Thursday, April 25, 2013

<ボストン-チェチェン>…FBIの見え透いた言い訳 The FBI Boston-Chechnya charade - By Pepe Escobar


…ボストンの爆弾テロ犯の背後には何が?
小さな事実誤認?が多いと当初は読者に不評だったこのコラムだが─
米国のムスリム移民とFBI、故郷のチェチェンとの関係にありそうな状況 <その後の
タブロイド新聞情報からも、裏付けられる面がふえてきた>


<ボストン-チェチェン...>FBI見え透いた言い訳 The FBI Boston-Chechnya charade By ペペ・エスコバル(4/23, Asia Times)

(冒頭略) 私が、この記事の前口上のごとく…他のメディアでも書いたように、ツアルナエフ兄弟のストーリーには、まるで銀河系内宇宙のホールのような穴がある。そして今や、我々は彼らの母親へのインタビューを通じてFBIは兄のツァルナエフを少なくとも、5年はモニタリングしてきた…とも知っている。またそれに続くCNNのPiers Morganによる母親へのインタビューで彼女は非常にはっきりと…「カウンセリング」を受けていたとも述べているのだ…。

 そして、同時にFBIは、2011年の初めに「外国政府」(=ロシア政府を示す符丁でもある…)が、タメルランにもっと接近して監視するようにとリクエストしてきたも認めた。これは─明らかに彼らが、それをやっていたということを意味する─そして彼にはテロリスト活動に値する事実を、何ら発見できなかった、ということをも意味している。

 それならばその後、一体何が起こったのか?FBIに在籍するIQ値50以上者なら誰でも…彼らが、価値あるチェチェン-米国のアセット(諜報的資産)へのアクセスを持っていた…ことにも気づくだろう。だからこそタメルランは、FBIのInformant(情報屋)になった。彼らは、彼を簡単に操作できる道具(楽器)のように使うことが出来た…これまでにも、多くのカモがそのように扱われてきたように。

 しかし…それでも、もしもFBIがそんなことをしていないのなら─FBIはその…破滅的な無能力ぶりを厳正に告発されるべきものがある(まずはそれが、第一の課題だ)なぜなら、FBIが主張しているのは─彼らには彼らの資産の情報屋(じっさいに)爆弾を作っていたのか…そして、それを試運転しようとしていたのか彼がボストンマラソン会場に、疑わしいバックパックを背負って行ったの否か等につい何の手がかりもないというのだから。

 FBIが決して言わないこととは、彼らがタメルランを最後に見届けた/コントロールした/あるいは…煩わせた…のが一体いつだったのか、ということだ。思い出してほしいが、それは同じFBIだ─つまり、イラン策謀によるメキシコ・カルテルの罠という「ファスト・アンド・フュリアス作戦(※)スタイルの謀略で、サウジ・アラビア大使 殺害させようとしあの同じFBIであり…露見するの時間の問題だ。(※米国のタバコ・銃器規制局が2009-2011に行ったが、失敗したメキシコ麻薬カルテルの銃器取締り作戦)

 タメルランは、もちろん…おそらくFBI全員を出し抜いていたのかもしれない(さほど、ハードなニュアンスではないしても─)そして何年もモニターされて/煩わされた後に、二重スパイ(ダブル・エージェント)として働き出したのかもしれない。

 明らかに、彼は米国を出て長らく2012年の1月から7月にかけてロシアに行っている。彼がそこで…ずばり何をしていたのか、は誰も知らないが、FBIは彼がテロリストの戦略訓練に関与していたのだと、是非とも証明したいに違いない。それでもなお、もしも彼が本当に価値ある資産(情報屋)であるならば、彼は近隣のダジェスタンに居るDoku Umarovに率いられた、チェチェンのジハーディスト組織に潜入するべく、そこに送られたのかもしれない。

 ワシントンとチェチェンの間の…"テ・ロ・リスト"たちとの間の…1990年代からの極めて親密な関係についての究極ニュアンスにみちた言葉を報道することは、米国の企業的支配下のメディアにとってはタブーなのだと、とびきり最高なSibel Edmondsは、ここ.でも書いている。

