Wednesday, August 11, 2010

How the ground zero mosque site neighborhood looks like..









「グラウンド・ゼロ・モスク」への論議がヒートアップ…Debate Heats Up About Mosque Near Ground Zero


 グラウンド・ゼロ・モスクのデベロッパーとは:そのムスリム同朋団のルーツと、急進的な夢─ 


by Alyssa A. Lappen (5/14, PajamasMedia)

 グラウンド・ゼロから600フィートの地点での、1億ドルをかけた13階建てモスクの未来のデベロッパーは、彼自身を穏健派のムスリムだと称する。…しかし、クウェート生まれのFaisal Abdul Raufは、彼が「エジプトで宗教的な学問研究に没頭していた家族」の出身だ、といって誇らしげだ。確かに、Faisal Raufの出所であるムスリム同朋団とは、”急進的”と定義されているとおりの、正統的なものだ。(*写真:モスクの計画立案者、Faisal Abdul Rauf)

 Raufの父・Dr. Muhammad Abdul Rauf (1917-2004)は、ムスリム同朋団の設立者Hassan al-Bannaのエジプトでの現代版、といえる人物だった─ 彼はFeisalに対して、イスラムにおけるバチカンでもあるAl-Azhar Universityで彼が獲得した、一族の長いラディカリズムの伝統を伝えた。父Dr.Raufは、1948年にエジプトから逃れるまでそこで学び、教えていた。その年に、Feisal Abdul Raufはクウェートで生まれた。

 Feisal Raufは彼の父の唱えたイスラムの米国への拡張主義を、いつの日か実践しようと考えていた。1990年にRaufはローワー・マンハッタンの245 West Broadwayで、小さな al-Farah モスクを開業した。 (*註:グラウンド・ゼロから12ブロックの地点)地域の住民たちは、2006年にNY州の酒類局が同じブロックでの新しいバーの開業ライセンス認可を拒否し、他の店の認可も取り下げようとしたときまで、そのモスクに気づきもしなかった。

 Raufの経歴では英国とマレーシアでグラマー・スクールと高校に通った、とある。彼はおそらく1965年、17歳の時に、彼の父がマレーシアから米国に…NYでのイスラム文化センターの建設を考えて移住した際、初めて米国に住んだにすぎない(その建設は1980年代半ばまでは実現しなかった)。Raufはその後、コロンビア大学において科学の学士号を取得、1971年に家族はワシントンDCに移り、その地でRaufの父はMassachusetts Aveにイスラム・センターを設立した。彼の父はメリーランド州のSuitlandのfor-profit Washington 国立墓地に埋葬されたが…彼はマレーシアでも、3つのイスラム研究プログラム(マレーシア国際イスラム大学を含む)を設立している。

 Raufの英国で受けた初等教育と、米国のポップカルチャーへの親しみによるその価値観は、彼をイスラムのtaqiyya(イスラムへの興味とその優位性を進めるための、欺瞞的スピーチや行為…)に、強烈に熟練した伝道師となした─そうしたイスラム的な一層の邁進のためにRaufは1997年にAmerican Society for Muslim Advancement (ASMA)を設立したが、カシミール生まれの彼の妻でインテリアデザイナーを職業とするDaisy Kahnが、その組織を2005年以来経営している。

 Raufはその後、新たな影響力拡大を試み始めた。2002年の夏前後に、Raufはニューヨーク南西部のシャータクワ郡の、創立136年になる非営利の夏期講習会の宗教学ディレクター、Joan Brown Campbell女史の傘下へと入り、750エーカーのそのNYキャンパスでイスラムを講義し始めた。「アブラハムの」信仰に関する、という朱色のただし書きはRaufのイスラムの布教活動を都合よく隠蔽したが、Campbellはその後彼を未来のムスリム・ハウスのリーダーに任命した…その計画は今やそのキャンパスで、Raufのもうひとつの創作物である501(3)c organization Muslim Friends of Chautauquaによって進められている。Raufは元英国出身の尼僧で、熱心なイスラム教徒に改宗したKaren Armstrongとも親交を持った。

