Thursday, June 7, 2012

エジプト大統領選はシャフィーク氏とムルシー氏の決選投票へ Egyptian Election, final run-off

  
エジプトで、反対派の民衆が政治的要求を拡大

─何千人もの人々がカイロの広場で、4晩続けてAhmed Shafikの大統領選からの排除を要求 (6/6, Al-Jazeera)

  何千人もの反対者がカイロのタハリール広場に集結、失権したムバラクの前政権の代表と目される大統領候補Ahmad Shafikへの反対を叫んだ…彼らは軍人でムバラクの最後の首相のShafikが、6月16日に投票開始が予定される決選投票から身を引くよう求めている。多くの人々は、もうひとりの候補、ムスリム同胞団のMuhammadMorsiにも怒りをぶつけている。

 「ShafikもMosriもどちらもよくない」、と21歳のArafa Mohamadは記者に述べた。「彼らは大統領選を抜けるべきだ。一人は前政権から来たし、もう一人は何ら政治経験もなく、イスラム原理主義グループのアジェンダを抱いている」

 火曜日のデモ行進はリベラル派のHamdeen Sabbahiと、ムスリム同胞団の前メンバーで穏健派のAbdel Moneim Aboul Fotouhが率いている。彼らは先月の選挙で、3位と4位の得票数を得た立候補者である。何千人もの人々が北部の都市アレクサンドリアでもデモを行い、国中のより小さな都市でも小さなデモがあったと報告された。

大統領管轄評議会?

 この最新の反対運動は、先週土曜日にカイロの裁判所が、ムバラクの昨年の革命での反政府勢力殺害への共謀罪に関し終身刑を宣告してから始まった。この判決は、汚職の容疑をかけられていたムバラクの2人の息子Gamal とAlaaが無罪判決を言い渡され、他の数人の治安当局の役人もまた殺人罪を免れてから以降、人々の広い怒りを招いた。多くの反対派の人々は4月6日運動などの若者の革命運動グループから来ている━彼らはムスリム同胞団が大統領選の立候補者を出さない、との当初の公約を破ったことで同胞団に対し不信感を抱いている。

 同胞団はこの反対運動はあと押ししている━彼らはムバラクへの判決を「ショッキングだ」としてはいるが、しかし大統領選挙のいかなる遅延も拒絶している。
 Mosriは月曜日にSabbahiとAboul Fotouh、そして Khaled Aliなどの他の敗退したリベラル候補らと会談した。3人の敗戦候補は「presidential council 大統領管轄評議会」…すなわちエジプトを支配する文民組織(civilian body)の設立を求めているが、Morsiはこの考えを支持していない…  いくつかのメディアによると彼はそれを徹底的に拒絶したという━そして同胞団はそれが違憲であるともいっている。

Shafikは立候補を却下されるべきだ

 「大統領管轄評議会」という案は、エジプトのリベラル派の間ですら論議を呼んでいる━カイロのHeliopolis地区出身のリベラル派議員AmrHamzawyは、それは「民主主義とは相容れなくなるだろう」と述べる。 
 Shafikはまた、決選投票を前にMorsiに対する攻撃をエスカレートさせている。月曜夜のTVのインタビューで、彼は同胞団が昨年の革命のさなかにタハリール広場で反対派勢力を殺害したとして非難したが詳細は述べなかった。

 決選投票はエジプトの文民支配への移行の最後のステップとなる筈だ。エジプト軍部の支配者らである最高評議会は、文民大統領に6月30日に権力を委譲すると約束している。
しかし、それが予定通りに進むかどうか疑問も残される。大統領管轄評議会へのプッシュにくわえ、今年初めに議会を通過した前政権官僚による選挙への立候補を禁じる「政治的排除」法を理由にShafikが資格剥奪される可能性もある。─エジプトの最高裁は今月末に、その法律が合憲であるかどうかの判決を出さねばならない。

 月曜日の選挙結果により、エジプトの大統領選はAhmed ShafiqとMohamed Morsiの決選投票になるという━選挙委員会の長であるFarouq Sultanがその結果を記者会見で発表し、投票率はおよそ43%で、2千3百万人の人が投票した。

フロントランナーたちの得票数 
Mohammed Morsi: 5,764,952b Ahmed Shafiq: 5,505,327
Hamdeen Sabahi: 4,820,273
Abdel Moneim Aboul Fotouh: 4,065,239
Amr Moussa:2,588,850


…Aboul FotouhとSabahiを含む幾人かの候補が、何千人もの軍の招集兵たちが投票を禁じられているにもかかわらず投票した、と訴えたが、選挙委員会は証拠がないとして訴えは却下した。

古い体制への逆戻り

 …昨年の革命を強く支持したリベラル派にとり、この選挙は最悪のシナリオとなっている…なぜなら彼らにイスラム原理主義者とムバラクの政権の申し子のどちらかを選ぶように強いるからだ。彼らの中には決選投票全体をボイコットすると言っている者もいる。

…アル・ジャジーラのMatthew Cassel によればタハリール広場には2千人ほどの反対派が集まっているという。「それは主に若者たちで、巨大なエネルギーだ」。彼の報告ではShafiqの本部は襲われ窓が壊されたという。ロイター通信はShafiqの本部に火をつけたと報じた

 しかし、広場に戻ってくる意味はないと行っている人たちもいる。Sabahi候補の選挙ボランティアのMostafa Mortadaは、宿命論的なことを言う。「Shafiqが次の大統領だ。タハリール広場で何をすることがある?ゲームはアンフェアだ」

 MostafaがいうにはShafiqの決選投票は革命の終わりを象徴するという、しかし彼はMosriにも投票せず、同胞団に全権を託したりはしないという。「それが今か、1年後かはわからないが、Shafiqが大統領になればもう一度革命があるだろう」と彼は言う。

 両候補は、選挙戦の第1ラウンドでFotouhを支持した勢力や、宗教的穏健派の多岐にわたる支持者のミックス勢力、保守的サラフィ主義勢力、そしてムスリム同胞団を追放された元メンバー等からの支持獲得に熱心だ。最大のSalafi政党であるNour党のリーダーたちは、Morsiに投票すると決めていると言う(それは「宗教的義務」だとして)。
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2012/06/201265161255460815.html

*大統領選では旧政権に関わった世俗派の実務経験に期待も高まっている
タハリール広場には、原理主義(アルカイダ系)の黒旗軍団も出現…(12/05/25)  (FNN MEWS)
http://www.youtube.com/watch?v=dU5mDOUdIOM