"その訓練"に関して About that drill
 
  FBIは米国と世界中というものに対して「若き、邪悪なるチェチェン人」という、こじつけ的なスクリーン・プレイを押し付ける力があるそう、だからここでもっと代替的な、信用に足るシナリオというものを考えてみよう─ それがいったい、我々をどこに連れて行くのかをみてみようではないか。
 二人の悪い〔外国生まれの〕…完全にアメリカナイズされた男たち(彼らは突然…ジハードに関して吹き込まれた信条によって「我々の自由の敵だ」ということにされ…主にネット上で怒りの細菌に汚染され…というものの代わりに、我々はボストンでの事件によって誰が最も得をするのかるのかを見てみたい。

 ボストン・グローブ紙は、マラソンの実施中にそこで行われていた、対テロリズムの訓練(drill)に関する情報の記事を「消し去る」よう強制されていた─(爆弾の匂いを嗅ぐ、捜査犬についての記事も)。FBIが、彼らの資産であるタメルランに、彼自身その訓練の一部になれ、と命じていた場合について、想像してみるといい。も、たとえ彼が屈強なタフガイだったとしても、もし彼が従わなかったら彼の家族は簡単に、脅迫をうけていたことだろう。

 それゆえにタメルランは、黒いバックパックに偽の圧力鍋の爆弾を入れたものを、決められた場所に置き去るよう手渡された─その訓練のなかの一段階として。そして、我々はここで特に注意せねばならないが─そこには、それが本当に単なる訓練だったと思われるのか、あるいは、その爆弾は爆発するように、デザインされていたものなのか…についての、結論を出せるような証拠が何も存在しないのだ

 ここで、タフガイのタメルランと…感化を受けやすいその兄弟のジョクハールが本当に事件に責任があるのだ、点と仮定してみよう(FBIには責任はない、と考えて。)その計画がよく練られていたなら、犯行直後には逃亡ルートが準備されているべきだった─交通手段パスポート、金、航空券などが─しかし、そこには何も無かったのだ…ジョクハールは学校へ行き、ジムでトレーニングをし、友達とつき合い、ツイッターのメッセージを何本か流していたのだ。

 そして、彼ら兄弟が爆弾を置いていったところを見たという目撃者は、完全に誰もいない。FBIがそういったから、彼らがやったことになっているのだ。彼らはガソリンスタンドでメルセデスを奪い、ドライバーに遠くへ行けと言った─彼に、彼らはマラソン会場の爆弾犯人なのだと告げて。ジョクハールとメルセデスは大きな銃撃戦からどうにかして逃れた─警察の一斉射撃をかわして─しかし、メルセデスは、爆薬を身に巻きつけたタメルランを轢いてしまった。ジョクハールは血を流した痕を残したが、彼の後を追った警察犬などは一匹も居なかった。

 するとそこで美味しい戒厳令の試運転が行われたのだ─莫大なコストを支払って、市全体がまるごと閉鎖された…逃亡中のティーンエージャーのために…警戒せよ、アメリカ。これは…ほんの始まりだ。

 確かなの、ツアルナエフ兄弟はジハード戦士ではない、ということだ…それは、単なる(メディア王の)マードックの所有するメディアのどぶ穴に住む、メディア中毒たちだけが鵜呑みにすることにすぎない。この、ジハーディストのウェブサイトをみてみるがいい…とてもよく確立された、コーカサス首長国(Caucasus Emirate)のイスラム反乱軍として知られるグループを充分に代表するサイトだ。彼らは ここでとてもいい疑問 を投げかけている─たとえばこれだ。そして、彼らは完璧に、この兄弟を常習的なジハーディストだとする虚偽について暴いている。

どこにでも偏在する「クラフト」たち The omniscient Craft

 産業化された西欧世界で、パラミリタリー(民兵組織)の格好をした人間たちのなかでも、クラフトほど不吉な(邪悪な)者達はいない。クラフトは、その訓練に責任があったのだ。そのドクロマークは、玩具メーカーのマーベルのキャラクター「The Punisher.(懲罰人)」にだって、似てないとはいえない。彼らのモットーとは、ちょっと内気(シャイ)なものだ─「お前の母親がお前になんと言おうと、暴力が問題を解決する(No matter what your mother told you, violence does solve problems)」。米国の企業メディアは、マラソン会場に溢れていたクラフトの工作員(operative)たちの、いかなる痕跡をも…ただ消し去った─そのメディアのブラック・アウトというものについて、語るべきなのだ。