 2002年に「大学のレジデント神学研究員」としてArmstrongは(次のように)ムスリム同朋団を擁護した─まるで、すべてのイスラム教徒テロリストの父である組織が、進歩的なチャリティ組織か何かであるように…。

 [The MB](ムスリム同朋団)は弾圧を受ける以前は、素晴らしい福祉プログラムを実施していた…ムスリムが働ける工場では、祈りの時間やバカンスの時間がもうけられ、保険や労働法の知識を学び、診療所を設け、彼らは人々にどうやって汚水や排水を処理するかについて教えた…また、庶民たちがイスラム教社会のなかで近代化の恩恵を受けるべく、試みるのも常に宗教の役目であることが人々にとっても理に叶い、物事をよりバランスのとれたものにしていた。

 2003年にRaufはデンバーのAspen Instituteのリーダーたちと知り合った…その中には前エグゼクティブ・ディレクターと、アスペン市長を4期務めたJohn S. Bennetがいた。2004年にASMAのサポートのもとで、Raufは125人の若いムスリムからなる会議を開催しMuslim Leaders of Tomorrowを結成した。Bennetの助力のもとに、彼はアスペンで…ムスリムと西欧の関係の“改善“を意図したCordoba Initiativeをも設立した。Raufは多くの他のリベラル組織から資金援助を得たが、その中には例えばGloria Steinem(*米国の女性解放運動家)のMs. Foundationもあった。

 しかし、RaufはSydney Morning Heraldインタービューで、彼の和解的な態度に全く反した発言をしている。テロリズムとは、と彼は言った…西欧がムスリム世界に与えてきた害を認識しない限り終わらない、と。 (http://www.smh.com.au/articles/2004/03/21/1079789939987.html

 第2次大戦での西欧の役割は、厳密にみて自衛的なもので、まったく宗教的なものではなかった(はずだ)。しかしさらに、Raufの議論は─これは2009年12月〈Raufの妻の〉Daisy KahnがFoxNewsのLaura Ingrahamとのインタビューで一層うまく言い逃れ(潤色、美化)していたことだが、7世紀から16世紀まで中東やヨーロッパ、中央アジアやインドで続いた、イスラムによる非イスラム教徒への攻撃を無視していた。Raufは2006年にコペンハーゲンで彼が開いたMuslim Leaders of Tomorrowの会合で、さらに彼の敵対的な感情を表明した。彼の穏健な口実を強化すべく、Irshad ManjiやMona Eltahawyのようなリベラル派のムスリムを招いたりした。しかしMuslim Leaders of TomorrowはまたYasir Qadhiのようなムスリム同胞団の北米イスラム協会(Islamic Society of North America)のお気に入りの論者、またハマスの米国支部で、それ自体が未起訴のテロリスト資金援助団体 the Council on American-Islamic Relations (CAIR)と強い関係をもつDhaba “Debbie” Almontasserなども招いた…
 (以下続く…)
http://pajamasmedia.com/blog/the-ground-zero-mosque-developer-muslim-brotherhood-roots-radical-dreams/


↑*これはモスク反対派の人々が槍玉に挙げている、計画の資金源への疑惑や首謀者ラウフのルーツに関して詳しく暴露する記事だ…


*「ムスリム同胞団」: 1928年イスマイリアで「イスラームのために奉仕するムスリムの同胞たち」として、ハサン・アル=バンナーが結成。イスラーム主義組織としては20世紀最古、最大の影響力を有する。1940年代に隆盛したが、ナーセル政権の下で弾圧された(…現在のエジプトの事実上の最大野党。中東全域に広がるスンナ派の社会運動・宗教運動ともなっている)
ハマースはアフマド・ヤースィーンが同胞団パレスチナ支部の武装闘争部門として結成した…。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%A0%E5%90%8C%E8%83%9E%E5%9B%A3
*ハマスのルーツはイスラエルが建国当初パレスチナ人のために作った互助会組織ともいわれるが…

