワイト・ハウスのオバマのアジェンダの支持組織としてではなく─トランプの勝利とヒラリーの敗北に貢献したいくつかの要因によって再度、その形を修正するよう強いられながらも、活動家や候補者のリクルート活動の枢軸となろうとしている。
過去2か月、OFAはほとんど沈黙を守り、オフィシャルな声明を何ら発してこなかったが、そのシカゴの本拠では新たに組織のメンバーを雇い始めている─その中には過去の選挙キャンペーンにおける古株の側近らも含まれ、オバマ流スタイルの説得プログラムの実践や、様々なデータの統合、有給の戸別訪問による遊説活動などの政治キャンペーンのメカニズムにフォーカスする計画を持つ。その最初の目標とは全米でのワークショップ開催だが、すでにそこでは未来の候補者を支援していこうとの議論がなされている。
そしてオバマは、いくつかの政治課題に焦点を当てている─それらは、彼を直接引き出す可能性がある: 例えば、トランプが提唱する米国内のムスリム排斥追放のポリシー(彼はそれが実施されるのはまだ少し先だとみているが)。そしてまた、Dreamerという名称で知られる子供たち(…すなわち、未成年で不法移民の親に米国に連れてこられ…それ以来、米国に居住している若者層…)に対して彼が開始した保護法が後退させられる可能性も懸念する。
オバマは最近の私的な会合のなかで幾度もこう言ったと…会合に出席していた人々が述べる─「もしも、彼(トランプ)が何千人もの子供たちを国外追放にしたなら…」、「自分は脇に控えている状態に甘んじているかどうかは分らない」─と。
そしてまた(オバマが動き出しかねない事柄の)潜在的なリストには、これらがある─「トランプに突き動かされた、イランとの核開発交渉やパリの温暖化対策協定の無効化、あるいは、オバマケアの形態の廃止や改変…といったことが。
「それが─この国の国民である我々がどんな人々であるべきかの宣言(ステートメント)にも関わるレベルへと達して、彼(オバマ)にとって重要なレベルにまで達したなら─状況によっては彼はものを言いはじめることだろう」と、オバマの辞任後の考えに詳しい人々の一人が述べる。「しかしまた…それがいかに定義されて解釈が押し広げられようとも、民主党員としてのあるいは、進歩的なリーダーとしての次世代のステップ・アップと政治的な戦いの時とは今なのだ」。
だが、オバマと彼のアドバイザーたちはオバマVsトランプという対立のコンスタントなダイナミズムばかりに注目する見方を避ける。 オバマのプランに関して会話をした人々の一人はこう語る、「彼に近しい人々は、彼のレガシーというものが、必ずしも彼がトランプに対してどのように返答するか─で定義されて欲しくないとも考えている」。 「彼は、次なる人物や、次なるグループに立ち上がって欲しいと考えている…もしも彼が、左翼の吸い込むべき酸素をすべて吸いまくってしまったなら、それは起こりえない…とも考えている」。
オバマは、ジョージ・W・ブッシュのようにはならない─彼のように実質的に完全な隠居状態には。しかし、彼は、ビル・クリントンのように…常に選挙戦の前面に出る状態にもならないだろう。
退任後のオバマが政治と関わる部分は─そのプランに詳しい人々によれば─4つの主なカテゴリーに集約されるという:その一つは、刷新されるOFAの活動で、またシカゴを本拠とする彼の財団の一部による非党派的な草の根政治活動の訓練センターの活動、また前・司法長官Eric Holder が運営するNational Democratic Redistricting Committee(全米民主党選挙区再編成委員会)による活動、そして前・大統領としての彼の個人的なキャパシティを活かして(候補者や政策への)支持(endorsement)、候補者の選挙運動や資金集めをする活動などだ。
彼は、今後、登場してくる候補者たちへのメンタリング(指導教育)についても語っている─2020年の大統領選に形を与えて、それを補助する公式なプランへの言及はないが。 多くの民主党員はオバマが最前面に立つ役割を担うことを願っているが、少なくとも、2017年と18年の中間選挙における彼の活動は「限定的なもの」となるのはほぼ確実だ。
彼と話をしている者たちのなかの数人が、2020年の民主党大会において彼が演説してほしい、との願いを述べたが、彼らもそれまでの期間に彼が政治的表舞台に出るという可能性は、余り信じていない。
おそらく彼は、来年の早い時期から、(回想録などの)著書に関するプロモーション・ツアーを行う可能性もある─「オバマは、辞任後の1年間を執筆で過ごすと予想されるからだ」。「その場合も、彼の声とは彼自身の発する声となるとは限らない」、「それは適切な人々を適所に配置することついてのものになるだろう」…とPsakiは言う。
http://www.politico.com/story/2017/01/obama-legacy-democrats-retool-233337?cmpid=sf