 しかし、オルタナティブ・メディア(Alternative media)は脅し屈していなかった。ここに マラソン会場の、コンバット・ウェアと黒いバックパック、戦闘用ギア、放射能探知機まで所持して完璧に装ったクラフトの要員たちを写した一連のオタカラ写真を見つけることができる。そして、FBIはそれにどう反応したか?完全に口をつぐんでいる〔ブラックアウト〕のだ。そこでは、完全なる写真の検閲があって─まるで、「他の写真は信憑性のあるものではありません」といっているようだ。─ツアルナエフ兄弟が写った写真と映像だけが信じられるといい…そして、クラフトはアンタッチャブルな(触ることもできない)状態にある。

 問題は、このシナリオ上でクラフトに言及したものが悉く、トラブルに見舞われる事だ─1〕彼らの不可視性〔企業メディアはFBIに気弱げに従って、彼らのことを話題にすらしない。2)彼らの「安全管理〈セキュリティ〉」の専門能力の問題─その、大金で雇われたあなたの傭兵部隊、そのハイテク装備の高度に訓練されたタフガイたちは…2人のアマチュアの爆弾犯人を見つけられなかった。3〉これがクラフトによってプロデュースされたブラックな軍事作戦だという不吉なシナリオがある…ということだ。

 我々がもしもリアリティにこだわり、マーヴェル・コミックス〈漫画)にこだわらないなら…ボストンの爆弾事件の全ての証拠は、あのアル・カイダの危なっかしいフランチャイズ組織の犯行手口にとても近いものを示唆してもいる。容疑者兄弟の来歴や、行動について集められた証拠に基づけば〈軍事的破壊行動のバックグラウンドは何もないのだが)、それはまた、彼らはそれを彼ら自身で実行できるに充分な経験はなかったはずなことが示唆される。しかし、アル・カイダの作戦の模倣者を思い描き、その役割を2人の倒れた男たちにかぶせることは…クラフトがその理論のなかでは簡単に実行できそうなことだ。

 それゆえ、現実的なシナリオは、我々をここにいざなうのだ─FBIとクラフトの偽の旗印のもとでの作戦─
つまり、1)それは酷く悪い結果を招き、かくして2人のいけにえの子羊を短時間以内に発見する必要があった。あるいは、2)これが小さな罠のゲームとして構想されたという邪悪な可能性…ちょうど同一の結果を生じさせるために─つまり米国の市民生活を今後、完全に軍事化していくがために。

 このことは、(血塗られた)壁にも書かれている。法による支配というものの最後の面影は消え去りつつある─超党派のパネル委員会が、ジョージ・W・ブッシュ政権のエリート職員らが皆…論議をまつまでもなく…拷問に関与したと発見し、そして(実質的にはどんなテロ事件も阻止できなくても)拷問はシステマチックだった…と発見したとしても。

 ワシントンは、Mubarak時代のエジプトや…バーレーンや…ウガンダの、ぎらぎらする隊列に加わろうとしているのだ。上院議員リンゼイ・グラハムが言うように、その不快な…小さな仕事は、「故郷の地とは、戦場である」ということを意味する。そして…もしも我々がそうだというなら、あなたは敵の戦闘員だ、ということになる。
http://www.atimes.com/atimes/World/WOR-01-220413.html

おとり捜査のせいでFBIはボストン爆弾事件容疑者を見逃したか?


