Sunday, May 2, 2010

「サウスパーク」の脅迫者は、ブルックリン育ちの元ハシディム?/Yousef Al-Khattab, Man Behind Virulent Islamic Website, Grew Up Jewish


「サウスパーク」の作者たちを脅迫した男のプロフィールを、地元ブログメディアが伝えている…
彼らの頭の中は、危ない内容が満載? 


悪意あるモスリムのウェブサイトの制作者、Yousef Al-Khattabはユダヤ人として育った─ By ビラル・ハイエ(4/23、ザ・ブルックリン・インク)

“editor 注 :当サイトはモハメッドを描いたサウスパークのアニメーターたちを「Revolution Muslim」が脅迫した際に、そのグループについて最初に報じ、彼らの創立者のAl-KhattabことJoseph Cohenのプロフィールを伝えた”

 「これが自分にとってのジハードなのか、どうかは分からない」、とYousef Al-Khattabはいう。「善を信奉し、悪を阻止するのが自分の義務なのだ」──ユダヤ教徒の間に生まれ、ユダヤ系の学校で教育を受け、ブルックリンのWilliamsburgにあるHassidic派のコミュニティや、ガザの入植地にも住んでいたことのある彼が達成したこの異様な状況… それは、彼が米国で制作しているウェブサイト“Revolution Muslim”に対し、全米のユダヤ人ブロガーやサイバー監視人たちからの激しい非難が集中するというものだった…。

 元の名をJoseph Cohenとして生まれたKhattabは、1998年にイスラエルのNetivotに滞在していた際に、ユダヤ人のチャット・ルームでUAEからきたというモスリムと出会い、その後にイスラム教に改宗したのだ、と述べている。宗教をめぐる彼らの交流は2年間続いたが、Khattabにとってその交流は彼がそれまで抱いていたユダヤ教への疑念を確信させることに繋がった…その後、彼は英訳版のコーランを読み、結果的にイスラム教徒として改宗した。その交流は彼の信じていた、ユダヤ教のラビたちはユダヤ人を従属的な立場に保ち続けるために、同胞たちを詐欺によって騙している、という考えを再確認させた…という。

 彼の妻と4人の子供たち(長子はその当時8歳)も、その後まもなく彼の後に続いて改宗した。

 Khattabはいま40歳でクイーンズに住んでおり、タクシー運転手をしているが、彼は毎日彼のウェブサイトと同名の組織の活動のなかで、資本主義やユダヤ教、イスラエルによるパレスチナ占領について非難している。頭を剃りあげ、口髭を短く刈り込み、ふさふさと顎鬚を生やしたKhattabは彼のウェブサイトで、流暢な英語とアラビア語で視聴者に語りかけては、不定期に更新されるビデオのなかで皮肉なウィットをきかせている。

 そのサイトには、酷たらしい血、爆弾やパレスチナの子供たちの遺体を映した数枚のスライドショーやビデオ画像が掲載されている。あるビデオに付けられたキャプションでは、彼は視聴者に対して統一ユダヤ人協会(United Jewish Federationや、ルバビッチ派本部(Chabad Lubavitchのような組織の指導者たちとは何者なのか…を見出すように呼びかけ、「彼らの本拠地において対決せよ」と述べている─ただし社会的礼節を保った、平和的な態度で、とも付け加えている。(*ルバビッチ派:Brooklynを本拠とする、超正統派ユダヤ教Hasidismの世界最大の宗派)

 別の投稿では、Khattabは人々に…イスラエル軍との関係が取り沙汰されるスターバックスをボイコットするように述べ、そして人々に、大きなユダヤ系組織の指導者たちにはパレスチナ人のジェノサイド(と彼が呼ぶもの)の支持者としての責任を問うべきだ、と呼びかけている。

 Khattabは、米国政府にとって、単に言論の自由を駆使しているだけの彼のウェブサイトに問題があるわけはない、と言う。しかし、彼が「責任がある」と名指ししている人物たちにとっては問題があるだろう、とも言う。こうした人たちにはLubavitch派や、Yeshiva 大学が含まれる─彼はそれらの機関が、イスラエルにパレスチナ人と戦う為の兵士たちや、イスラエルを支持する人間たちを送り出していると言う。

