Monday, April 30, 2012

「猫とネズミ」を演じる米国とパキスタン US playing cat and mouse with Pakistan - By Karamatullah K Ghori


Hafiz Mohammad Saeed
「猫とネズミ」を演じる米国とパキスタン  By カラマトゥラ K. ゴーリ(4/22、Asia Times)

 4月2日に悪魔がその時を得て…米国が、2008年の11月に武装グループがムンバイの街を襲撃し、7人の米国人を含む166人の命を奪った騒乱の影の黒幕としてインド政府が訴えている、Hafiz Mohammad Saeedの首に1千万ドルの懸賞金を懸けると宣言した。

Saeedの纏っている宗教的な外衣、Jamaat-ul-Dawa(伝教党Party for Propagation)はしばらくのあいだワシントンのテロ組織の指定リストにも載り、国連の作る同じカテゴリーのリストにも挙がっていた。Dawaは、Saeedがインドのカシミール支配に対抗する武装闘争のために設立し、2002年にはインド議会場への攻撃に関与したとして非合法化されたLashkar-e Taibaの後継の組織だ。

Saeedの逮捕や告訴につながる情報の提供に対して、ワシントンがこれほど高額の懸賞金を懸ける決断をしたとのニュースは、インドの首都New Delhiを公式に訪れていた米国務次官、Wendy Shermanによってリークされ、世界に報じられた─ それはSaeedをワシントンの「お尋ね者リスト」に掲載させ…アルカイダのリーダー・Ayman al-Zawahiri (2千5百万ドル)のみに次ぐ、世界で2番目に高額な懸賞金付きの者とした。

それは単なる偶然なのか…一種の臨床的なシンクロ現象の実例なのかは不明だ…4月8日にSaeedに対する懸賞金の件が新聞の見出しを飾ったちょうどそのとき、パキスタンのAsif Ali Zardari大統領 は丸一日かけて「個人的に」インドを訪問し、贖罪のために、Ajmar市のスーフィ派の聖人Khwaja Gharib Nawazの聖廟を巡礼に訪れていたとインド人らは外部世界に報じたのだ。
それは、陰謀の要素がこの事件にそっと忍び込み、外交問題の論客たちに疑問を抱かせた点だった…ワシントンが思いがけないイニシアチブで…ムンバイ・テロの主軸の役割を担った咎でインド政府が照準を定めてはいるが、米国の照準範囲にはなかった男の首を狙う、と宣言したことには…何らかの繋がりがあるのではないかと。

彼はまた、パキスタンの定める照準の中にもいなかった。2009年にSaeedが、ムンバイへの攻撃に関与したとの容疑で自宅軟禁された事への異議申し立てに勝訴し、パキスタンの最高裁は彼を解放するようにと命じていた。

米国の国務省が懸賞金に関する宣言を発した丁度一時間後、Saeedは、パキスタンのGeoTVに出演していた。彼は、彼が自由な人間として─パキスタンに住んでおり、米国政府の担当者との対話にはいつでも応じると宣言した。 「彼らは、私をテロリストと呼ぶ。だが、私は裁判所に行って、彼らに私に関する結論を出すように申し入れたのだ。インド政府は私に対して4通の事件調査書類を送ってきた。その案件の審理には、6ヶ月かかった。そして上級裁判所における判事全員が、私も私の組織も、ムンバイの攻撃や(あるいは、その他のいかなる)テロリスト活動にも何ら関わっていない、との結論を下したのだ」─Radio Free Europeと、Radio LibertyはSaeedに関して、そのように報じていた─

ザルダリ(大統領)は、多くのパキスタン人にワシントンの信奉者だとみられていて人気がない─彼の前任者のペルベス・ムシャラフ大佐が、最もそう目されていたときよりもずっと。彼は米国のカバン持ちとしてパキスタンの国益を犠牲にしながら、彼の米国の主人に卑屈な忠臣のごとく無条件に服従しているとみなされて、軽蔑感の槍玉にある。

「メモ・ゲート(*)スキャンダル事件」は、未だに上級司法機関の審議の最中だが、それはパキスタンの大衆に、彼らの大統領がワシントンの軍官である…とのより大きな疑いをもたせている。この論議は、米国の統合参謀本部議長、マイク・マレン(Mike Mullen)提督に宛てて書かれたメモをめぐり、渦巻いているものだ…そのメモでは昨年5月のパキスタンでの米軍のオサマ・ビン・ラディン殺害のあと、パキスタンで軍部が同国の文民政府を乗っ取ることを阻止すべく、バラク・オバマ政権にあからさまに助力を要請しており…また同時に、ワシントンの政府インサイダーが同国政府と軍部の機構を乗っ取るように促すようにも提案しているそのメモの草稿は、ザルダリの依頼で書かれたともされている。(* Memo-Gate パキスタンの「メモ疑惑」スキャンダル

メモ・ゲートの主要なキャラクター、Mansoor Ejazはこう主張し火に油を注いだ…ザルダリは、彼の米国の操作役(ハンドラー)たちからビン・ラディン暗殺の隠密作戦に関して内報を受けていたのだと。このことは当然ながら、論客たちに疑問を持たせた…Saeedへの懸賞金についての発表というのは、ザルダリのインドへの「巡礼」訪問を容易にするために行われたのか、あるいはそれに影を落とさせるべくなされたのか?と。