米警備当局が、ボストン・マラソン爆弾事件を防ぐことが できたかもしれない警告に注意を払わなかったのではないかという疑惑が膨らんでいます。兄タメルラン・ツァルナエフ容疑者が実は米国の諜報レーダーに引っ かかっていたというニュースが流れて以来、連邦機関には捜査における優先事項を見直すべきだとの声が多く寄せられるようになっています。特に犯罪誘発のワ ナに当たるとも批判されるおとり捜査を、もっと重要視せよと言う声です。この1月に出版されたThe Terror Factory : Inside the FBI’s Manufactured War on Terrorism(『テ ロ工場:FBI産テロ戦争の内幕』)の著者トレバー・アーロンソンに話を聞きます。彼はフロリダ調査報道センター(Florida Center for Investigative Reporting)の共同代表でマザー・ジョーンズ誌の寄稿記者でもあります。最新記事はHow the FBI in Boston May Have Pursued the Wrong 'Terrorist'(『ボ ストンのFBIが間違った「テロリスト」を追っていた可能性について』)という見出しで、「ツァルナエフのロシアへの6カ月間の旅行がいま捜査員たちの主 要な関心事だが、FBIは彼の追跡をやめると決めた一方で、遠隔操作の飛行機で首都を攻撃するという突拍子もない計画を立てていた、今回事件とは関係のな い若いムスリム男性へのおとり捜査を実行した」と書いています       
 http://democracynow.jp/dailynews/20130426 
http://www.motherjones.com/politics/2013/04/fbi-boston-tamerlan-tsarnaev-sting-operations How the FBI in Boston May Have Pursued the Wrong "Terrorist" 

ボストン爆破テロ 米CIAが容疑者兄弟に関与との説も浮上 (5/10 週刊ポスト)

4月15日、ボストンマラソンのゴール付近で発生した爆破テロ事件は、3人の死者と約300人の負傷者を生んだ。同19日には実行犯とされるチェチェン人の容疑者兄弟と警察が銃撃戦になり、兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者は死亡、10数時間後弟のジョハル・ツァルナエフ容疑者も警察に拘束された。
 
 5月1日には、ジョハル容疑者と同じ寮に住むカザフスタン国籍などの3人が、火薬の抜かれた花火の入ったカバンなどを持ち出して捨てたとする司法妨害の容疑で逮捕されている。
 
 犯行の動機についてメディアでは、ボクシングのアマ選手であるタメルラン容疑者は五輪代表になってアメリカの市民権を取得しようとしていたが、その夢がかなわず、裏切られた思いからイスラム過激派の思想に嵌り、反米テロに走ったと説明されている。
 
 絵に描いたような筋書きに、アメリカ市民は得心した。容疑者の逮捕時に近隣住民らが叫んだ「USAコール」は、この兄弟が“アメリカの敵”とみなされた証拠だった。
 
 だが、アメリカ社会で孤立していた若い兄弟に、果たしてこれほどの計画的で大規模なテロが起こせたものだろうか。
 
「事件にはあまりにも不可解な点が多すぎる。事件とその後の捜査には、“国家の思惑”が透けて見えます」

 そう指摘するのは、各国の情報収集と解析を行なう外務省国際情報局で局長を務めた孫崎享氏だ。 兄弟の母国であるチェチェンは、ロシアからの独立を求めるイスラム過激派がロシアに対して激しいテロ攻撃を繰り返していることが真っ先に思い出される国である。
 
 ボストンのテロ事件は、各国諜報機関の関与を抜きにして読み解くことはできない、と孫崎氏はいう。
 
「ロシアの有力紙『イズベスチア』や『ノーヴァヤ・ガゼータ』が報じているが、兄のタメルラン容疑者は2012年に半年間、ダゲスタンというロシア連邦内の国に行き、反ロシアのイスラム過激派テロリストと接触している。この人物はテロ組織のリクルーターでもあり、その後、ロシア警察により殺されています。
 
 さらに、同容疑者はこのとき、ダゲスタンの隣国・グルジアの首都トビリシで開催された『コーカサス基金』のセミナーに参加していたことも明らかになっています」
 
 この「コーカサス基金」こそ、タメルラン容疑者とアメリカの諜報機関を繋ぐポイントである。イスラム過激派に詳しい国際ジャーナリストの山田敏弘氏が、この組織の実態を解説する。
 
「この基金は、グルジアの教育省を介して、いわゆる『反ロシア分子』に資金を落としていたとされる。米CIAが間接的な資金援助をしている組織として知られ、ブレジンスキー・元大統領補佐官も活動に関わっていた。特にチェチェンから亡命した人々に、奨学金と称して資金を与えていた。タメルラン容疑者が基金の活動に参加していたことは、グルジア内務省のスパイ防止活動部門の内部書類から発覚しました」
 