グラウンド・ゼロ近くのモスクについての議論がヒートアップしている -
By マイケル・バルバロ (7/31、NYタイムス)
 
 

 影響力のあるユダヤ人団体がこの金曜日(7月29日)に、ローワー・マンハッタンのグラウンド・ゼロの北2ブロックの地にイスラム・センターとモスクを建設するという提案への反感を表明した。この提案は、信教の自由と9月11日のテロリスト攻撃の意味をめぐる全国的な激しい議論を惹きおこしている。

 その団体、名誉毀損防止同盟(ADL)の主張は─ イスラム過激派が約2,750人を殺害した場所近くでのセンター建設を歓迎し、この国の寛容性と価値観を表わすべきだ、と論じている幅広い宗教的グループ層からの、怒りのReactionを触発した。

 しかし主流派グループのADLが(反論と同時に)、モスリム・センターの計画を攻撃する行為に対しては頑迷さをみとめ、それを非難した、という予期せぬ動きは、このプロジェクトに関する論争における十分な転換点にもなりうる。

 グラウンド・ゼロがゆっくりと、その街を織り成す繊維のなかに戻りつつあるニューヨークでは、政府関係者たちが、礼拝のスペースやパーフォーミング・アーツ・センター、プールやレストランをも含む15階建てコンプレックス(複合施設)のスプロール化(街の不規則な増殖、拡大…)のプランに対して認可を下す準備があるように見える。

 しかし共和党リーダーたちや’08年の選挙戦の副大統領候補・Sarah Palinなど保守派評論家によって喚起された反対の声は、全米で高まっている─ 彼らは「平和を求めるイスラム教徒」たちが、このセンターの建設を「必要のない挑発」として拒絶してほしい、と求めている。政治的行動を促すある共和党の委員会は、この計画を非難するTVCMを流している。前・上院議長、Newt Gingrichも、スピーチのなかでそれを非難し続けている。

 この複合施設の計画が、ローカルなゾーニング・プランの議論から全国的な住民投票の域に急速に進化したことは、WTCの敷地が事件後9年たった今でも、未だに未解決の集中的な感情に取り巻かれていることを示している。

 多くのニューヨーカーにとって、特にマンハッタンでは、ここは毎日の通勤の際に通り過ぎ、オフィスの窓からちらりと眺める建設用のサイトだ。シティの外の人々にとってはそれはシールドされ、記憶されるべき神聖な戦場のようなものだ。

 このプロジェクトに反論する者たちは、グラウンド・ゼロのこれほど近くでのムスリムの礼拝施設の建設が、少なくともここで死んだ人たちの遺族を傷つけ(侮辱し)、悪くすれば、イスラム過激派が米国に打撃を与えたとの達成を記念する、攻撃的な行為となると論じている。

 「WTCでは南北戦争以来、最大数の米国人の生命が失われた」とGingrich氏は唱える。「そして我々が未だにそれを再建していないことが人々を怒らせる。そんな中で我々はこう聞かされる、ここに13階建てのモスクとコミュニティ・センターを立てませんか?などと…。」

 彼は言う:「平均的なアメリカ人は、この計画は即ち政治的声明だと考えている。これは宗教に関するものではなく、それは明白に、攻撃的で気分を害する計画なのだ」

 WTCの犠牲者の数人の遺族たちは計画への反対表明に力を入れ、これが埋葬地でもあるこの地の神聖を汚すものになる、という。「もし私がこの地を眺めてそこにモスクをみたら、私の心は傷つくだろう」と、911で息子Peterを失ったC. Lee Hansonが最近の公聴会で述べた、「それは、どこか別の場所に建ててほしい」、と。

 この計画を擁護する者たちは、過熱する反対論に戸惑い、狼狽している。彼らは、推定1億ドルのコストを要すると思われるそのプロジェクトがムスリムと非ムスリムの間の亀裂の橋渡しを意図によるもので、亀裂を広げるものではないと論じる。