ザルダリの聖廟への計画的訪問は、多くの人の眼にイチジクの葉(隠蔽目的の物)より以上のものではない、とみなされた…そしてまた彼がAjmerに赴く前に行ったManmohan Singh(インド首相)とのDelhiにおける会合は、そのことによる成果にも大いに便乗していたのだろう、と。

ザルダリは、ムシャラフ(前大統領)が7年前に、観光客のメッカである健康に良い保養地アグラの有名なタージ・マハール寺院の陰で、彼らの元に残した小片を、拾い集めようと試みることだろう。多くの論客たちが、ザルダリの「巡礼」外交とは、ムシャラフが気難しい近隣諸国との連帯を修復しようとした「タージ」外交の遅ればせながらの延長だろう、とみなしている。
 
  2005年にムシャラフが当時のインド首相、Atal Bihari Vajpayee(アタル・ビハリ・バジパイ)と会合した折には、宿敵である両国リーダーらにとって、残る課題が細部への配慮となった最後の瞬間に交渉が決裂したが…それは大きな解決策のブレイクスルーを得る寸前だった。
  両国は平和の流れを拾い上げることに真剣で、新たに刷新された活力と目的意識を抱いているようにみえた。
 
パキスタンはインドとの和解と関係正常化の途で大きな一歩を踏んだ…宗教的な右派勢力からの大きな反動にも関わらず…インドに「最恵国待遇」のステイタスを与えることで、その疎外された隣国との間の貿易・経済関係における巨大な振興策を講じ得るという利益を見出して。

ザルダリが、Delhiから幾つかのポジティブな勇気付けのシグナルを送られ、パキスタン大統領としてインドへの初訪問に乗り出したのは理解できるが─彼は、闇の中で充分に跳躍することができなかったのだ…特に、パキスタンのビザンティン風な政治文化の頂点での彼の謎めいた役割が、多くの疑念に取り囲まれているなかで。
Asif Ali Zardari
論客たちは両国間の国民相互の旅行を飛躍的に容易にするビザ関連の新たな合意が、ザルダリとマンモハン首相との会議で合意されるだろう、との見方で一致している。それは、関係正常化のキーポイントと常に言われる通り、人々同士のコンタクトのほんの小さな促進材料となるだろう。
しかし予言者たちはインドの抱える他の二つの棘だらけの問題、つまりSiachen と Sir Creek両地方の領土紛争問題…において、折れるよう説得されるだろうとも言う。それは合意の補足的な例外条項の部分さえもが、何年も前から準備されていたものなのだが…1980年代末に、故・Rajiv Gandhi や故・Benazir Bhutto が政権の座にあった頃からすでに。

"great divide(大いなる断絶)"といわれるこの両国の軍司令部の…その仕事にスパナを投げ込んでいる司令官たちは、今や彼らの鼻先を超えた先を見たがっていると信じられているが─パキスタン主導の貿易自由化は、軍の司令部が留保を解いて政治的な事柄と足並みを揃えないことには、実現しない。

しかしながら、カサンドラ(凶事を予言する者)たちは…Saeedと他の同類の者たちをムンバイでの犯罪の責任者として充分に名指ししない限りワシントンのSaeedに対する懸賞金がザルダリのDelhi訪問のアジェンダに強いも悪影響を及ぼすかもしれず、インド政府がパキスタンに集中させる不平不満をも再燃させるかもしれない、と懸念している。

この懸念から得る儲けの種とは、Saeedへの懸賞金の動きを騒々しく歓迎するインドの官僚たちの、ほとばしる熱意なのだ。その懸賞金がパキスタンからの…冷たくはなくても中途半端に生ぬるい反応を招いたのは、驚くまでもない。同国の大衆感情はワシントンがあからさまにパキスタンの腕をひねり上げ、その領土内にNATOが設けている物資輸送の中継拠点のもつれた問題への非難を和らげるように画策していると感じている─その陸の回廊は、昨年11月に米国がアフガン国境近くの部族エリアで行った襲撃で24人のパキスタン兵を殺害した事件以来、凍結されているが。

パキスタンでは、議会がいまだにNATOの設備の再開の是非について、審議を続けている。しかし民衆の間には、ワシントンが近日中にパキスタン兵士の殺害に関する無条件な陳謝を行わない限りそれを再開すべきでないとの、完璧なコンセンサスがある。

飴とムチ政策では強硬なムチを行使する方針第一へと傾いたワシントンは、この二つの「同盟国」を、辛いコーナーから救い出そうと考えてくれるかもしれないパキスタンのエスタブリッシュメント(既成権力)に対して、その方針だけを貫いて留まるしかない。同時に米国人のそのようなドラマチックかつセンセーショナルな動きは、パキスタンの民衆の間での反米の御旗をより一層高めるだけだ。右翼的な宗教政党はすでに大衆の狂騒を焚きつけている─Saeedはポピュリストたちの反米運動の真只中にあり、彼の首に懸賞金をかけることは怒れる雄牛に赤い布を見せるのも同然なのだ。
http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/ND06Df02.html