 さらに兄弟の叔父が、ロシア語を話せるCIA職員の娘と以前結婚していたことも明らかになった。
 
 こうしたことから、孫崎氏は指摘する。
 
「タメルランはもともと反ロシア分子であり、その背後を辿れば米CIAが活動に関与していた。少なくともそのことは間違いありません」

http://www.news-postseven.com/archives/20130510_187464.html

ボストン爆破テロで「オバマとプーチンは得した」との指摘も(5/12 週刊ポスト)

米CIAの関与説も出ているボストン爆破テロ事件。兄のタメルラン・ツァナルエフ容疑者は死亡、弟のジョハル・ツァナルエフ容疑者も喉に傷を負い、筆談で供述しているという。
 真相は依然として不明だが、事件の背景を解明するうえで一つの指針になるのは、「誰が得をしたか」を見極めることである。得をしたのは誰かといえば、その一人はオバマ大統領だ。
「シリアの内戦にオバマは軍事介入しようとしているが、アメリカの世論が許していない。アサド政権が化学兵器を使用しているという情報も流れているが、これも世論を動かすための米当局の仕掛けです。
 同じく、イランへの軍事介入も政権側にとっては大きな課題となっている。アメリカ社会に反イスラムの空気が生まれることは、オバマ政権側にとって非常に都合がいいわけです」(元外務省国際情報局長の孫崎享氏)
 もう一人、得をした人物がいる。ロシアのプーチン大統領だ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が指摘する。
「今回のテロ事件は、チェチェン独立派を叩きつぶしたいプーチンにとってはプレゼントのようなものです。チェチェン系の人間が米国でテロを実行したことで、今後、欧米諸国はチェチェン独立派の幹部などの政治亡命に躊躇する方向に傾くことになるからです」
 チェチェン過激派によるテロは残虐だが、ロシアによる圧政が背景にあるためこれまでは同情的に見られることも多かった。しかし、今後はアルカイダと同様のテロ組織として扱われるようになる可能性がある。
 事実、オバマ大統領は兄弟の死亡・逮捕後の4月19日、プーチン大統領に電話をかけ、テロ対策で「緊密な協力」を得たことに感謝の意を示し、プーチンも賛同したという。この件に関しては、オバマとプーチンの姿勢が奇妙なほどに一致しているのだ。
 この兄弟の両親は、いまも息子たちがテロの実行犯だったとは信じておらず、米諜報機関のでっちあげだと主張している。母親は、「タメルランはこの5年間、FBIに監視されていた。彼らは息子がどこで何をしているのかすべて知っていた。一挙手一投足を追っていたのだから」といい、FBIの監視下にありながらテロなどできるわけがないと訴える。
 父親も「FBIは、タメルランとジョハルがちょうど悪い時間に悪い場所にいるよう仕組んだに違いない。やつらが息子たちに発砲し始めたとき、タメルランはジョハルを学校に送るところだった。これは仕組まれた、政治的な指令による、ハリウッドショーだ」と怒りをあらわにしている。
http://www.news-postseven.com/archives/20130512_187505.html

Wednesday, April 17, 2013

エル・コマンダンテは、会場を後にした…  - El comandante has left the building - By Pepe Escobar

チャベスの死に関する、ブラジル人ジャーナリストのペペ・エスコバルによる記事…

エル・コマンダンテは、会場を後にした…  - El comandante has left the building By ペペ・エスコバル(3/6, Asia Times)  (抄訳)


 (冒頭 略…) エル・コマンダンテ(ザ・司令官)は、もう、 コンサート会場を後にしたのかもしれない…その身体をガンに打ち負かされて。しかし死後の悪魔化というものは、永遠につづくことだろう。そこにはカギとなるような、特に際立つ理由があるのだ…つまり、ベネズエラは世界最大の石油を埋蔵しているのだ。ワシントンと、その崩れかかったカフカ風の要塞(…EUとしても知られる)は、ともどもに、「All You Need Is Love」の唄を…それらの、不気味なほど封建的なペルシャ湾岸の石油君主たちに対して、(「人々に」対してではなく…、)ノン・ストップで歌っている… 彼らの石油への返礼として。そしてこれとは対照的に、ベネズエラのエル・コマンダンテの抱いたのはそれを覆すようなアイディアだった石油による富を、少なくとも多くの彼の国民の苦しみを軽減するために使う、という。西欧のターボ付き資本主義は(よく知られているように)富の再分配や、共同体主義(コミュニタリアン)の価値の促進のためにそれを用ることはしない。