 センターのプログラミング・ディレクター、Oz Sultanは、この複合施設がマンハッタンに点在するユダヤ人コミュニティセンターやY.M.C.Aを真似たものだという。それはムスリムと、キリスト教徒、そしてユダヤ教リーダーたちからなる評議員会を持ち、そして穏健派イスラムの国民的モデルを意図するものだという。

 NY市の幹部、特にマイケル・ブルームバーグ市長はこの計画を、信教の自由の面から強く擁護し、政府は祈祷のための場所をどこに置くかを規制してはいけないと述べる。地域のコミュニティ評議会は、この計画に圧倒的な支持を与え、そして市の景観委員会(landmarks commission)は火曜日に同様な決定を下すと思われる。 (*実際に委員会は8月3日に建設の公式な許可を決定した)

 「米国の偉大なところとは…特にニューヨークに関しては、すべての人を歓迎することだ─そして我々がもしもこのような事に対して恐れたなら、それは我々について何を語ることになるのだろう?」と最近、市長は問いかけた。「民主主義はこれよりも強い」と彼は付け加えた。「そしてこのことに対してもしもノーと言うなら、それは…私が思うに、不適切な発言だというのが最適な言い方だろう」

 …それでもムスリム・センターに対する議論は反響し続けている。世論調査は過半数の米国人がこの計画に反対だと示している。

 ニューヨーク市の2人の有力な共和党知事候補、Rick A. LazioとCarl Paladinoは、これを彼らの選挙キャンペーンの主要イッシューと捉え、州の司法長官Andrew M. Cuomo(彼もまた民主党の知事候補者と目される)がこのプロジェクトの資金源を余り積極的に捜査していないことを非難している。

 ノースカロライナではやはり、元・海兵隊員の共和党議員候補Ilario Pantanoがこの件を選挙キャンペーンで取り上げ、この件がグラウンド・ゼロから600マイル離れた彼の選挙区の選挙民たちを触発している、と語る。 (*写真はPantano氏とモスク計画への反対者たち)

 数日前にSalemburgという小さな町のピザ・ショップで、彼はこの提案に対し養豚農業者たちと退役軍人たちを前に熱烈な攻撃を行った。「この提案に対しては一様に、部屋中に嫌悪感と軽蔑が漂っていた」とPantano氏は述べる。

 この件はかつて反イスラムの(差別的)感情に対して反対の声を上げていたADL〈名誉毀損防止同盟〉にとっては苦痛を伴うイッシューだった。しかしその全米ディレクターのAbraham H. Foxmanは金曜日のインタビューで、彼らの組織はそのモスク計画の場所が9月11日のテロの犠牲者の家族の感情を逆なでするとの結論に達したと述べて、そしてその計画の支持者たちは「1マイル先」に場所を探すべきだ、と指摘した。

 「それは間違った場所だ」Foxman氏は言う、「別の場所を探すべきだ」

 何故そのように犠牲者の家族たちによる反対がその決定にとって重要なのか、と聞かれて、ホロコーストを生き延びたサバイバーのFoxman氏は、彼らには彼らの感情を抱く権利がある、と述べた。

 「ホロコーストの生存者たちはそれが非理性的だと言われるような感覚も、持つ権利がある」と彼は言った。911のテロに命を奪われた愛する人々について彼は、「彼らの苦悩は彼らに、他の人たちから見れば非理性的だとか、頑迷だなどと呼ばれる立場に立つ権利を与える」

 ADLの声明はほとんど、即座に批判を呼んだ。

 「ADLは自らを恥ずべきだ」、と異なる民族間・異なる宗教間の対話を進めているNational Jewish Center for Learning and LeadershipのリーダーのRabbi Irwin Kulaは言った。イスラムセンターの計画を提案するFeisal Abdul Raufについて彼は、「(Raufなどの)ムスリム・コミュニティーの穏健派リーダーたちに対して、ここで我々が、一歩前に進むことを勧めていたのだ、しかし彼らのうちの一人がそれを行ったとき、彼は疑惑の眼で迎えられた…」