 「我々の憲法には、ユダヤ人やユダヤ教を愛さねばならないなどとは書いていない」、と彼は言う。彼は大体、ユダヤ人とは近づかないようにしているが─しかし彼は、ユダヤ人が嫌いなのではなく、ユダヤ教、あるいはラビ的ユダヤ教と宗教的ユダヤ人が嫌いなのだ─と言う。Khattabは(彼の定義するところの)、正統派ユダヤ教徒(Orthodox Jew)と、フラム・ユダヤ(frum Jew*)が嫌いな理由を述べる:その理由のなかには、ユダヤ人がアンダーグラウンド経済をコントロールしている、との訴えも含まれ、また米国において合衆国憲法のなかで宗教と政治の分離が規定された理由も、それらのユダヤ人なのだと言う。*ラビ的ユダヤ教:Rabbanical Judaism(正統派、超正統派などの別称。ラビのユダヤ教)/*フラム・ユダヤ:フラムの子ともいう(英国金融界、ロックフェラー等との繋がりが深いとか)

 彼はレバノン生まれのRashid Bazというある移民が、Brooklyn Bridgeの近くでルバビッチ派のHasidimたちをを満載したバスの中で銃を発射し、16歳の少年を殺した1994年の事件を想起している。「Bazはそれを次なるレベルにもっていったのだ」、と彼は言う─「彼はたぶんルバビッチ派のことをわれわれよりも一層、よく理解していたのだ」 (*Rashid Bazの事件の動機は、レバノン内戦でのイスラエル人によるアラブ人虐殺への報復だったとか)

 彼のユダヤ教に対する憎しみにも関わらず、彼にとっては、その見解を尊敬しているユダヤ人たちも幾人か存在する…例えばNoam Chomsky や Norman Finkelstein…つまりイスラエルの外交政策や人権侵害への歯に衣着せぬ批判者、そして多くのユダヤ人はホロコーストの事実に乗じてこれを利用している、といった見解を提起している人物たちだ。

 彼の意見は、Chomskyのアナキスト的な議論とは異なるが、彼はChomskyが米国の“neo-feudalist” culture(新封建主義的な文化)を批判して、米国の真の姿を暴露していることには尊敬の念を抱いているという。彼が話をするユダヤ人たちとは、“Noam Chomsky的な信念”のなかにいる世俗的ユダヤ人に限られ…そうした人々は彼と同じ位、宗教的ユダヤ人を憎んでいるという。しかしもしも正統派のユダヤ教徒が彼のタクシーを呼んだなら、彼は公平さへの義務として、その人物をタクシーに乗せてやる、と言う。

 私立探偵で、サイバー監視員でもあるBill Warnerは、米国内のジハード主義者による数個のウェブサイトの情報をインターネット・プロバイダーや当局に流すことで、それらの閉鎖を助けたという─彼はKhattabのような人々は、自分たち自身は行動しないで、他の人間たちを暴力的行動に駆り立てるという。「中東にどのような問題があろうとも、彼はそれをNYのクイーンズに持ち込む」、「彼は人々に、何かをさせようとする。」

 私立探偵Bill Warnerは、Revolution Muslimのサイトにあるこの画像は、Chabad Lubavitchへの脅迫を表していると言うが…、Yousef Al-Khattabはそうした主張は馬鹿げている、という─それは、あなたが判断して欲しい─
 …Khattabは最近、Revolution Muslimのサイトにブルックリンのクラウン・ハイツのChabad Lubavitch(ルバビッチ派本部)の画像をのせ…そのキャプションのコメントで、これらの本部のmain temple(主要な祭殿)はどこなのか?と書いた…そして礼拝の時間にはそこが満員になると指摘した; またユダヤ教のお守り袋(talis bag)の画像を示して、イスラムの情報を蓄える素晴らしい場所だ、などと指摘した…Warnerはこの投稿は脅迫として信憑性があったので、NY警察が全力でシナゴーグを護るために動いたと言っている。

 自分の投稿コメントの中にルバビッチ派への脅迫があったなど、馬鹿げている、とKhattabは言う。「私は、彼らが一体どこからそんな考えを得たのかも分からない」、「ユダヤ人に対する脅迫などはない─彼らは、私をいくらでも攻撃できるのだ」

 ルバビッチ派の本部は、Khattabの投稿に対してとった彼らのリアクションや、警備対策のプロセスについて語ることを拒否した。しかし当サイトへの文書による回答で、Chabad.org のRabbi Motti Seligsonはこう言う:「全ての脅迫はシリアスなものではなかったが、安全が最優先の事項なので、我々は法の執行機関と緊密な連携をとり、全ての脅迫に適切に対処するよう、安全対策を講じた」

 Khattabは彼の憲法上の言論の自由の権利を認識していて、合法的範囲で彼のメッセージが行ける限りの所を熟知しているように見受けられる。彼は言う、合衆国憲法の修正第一項が彼に言論と表現と宗教の自由を与えているのだ、と。「我々には、それを望むなら、武装して私兵団を組んでもよいという、絶対的な権利すらあるのだ」

