Saturday, February 11, 2012

シリア国民評議会(SNC)とは何か?- SLICES OF SYRIA....


シリア国民評議会(SNC)とは何か?

Syrian National Council (SNC) は、シリア国内に分散する反体制勢力をまとめて、2011年春頃より組織化され、11月半ばにイスタンブールで正式に結成を宣言した傘組織(unbrela organization)、異なる民族・宗派の混在するこの国で、アサド政権に代わる体制を模索する「7つの反政府勢力が結成した同盟」(BBC等による)だという。

SNCに参加するグループとは…

• The Damascus Declaration for Democratic Change grouping - (2000-2001年の民主化運動「ダマスカスの春」の際に生まれた組織の亡命支部だが、アサド政権によって弾圧されていた)
• The Syrian Muslim Brotherhood -シリアのムスリム同胞団(シリア国内では違法組織なので、トルコに亡命支部がある)
• Local Coordination Committees - (全国的なデモを先導した各地のローカルな草の根運動
• Assyrian Democratic Organization(アッシリア系シリア人の組織)
• Syrian Revolution General Commission (SRGC) - (シリアの40の野党勢力の合同ブロック)
• Kurdish factions, tribal leaders and independent figures make up the rest of the council.(クルド人勢力各派と部族リーダーら、及び、他の評議会に属する独立的人物たち)

SNCは、カダフィ体制に代わって政権を握ったリビアの国家評議会にも似ており現在評議会のメンバーは190人ほど。
シリアの新しい代理政府とか、トルコにおけるシリア亡命政府といった位置づけは未だ曖昧…(しかし1月21日現在で、米国・フランス・スペイン等を含む12の国連加盟国は、既にSNCを国連の加盟メンバーとして承認しているという。いかにも欧米寄りだからなのか)*SNCを承認している国のmap=Wikipediaのリンクを参照


SNCの最も著名な人物は、フランスを拠点とするシリア人亡命学者Burhan Ghalioun… 11月に議長に就任した。アラブ諸国に対し、継続的に民主的改革を呼びかけてきた人物だとか… (彼は1945年Homs生まれでダマスカス大哲学科卒、ソルボンヌ大にてヒューマニティーと哲学博士号取得。ジャーナリストのPepe Escobarは、Burhan Ghaliounを「欧米の代理人であり、シリアの民衆には未だ受け容れられていない」、などと書いているのだが…。) SNCの大半は亡命シリア人勢力だが「シリアの反政府勢力全体の6割を代表している」、と称する。国内からの支持拡大を求めつつも、シリア国内での支持者(勢力)の名前は伏せたい、としているという。SNCにはシリア国内の別の主な反体制勢力「National Coordination Committee for Democratic Change」から賛否両論の反応(mixed reaction)があるという。


SNCのChairman, Burhan Ghalion
 (ソース):http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-15155804
http://en.wikipedia.org/wiki/Syrian_National_Council


バシャール・アサド大統領と一族の相関図…

<Slate.comがシリアのアサド大統領一族の「家系・相関図」を掲載>
 アサド一族の亡き族長ハフェスは、1946年から1970年までにシリアの政権が18回も転覆された後、元国防相として'70年にクーデターで政権を奪って安定させた。アラウィ派で世俗主義者のハフェスは国内の多数派・スンニ派への支配を確立し'82年にはシリアのムスリム同胞団を弾圧、大規模なHamaの虐殺を実施(Hamaの屠殺人とよばれたのは、ハフェスの兄弟で右腕のリファートだった)
   現大統領、バシャールは、(2人の兄弟が父を継ぎ軍に入ったなかで)ロンドンで眼科医を目指して勉強しており、亡き父のハフェス・アサドの後継候補とはみなされなかった。しかし'94年、族長ハフェスが65歳の折に、最愛の息子で後継候補のバシャールの兄バシールがドイツのアウトバーンで、スポーツカーの横転する自動車事故で33歳で死亡、バシャールは後継者として呼び戻されたとか…。
 帰国後は軍に入り異例の速さで昇進…2000年に父ハフェスが死去して、バシャールはなかば「アクシデントで」シリア大統領になり 「unlikely autocratic opthalmologist ありそうにない、眼科医の専制君主」となった。
 …彼の弟で残忍で不安定な性格ゆえ父ハフェスが後継者にするのを危ぶんだマヘールは、今では巨大なシリア軍を統率するバシャールの参謀。叔父リファートから国防産業を受け継いだ。非正規民兵のシャビーハをも率いて、昨年の多くの政府側の残虐事件に責任があるとみられている…





*アサド大統領Interview: "An hour with Syrian president Bashar al-Assad" Charlie Rose Show  (3/27/2006)
http://www.charlierose.com/view/interview/484


Maher al-Assad


    Hafez al-Assad                                                   Bassel al-Assad