私はお前を憎む、カブロン I hate you, cabron
 
  外務省の情報によれば─副大臣のニコラス・マドゥーロが、(国民議会のリーダーで軍 のリーダーにとても近いディオスダード・カベーロではなく)…新たな選挙が30日以内に行われるまでの暫定的な権力を持つだろうという。そしてマドゥーロは容易に選挙に勝てるだろう…ベネズエラの政治的野党は、四分五裂したジョークの如き状態あるのだから。そしてこれは、チャベスのいないチャヴェス主義というものを繰り出すことにもなるだろう…巨大な、汎アメリ カ的・汎ヨーロッパ的な嫌・チャベス主義の家内工業を推進する輩にとっては大層、悔しいことだろうが。
  エル・コマンダンテが、広大なラテンアメリカの地域において大いに人気を高めただけでなく、グローバル・サウスの全域においてもそうであったことは偶然の出来事ではない。こうした「人々(people)」とは(─それはバラク・オバマ的な感覚でいっているのではないが)、明らかに、ネオ・リベラル主義と貧困の拡大(今 やヨーロッパの何百万もの人々もそれを実感している)との間に、関連性を見出している。特に南米においては、ネオ・リベラル主義〈新自由主義)に対する人々のリアクションというものが、過去10年間の間に、ベネズエラからボリビア、エクアドル、そしてウルグアイで…、民主的選挙を通じて左翼的政府が相次樹立される…という波を惹き起こしてきたのだから。

  ブッシュ政権は(少なくとも)それを毛嫌いしていた。彼らは、ブラジルのルラ大統領に対しても、何も手出しが出来なかった─ルラは賢明なオペレーターとして、ネオリベラルの 衣をまとっていたのだ…(ウォール・ストリートは彼を愛した)しかし彼はそのハートにおいては、プログレッシブであり続けた。ワシントン(1960年代から70年代 を反映して引き続いたクーデターをなくすことが出来なかった者たち)は、チャベスは弱い提携関係しかもたないだろうと考えた─かくして2002年4月の クーデターが、富裕な事業家によって支援された軍事的な一党に率いられて、起こされた。米国が支援したクーデターは48時間しか持たず、チャベスは─「人々」(本物の)と、そして軍の大半の支持を受けて正式に 権力へと復帰した。
 それゆえ、コマンダンテの死の数時間前にマドゥーロから出された宣言というものには、何ら予測を超えていたものはない─つまり、ベネズエラ軍の一派とともにクーデターを企てた(…それ以外に何があろうか?…)として告発された、米国大使館の二人の職員─エア・アタッシェのDavid Delmonacoと、アシスタント・エア・アタッシェのDevlin Costalは、24時間以内に追放されることだろう、と彼が述べた宣言には。彼らグリンゴ(アメリカ人)たちは、けして〈過去の教訓に)学ぶことはないのだ。

  チャベスの信奉者たちの間にある大きな疑念、すなわちエル・コマンダンテが毒を盛られたのだろうということ…(それは2004年にヤセル・アラファトに起こった事 件の入り組んだリプレイでもあるが)…もまた、予測されていたことだ。それはアラファトの時と同じく、非常に放射能値の高いポロニウム210だった可能性がある…それが そのハリウッドの好きなCIAたちの考えたかも知れないことだ。

すべては揺り動かされ All shook up

  今や、チャベスがいかなる革命家だったのか、という意見が募られている。彼は常に、毛沢東からチェ・ゲバラに至るまでの全ての革命家たちを礼賛した。彼は確か に、とても熟練したポピュラーなリーダーであり、100年にわたるラテンアメリカの従属のパターンというものを見極めた、すぐれた地政学的な目をもっていた。かくし て、彼は常に、ボリバルからマルティに至るヒスパニックの革命家というものの伝統について、口にしていたわけだ。