 Bill Warnerは違う解釈をする。「その男は狂人(lunatic)なのだ。それは言論の自由ではない。テロリズムを煽るとき、それは言論の自由ではない」、と彼は言う。彼はFBIとNY警察はKhattabの家を既に2,3回訪れており、彼のウェブサイトが閉鎖され、彼が逮捕されるのは時間の問題だった、と言う。

 Khattabは彼が監視下にあるのを知っていたし、警察も彼を2,3度訪れていた。しかし彼は逮捕されることを恐れていた。彼は祈り、エクササイズをすることを愛している〔これらは共に、刑務所でも継続できる〕、そして彼の脳が働く限り、彼は彼の意識について語りたいと言う。「私をつまみ出したいのなら、奴等は私の前頭葉にロボトミー手術でもするがいいだろう」、と彼は言う。

 NY警察とFBIは度重なる問い合わせにも関わらずKhattabが監視下にあるかどうかに回答をしていない。

 Warnerのような人々は日夜、彼のウェブサイトを閉鎖させるよう働いているのだ、とKhattabは言う─だが、彼らは成功しない─たとえ成功しようと、彼はすぐさまどこか別の場所にウェブサイトを再び設置するだろう…と。彼には良いウェブ・ホスティング業者がいて、Revolution Muslimは人種差別主義者グループではなく、ヘイト・オーガニゼーションでもないと理解してくれているという──誰がそのウェブサイトをホストしているのかをwhoishostingthis.comでさっと検索すると、それは米国で人気のある、Go Daddyによるものだ。Warnerによると、米国のウェブ・ホスティング業者はRevolution Muslimのようなグループに人気が高い…豊富なマルチメディアコンテンツを載せるのに便利なより高い解像度や、バンド周波数を提供しているからだという。

「これまでにも、共感してくれる人々を手紙を通じてターゲットにしてきたヘイト・グループが常に存在した…しかし今や、彼らのメッセージがより多くの人々から容易にアクセスできるようになった」とAnti-Defamation Leagueのニューヨーク地区ディレクター、Joel Levyは言う。Anti-Defamation LeagueはRevolution Muslimとそのサイトの存在を認識しており、そのサイトのメッセージには懸念を抱いてきたと彼は言う。*名誉毀損防止同盟( 略称ADL)とは米国最大のユダヤ人団体。反ユダヤ的な言論を監視する

 Levyは同サイトは、特に誰かに対する明瞭な脅迫(それが警察の捜査の根拠になるような)をすることはなかったという。「彼らはときどき脅かすような、脅迫を与えるような言葉を使う、そのことには疑いはない」と彼は言うが、しかし「彼らはとても、とても用心深く、そして言論の自由の限界とは何かについてよく理解しているように見うけられる。そして、そのスレスレの事を試みるが決して限界を超えたりはしない」

 Revolution Muslim には548人の登録メンバーがおり─ そしてAlexa.comによると、世界中からアクセスがある。アクセスの多い国の上位3位は米国、シンガポールとイスラエルで、そのうち58パーセントは米国からのものだ。

 そのサイトのミッション・ステートメントによると、彼らのミッションとはイスラムの言葉を広め、Sheikh Abdullah Al-Faisal <BBCによれば、彼はその説教の中でユダヤ人とヒンズー教徒の殺害を訴えたので、2003年に英国で刑務所に収監され、2007年にはジャマイカに国外追放された> を支持することだという。

 Khattabはイスラム法、あるいはシャリア法が全世界に確立されればよいと願っている。彼は、彼の生きている間にそれが起きるとは思っていない、あるいは米国で始まるとは思っていない(ソマリアとスーダンは、より現実的なオプションの国だという)。しかしそれは、「いつか最後の日に、預言者 Isa (イエスキリスト)が現れ、十字架をぱちんと言わせて豚のごとき異教徒たちを殺し、そして唯一の選択肢とはシャリア法であるとされたときに」、それは実現するだろう、という。
http://thebrooklynink.com/2010/04/23/11041-yousef-al-khattab-man-behind-virulent-islamic-website-grew-up-jewish/

*上記の記事の後にAl-Khatab自身が投稿し反論しているようだ。
*中東学者のJuan Coleなど反ユダヤ的な人たちは、極右派のイスラエル入植者でもあったYousef Al-Khattabはユダヤ諜報機関員ではないか、などといっているが? 

*Yousef Al-Khattabと家族   
(右の写真は彼が2009年に出した子供向けの本"The Story of The Boy & the King"の表紙)  


*"Revolution Muslim"のサイトhttp://www.revolutionmuslim.com/