米国の懸賞金は、パキスタンの武装派リーダーを捉えられるのか?
 …通常は、政府が懸賞金を告知した場合にそのお尋ね者は隠れているため、発見するには一般大衆の助けが必要となる。 しかし4月2日にワシントンが、Hafiz Mohammad Saeedの逮捕や訴追に繋がる情報に対して宣言した1千万ドルの懸賞金の場合は、その型を破っていた。 Saeedはワシントンとニューデリー双方からのお尋ね者となるだろう…インド政府は彼を、2008年の166人の犠牲者を出したムンバイのテロ攻撃の首謀者として欠席のまま訴追している。しかし彼は彼の住むパキスタンではお尋ね者にはされていない
 Saeedはパキスタンでお尋ね者でないだけでなく、定期的に公的な場にも出ている。4月3日、彼は首都から約1時間ほど北のAbbotabadで、彼の組織の集会を催した。
 パキスタン政府でさえも、ワシントンによる彼への懸賞金告知には不意を突かれたようだった。「われわれはオフィシャルなチャンネルから、何の知らせも受けていない。外交チャネルからも。それゆえ、私はオフィシャルなコミュニケーションを通じた連絡を待つべきだと思う」と、4月2日に内務大臣Rehman Malikは述べた。
ワシントンは国務省のRewards for Justice programのサイトで懸賞金を告知している
http://www.rferl.org/content/us_bounty_for_pakistani_militant_leader/24537868.html

パキスタンが米国の新たな懸賞金に咳払い

 …理論的には、米国の懸賞金はSaeed氏の所在というものを、アフガンのタリバンのリーダーMullah Muhammad Omar(パキスタンに住むとの噂の)の現住所と同じ位価値あるとものする筈だ…しかしタリバンのリーダーと異なり、Saeed氏は堂々とLahore市内に住み、先週にはパキスタンの首都Islamabadでの反政府運動にすらなんとか顔を出した…警察がそこに出させまいとした努力にも関わらず。
 
 そしてまた最高200万ドルまでの懸賞金がHafiz Abdul Rahman Makkiの拘束に対しても賭けられたが彼はSaeed氏の義理の兄弟だ。これは彼を米国の「武装派お尋ね者賞金リスト」の39番目に押し上げた。米国の告知後1時間足らずの内にSaeedはその考えをからかい、彼と彼の親戚が潜伏する家でAl Jazeeraの電話取材 http://www.aljazeera.com/news/asia/2012/04/20124314501346522.html に答えた、「我々は我々の発見にかけられた報奨金のために洞窟に隠れてはいない。我々はパキスタンの何百、何千もの人々に毎日語りかけているのだ…」
 もちろん、その61歳の元エンジニアリングの教授が最近、パキスタン全土での集会で演説した映像 http://youtu.be/JrDX6wKlWFM を探すのも容易だ。Saeed氏は米国の即時撤退を主張するデモを行う非合法化されたジハーディストのグループ、宗教政党や保守派政治家ら等の、新たな連合組織の主導的人物として台頭してきた。

Pakistanmp治安本部のあるRawalpindiでの1月の集会で、Saeed氏は軍の強力な諜報機関ISIの元・長官Gen. Hamid Gulを含む元軍人らに程近いステージの横で、Financial Timesの記者インタビューに答えているhttp://youtu.be/5Np_GD3MwEs Gen.Gulは1987年から89年に、パキスタンのスパイとCIAがソ連軍と戦うアフガン武装勢力を支援していた当時ISIの長官を務めた人物だった。2010年にWikiLeaksが入手した米国の秘密の軍事フィールド・レポートによれば…退官したGen.Gulは近年になって、対ソ連戦争時代のリーダーたちと協力していた疑いがもたれるが…それらのリーダーらの、何千もの武装勢力ネットワークは最近アフガンで米軍と戦っている…(後略)
http://thelede.blogs.nytimes.com/2012/04/03/pakistani-scoffs-at-new-u-s-bounty-on-him/


非合法のリーダーら市政府に困難の時を強いる
…6時間にわたり、非合法化されたAhl-i-Sunnat Wal Jamaat (ASWJ)のリーダー、Maulana Mohammad Ahmed Ludhianviと、Jamaatud DawaのチーフHafiz Saeedが火曜日にイスラマバードの警察と猫とネズミ・ゲームを演じた。彼らは現れては消え、止められては解放されて…スペクタクルを見ようと群衆が集まり、交通渋滞が続く中で、車に乗車中行く手を阻まれては、彼らの武装ガードたちに保護された。
Ludhianvi
弄ばれて真っ赤な顔をした警官たちが遂にようやく交渉の末Maulana Ludhianviを捕まえたが、Saeedは逃げた後だった。 彼は警官の苦情PPC section 188の規定で産業地帯の警察に移送されたものの、数分の内には市政府が彼に保釈金を与えた…
http://dawn.com/2012/03/28/banned-leaders-give-tough-time-to-administration-2/
 How childish are they?..