 チャベスが唱えるマントラとは、ラテンアメリカがよりよい統一を成し遂げるための唯一の方法論であり、そして彼のすべての衝動─すなわち─彼が、ALBA (the Bolivarian Alliance) からPetrocaribe、そしてBanco del Sur (the Bank of the South) 、UNASUR (the Union of South American countries)などにいたるまでの組織を組織化することへの衝動が…そこにあったのだ─。


 彼の「21世紀の社会主義」というものは、普遍的価値の精神の追求が、あらゆるイデオロギー的な拘束衣をも超えて、なされたものなのだ(ターボチャージされた金融資本主義の腐敗への解毒剤として─)…新マルクス主義者の学問的分析などを行うよりも…。

  ゴールドマン・サックスのギャングとその仲間たちは疑いなく、彼を黒死病よりも悪しきものとみたに違いない。ベネズエラはスホーイ戦闘機を購入して、 BRICSのメンバーのロシアと中国との戦略的同盟をも結んだ─他のグローバル・サウスのアクターたちはいうに及ばず、そして3万人以上のキューバの医師た ちが、貧困層のコミュニティで予防薬を使用し続ける活動の維持をはかった─そしてそれは多数のベネズエラの若者たちが薬学を学ぶことをも促してきた。
 ここに、人々に知られるべき、大方のストーリーを物語る明瞭な数字がある。ベネズエラの公共財政赤字とは、GDPのわずか7.4%だったのだ。公共負債はGDPの51.3%であり、それはEU諸国の平均よりはるかに低い。公共部門は、「コミュニスト」的だとの黙示録的な非 難にもかかわらず、同国の経済規模のたった18.4%を占めるのみで…その割合は国家主義的なフランスよりも低く、スカンジナビア全域のものからさえも低い。石油に関する地政学に 関しては、OPECによってその引用はなされたものだ、それゆえベネズエラが米国により少なく石油を輸出しているとは、同国がその顧客を多様化していると いうことを意味する(そして戦略的な友である中国にずっと、ずっと多く輸出している)

 そしてまた、決定的な事実は…:貧困率は1996年に国民の71%だったが、2010年に21%に減少した、ということだ。ベネズエラの経済を確かめたいなら、ここ. をみるとよい。
 
 何年も前に、ガルシア・マルケスのような優れた小説家は こう言ったのだ─、エル・コマンダンテの秘密は…「それは彼が偉大なるコミュニケーターであるということだ、彼は"people(人々)"の一人なのだ、 <そのPeopleとは、バラク・オバマ的な感覚による意味ではないが>…その肉体的外見からも、ふるまいのくせや、宴会好き(社交的)な態度、言葉遣い (同じことはブラジル人の多くにとってルラ大統領にもあてはまるが)…に至るまでのすべてが」
 それゆえ、オリバー・ストーンは映画市場を見やって、ガルシア・マルケスにチャベスを小説的方法でWalhallaに推挙してほしい、とも願っていた。(*Wlhallaとは…北欧神話戦いで生命を落とした英雄たちの魂が最高神のもとに集る殿堂) ─そして、このことは確かだ…つまり、グローバル・サウスの語り口従えば歴史は、エル・コマンダンテがすでに会場を後にしたのだと記すことだろうが…しかし、彼の後にはその会場は二度と同じものではなくなった、ということだ…。



 

 *前記事のホアン・コールやNYタイムズの書き方に比べると、チャベスに関しては書き手によってずいぶん捉え方が異なっているペペ・エスコバルはラテン・アメリカやグローバル・サウスの立場でチャベスの追悼を書いている・…ペペ自身が、ラテン・アメリカ人だからだろう
  
  (─それに対して、前記事では)、ふだんは右翼嫌いのホアン・コールも、しょせん米国人として米国の悪口を言われることが嫌いなのか、かなり批判的に書いていた 
 NYタイムズはもちろん反米主義には批判的でも、リベラルたらんとしてい前記事:平原生まれの少年ウーゴ・チャベス、格好ばかりの左翼のリーダーとなる…
 
 ─それに対してペペ・エスコバルはラテン・アメリカやグローバル・サウスの立場でチャベスの追悼を書く…ペペ自身が、ラテン・アメリカ人だからだろう…