 金曜日には提案中のムスリム・センターのプログラム・ディレクターのSultan氏が、そのニュースに驚きと悲しみを表明した。911のテロの犠牲者家族に関するFoxman氏の言葉を聞かされて彼は「そのような反応は我々も予想していた」、と言う。彼は、9月11日にはツイン・タワーで働いていたり、またその事件に対処したりしていたムスリムたちもまた犠牲になったのだ、と語った。 http://www.nytimes.com/2010/07/31/nyregion/31mosque.html

*Cordoba House予定地はグラウンド・ゼロから徒歩3分~5分







http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-16640420100804
9・11跡地近くでのモスク建設、NY市が認可の判断
Mosque Plan Clears Hurdle in New York
http://www.nytimes.com/2010/08/04/nyregion/04mosque.html?ref=us


全米各地で、地元の新らしいモスク建設に対する反対運動が過熱?
http://www.nytimes.com/2010/08/08/us/08mosque.html?scp=1&sq=Across%20Nation,%20Mosque%20Projects%20Meet%20Opposition&st=cse
Across Nation, Mosque Projects Meet Opposition

グラウンド・ゼロ近くの建設予定地、モスクではなくコミュニティセンターと主張
http://ameblo.jp/scalar/entry-10611593635.html

8月10日「NY州のパターソン知事がモスク計画用地として、グラウンド・ゼロからより遠い場所の、州所有地をオファーする可能性を表明」
…翌11日にはブルームバーグ市長が、そのパターソン知事の代替地提案の件を払いのけた?
http://cityroom.blogs.nytimes.com/2010/08/11/bloomberg-brushes-aside-paterson-proposal-for-mosque/?scp=6&sq=What%20a%20Mosque%20Says%20About%20New%20York%20&st=cse







Sunday, August 8, 2010

「グラウンド・ゼロ・モスク」のイマーム、ユダヤ系米国人からの支持に感謝/ 'Ground Zero mosque' Imam thanks U.S. Jews for support- By Natasha Mozgovaya


「グラウンド・ゼロ・モスク」のイマーム、ファイサル・アブドル・ラウフ、ユダヤ系米国人からの支持に感謝を表明─

─ADL(名誉毀損防止同盟)は、グラウンド・ゼロ近くのモスクの建設は「逆効果」と非難。
一方"J Street"は1万名以上のモスク支持者から署名を集めた─

(By Natasha Mozgovaya 、8/4,  Ha'aretz)
(*写真は45 Park Placeでモスク計画の支持を訴えるユダヤ教ラビ、Arthur Waskow氏)

 グラウンド・ゼロから2ブロックの地点におけるモスク建設計画の主導者、イマームFeisal Abdul Raufは、この火曜日、広範にひろがる反対の声の中でイスラムセンターの計画を支持してくれたユダヤ系米国人たちへの感謝を表明した。

 「私は、ユダヤ人の友人、同僚たちによる、この厚意に満ちたジェスチャー(身ぶり)と支援に心からの感謝を表明する」、と彼は述べた。「貴方がたによる支持はユダヤとムスリムの文明が過去に分かち合ってきた相互協力の偉大な歴史と、相互理解を反映し、全ての米国人の間で今後も継続する我々相互の対話の永続的な成功と、宗教の自由や寛容性・協力関係への献身のあかしでありつづける…」 

 ニューヨーク市のエリアでは、米国ムスリム前進協会(American Society for Muslim Advancement)と、コルドバ・イニシアティブ(Cordoba Initiative)と呼ばれるイスラム系グループがグラウンド・ゼロから2ブロック地点に計画中の、この13階建てイスラム・センターとモスクの1億ドルをかけた建設プランへの感情がヒートアップしている。

 このほかの挑発的な面としては、911のテロ攻撃の10周年を期した新たなイスラムセンター開設の計画であること、またその資金の大半がサウジアラビアとフォード財団に負っていることがある。

 土曜日に、(ユダヤ人団体)「ADL(名誉毀損防止同盟)」はこの計画は「逆効果だ…」としつつも、大目にみる声明を発した。

 「グラウンド・ゼロ・モスク」計画として知られるようになった…このコルドバ・イニシアティブのNYCプロジェクトは、国中での論議を過熱させてきたが…先週の水曜日以来、議論はユダヤ人団体を中心としたものにシフトしてきている。

 ADLは…我々は宗教の自由を支持し、頑迷さを拒絶する、と強調した─(しかし、ADLは)新たなイスラム教センターに選ばれたこの場所が、センシティブなサイトであることを鑑みて、コルドバ・イニシアティブがモスクを含む13階建てのイスラム・コミュニティー・センターを911現場から2ブロック先に建てたいとの主張は「逆効果、counterproductiveだ」、と評した…それでも、その声明文のなかでは「イスラム・センターの提案者はここにそれを建設するあらゆる法的権利を有するかも知れず、彼らはイスラム教についてのポジティブなメッセージすらも発するためにこの場所を選んだかも知れない」、とつけ加えた。

 それでもリベラルなユダヤ人たちは即座にADLの声明を「偽善的」と非難し、それは彼らによる最近の決断と、彼らの宣言するミッションを害するものだとした。親イスラエルのロビー・グループ、JStreetは、1万人以上のモスク支持者の署名を集め、コルドバ・ハウス建設に関する議決がなされるよりも前に、それをNY市の歴史的建造物保存委員会に提出したのだ(同委員会は、全会一致でこの地の〔*911の遺構として建物に手をつけないとの〕景観保存規制には反対票を投じた)

 「米国のムスリムたちが、米国中のユダヤ人コミュニティ・センターをモデルに、ローワー・マンハッタンにコミュニティ・センターを建設しようとの計画に対する反対意見に驚愕し、J Streetは信教の自由への支持と、反ムスリムの頑迷な考えに反対する署名を集めている」とJ Streetはそのウェブサイト上で表明した。

 リベラル誌「Tikkun」〈イスラエルの著名な宗教系雑誌〉の編集者、ラビMichael Lernerは、ADLの決定は「恥ずべき」ものだとし、「ADLのリーダーAbe Foxmanは、彼らの組織が差別と戦う立場をとると表明しつつも、その公式声明は相手を攻撃しつつ嘆いてみせているという、完璧な例にすぎない」と言って批判した。

 Shalom Center の設立者のラビ、Arthur Waskowは、他の30人ほどのラビやユダヤ人リーダーたちと共にセンターの建設を支持し、支持者たちにFoxmanのオフィスにコンタクトをとって彼の組織が立場を変えるように働きかけて欲しい、と頼んだ。

 AJCもまた火曜日にコルドバ・イスラミック・センターは「建設される権利を有する」、と述べた─しかしその創立者たちに対しては、「彼らの資金源や、テロリストへの支援への懸念を表明してほしい」、と要請した。

 コネチカット州上院議員のジョー・リーバーマンは、センター建設にいくつかの条件をつけてほしいと要望し─基本的に、このセンターの建設が911の犠牲者の遺族や友人らにどのようなインパクトを与えるかの評価、またセンターのスポンサーたちの意図や、その資金源に関する更なる評価がなされるまでは、「このプロジェクトをストップして欲しい」と求めた。

 Park51プロジェクトのリーディング・デベロッパーであり、アッパー・マンハッタンのユダヤ人コミュニティ・センターのメンバーでもあるSharif el-Gamalはハーレツ紙に対して、彼が5年間にわたり、センターの建設を意図してそのビルを購入しようと試みてきたことが、このような注目を浴びるとは予想もしなかった、と語った。「私は10年近くにわたり、この近辺で物件を探していた。ニューヨークで不動産を見つけるのは容易ではないからだ」、と彼はいう。

 ユダヤ系の義理の姉妹をもつEl-Gamalはこう付け加えた─「このモスクは、より大きな施設の構成要素の一部となるが、他の施設とは切り離して非営利で運営される。そこにはジムやプール、レストランも作られる。スパや多目的施設、そしてまた911の犠牲者への顕彰するメモリアル・スペースも設けられる」と。 (*写真はEl-Gamal氏)

 モスクの計画を批判する者たちは、イマームのFeisel Abdul Rauf(モスクの計画提案者)が911のテロ発生の直後にCNNに対し「米国のポリシーとは、ここで起きた犯罪のアクセサリーのような物だった。我々(米国)は、世界で死んでいく多くの罪のない人々の命にとってのアクセサリーだった。オサマ・ビン・ラディンは米国によって作られた」などと語った、という事実を挙げている。

 こうした批判者たちの声に呼応してAbraham Foxmanはハーレツ紙に対し、彼の声明が「政治的な意図(アジェンダ)を持つ、全てのグループや人々によってねじ曲げられた」、と語った。
 「ADLの立場は非常に明白で、単純だ─ それはこの建設計画のロケーションと、感情的な過敏さ(センシティビティ)の問題であり、宗教の自由や、偏見に関する問題ではないのだ。カソリック協会がアウシュヴィッツの近くに祈祷のためのセンターを建設したいと言った時にも、我々はノーと言い、世界に呼びかけてこれに反対するように求めたのだ」、とFoxmanは言った。

 「(前法王の)ヨハネ・パウロ2世が彼らのセンターを(アウシュヴィッツから)1マイル離れた地に建設すことが可能だ、と言明したときまで、我々はアンチ・キリスト教だというレッテルを貼られていたが…実際、過去15年間、それはいかなる争い事もなくその場所に在ったのだ」、と彼はつけ加えた。
http://www.haaretz.com/jewish-world/ground-zero-mosque-imam-thanks-u-s-jews-for-support-1.305883
*NY市では許可が出されつつも、全米で反対の声があがるモスク計画に、↑イスラエルの中道リベラル紙ハーレツではこのような冷静な記事を掲載?

*世論調査(6/21-28)では過半数のNY市民がモスク計画に反対(クウイニピアク大学研究所調査、NY市の有権者 1,183 人回答)
http://www.nbcnewyork.com/news/local-beat/New-Yorkers-Oppose-Ground-Zero-Mosque-Poll-97602569.html
(*52%が反対、31%が賛成、17%が未決定。地域的にはリベラルなマンハッタン区では賛成者が多く反対者は僅か36%のみ、逆にスタッテン島では76%が反対)

*ADL(名誉毀損防止同盟)のモスク計画に対する声明文(7/28)
http://www.adl.org/PresRele/CvlRt_32/5820_32.htm
(計画に反対したとの解釈と、大目にみたとの両方の解釈がある…この地での建設案を非難しつつ、計画者にはすべての法的権利がありうると微妙に譲歩する?)

*多民族都市擁護派・ブルームバーグNY市長の「激烈な」モスク計画支持声明も話題に
http://www.youtube.com/watch?v=tQsHc1EHgQY

*6月6日のNY市でのモスク反対集会
http://www.youtube.com/watch#!v=VK1W4HDGa08&feature=related

*NYの辺鄙な島、スタッテン島コミュニティセンターでの反対者集会
http://www.youtube.com/watch#!v=j1ux4G7wMNc&feature=related

*グラウンド・ゼロ・モスクの設立者、RaufのFOXでのインタビュー
http://www.youtube.com/watch#!v=YTX_licVz88&feature=related
…Cordoba Instituteのチェアマン、Faisal Abdul Raufと911に現場で活躍したNYCの消防士Tim Brownが討論
Raufは以前からトライベッカにもモスクを持ち、911の後にはFBI当局の捜査にも協力、ムスリム社会と周囲の社会の関係改善に努力してきたと語る。最後にモスク計画の資金源を問われるが、NYの金融街で成功したムスリムなど彼らの組織の「多くの支持者」からのものだと語る?(討論が丁度時間切れとなる)

*昨年12月、Abdol Raufの妻Daisy KahnへのFOXのインタビュー
http://www.youtube.com/watch?v=q7WbTv_gsx4&feature=related

*コルドバ・イニシアティブのsite:Park51プロジェクト声明
http://www.cordobainitiative.org/