Tuesday, June 28, 2011

彼はなぜBiなのか?…溜息。 Why Is He Bi? (Sigh) - By Maureen Dowd


彼はなぜBiなのか?(…溜息) By モーリーン・ダウド (6/25, NYTimes)

 彼は、そのように生まれついた。

バイ。

 両性愛者(バイセクシュアル)のことではない。超党派(バイパルチザン)のことでも、勿論ない。彼は、二元的な(バイナリーな)人間なのだ。

 我々の大統領は、同時に両方のサイドに立つことが好きなのだ。

 アフガニスタンでは、彼は米軍を撤退させたいと思いつつも、同時に、軍を踏み留まらせたいと思っていた。
 彼は兵力を増派しながら、同時に撤退も行った。彼は、「対反政府勢力counterinsurgency」の戦略には数が少なすぎるが…「対テロcounterterrorism」の戦略には多すぎる兵力をそこに残してきた…彼は二つの戦略を同時に行いたいようだった…我々の仕事は終わった、だが…我々はまだそこに留まる必要がある/我々の仕事は終わっていないが、去ることもできる。
 
 対リビアの戦略では、オバマ大統領は背後から状勢を指揮したいと思っている。彼はカダフィへの敵対心に関与しているものの、議会ではカダフィへの敵対心はもっていないのだといっている。

 国の予算に関しては、彼は支出を抑えたいと望みつつ、支出の増加も望んでいる。環境政策では、彼はエネルギー生産高を増やしたいと願っているが、油田の掘削には消極的だ。ヘルスケアの問題では、彼は国民の誰もが医療保険でカバーされてほしいと願っているが、ユニバーサル・ヘルスケア(国民皆保険)のシステムは推していない。ウォール・ストリートでは、彼はFat cats(金持ち)らを激しく攻撃するが、カクテル・パーティでは彼は、彼らのfat(脂肪)の一部を、彼自身への選挙資金として集金したがっている。

 政治の場では、彼は対抗勢力の人間と友だちになることを好むが、彼らのことをバッシング(非難)もしている。他の人々にとってバイ・パルチザンシップ(超党派であること)とは…彼らの元々の政治的アイデンティティを超越することを指すが、オバマ大統領にとっては…それは、彼自身がすべての他者の政治的アイデンティティを分かち合うことを意味する。彼は彼自身である、ということを除けば、いずれのサイドにも深く連携していないようにみえる。

 彼は、大胆な変革(change)という考えのもとに大統領へと選出された、しかし今や…オサマの捕捉と彼がパキスタンやイエメンで行った無人偵察機での作戦を除けば…彼はそれを安泰なやり方(彼にとっての)で遂行している。彼はいつもと同様に、政治的な責任を回避するが、政治的には完全に曲がりくねった態度を示している。
 
 クリントン夫妻による2008年の選挙キャンペーンを打ち負かすことのできた男(…それはなぜならこの国が、クリントン主義者たちの婉曲語法と詭弁から、逃れたいと願っていたからだ)…は今や、婉曲語法と詭弁の新たなるクリエイティブな地平線を切り開いているのだ。

 オバマは同性婚(gay marriage)の問題では「進化」を遂げているのだが─それは、女の子だったら、誰でもあなたにこう説明できるだろう…それは彼の人間関係恐怖症の、初めの兆候なのだと。

 恐らく、2012年の中間選挙戦に向けて走り出したいま、経済戦略や戦争戦略でのすべての悩みのタネに加えて、オバマは自身の党の内部のホモ嫌い勢力からの否認に、恐れを抱いているのだ。しかし彼は、彼が同性婚に気乗り薄である理由とは、彼のクリスチャン精神の表れだという説明を試みた…彼は滅多に教会に行くこともなく、世俗的人間主義者(ヒューマニスト)、そのものであるにも関わらず。

 火曜の夜にマンハッタンで開かれた集金のためのゲイ&レズビアンのガラ・パーティで、600名以上のゲストの4分の3から何百万ドルもの選挙資金を集めつつ、大統領は「ゲイ・カップルはこの国のすべての他のカップルと同様の法的権利が与えられるに値する、と私は信じる」と─この問題の決定権が各州に委ねられるとの立場を守りながらも宣言した。

 彼はニューヨーク州のカソリックの大司教、Timothy Dolanほどに酷くはない─木曜日に大司教は、今度は「ナショナル・カソリック・レジスター」誌のインタビューで再び、不機嫌そうに答えていた、「あなたはこの件が、これで終わりだと思うのか?今度は重婚者たちも、自分らの結婚する権利を主張し出すと思わないのか?今や自分の妹と結婚したいと思っている誰かが、"自分には、その権利があるのか?”などと問わないだろうか?要するにそれとこれとは、方針が同じじゃないのか?」

 大司教は、このように結論した…「次に起こることは、ご存知の通りこうだ。彼らは野球の各イニングには4回のアウトがある、と主張するだろう。これはクレージーだ」(彼は連邦判事の Scaliaのような口調になってきている)

 オバマの同性婚問題に対する消極性は、我々の知っている彼のプログレッシブな世界観と比べると、大いに、そしてわざとらしいほど一貫性を欠いている。そして最初の黒人大統領が金曜日の夜に、オルバニー(NY州議会)で同性婚の法案を通過させた(州知事の)Andrew Cuomoを…我々の時代の市民権運動における前線のリーダーとして、歴史に名を残させようなどとするなんておかしなことだ(*写真:Gay Marriage認可法案を成立させて大人気の、Andrew Cuomo NY州知事!)

 しかし大統領にとっては「非常に差し迫った緊急性」というものは、ゲイのコミュニティから小切手を貰うためだけに適用されるものであり、今こそ同性婚を認める時だ、と考えるすべての米国人のスピードに追いつこう、というものではない

「Don't ask, Don't tell(*"DADT"=軍における同性愛者差別撤廃のため…そのことを内密にすれば咎めない、とする連邦法…2010年同法の撤廃案が可決されたが現在は保留中、近く施行される)」のもとでは、オバマは今や大衆を率いてはおらず、大衆を追っている。そして、もっと悪いことには…変革への一陣の風に吹き上げられた若い、ヒップな黒人大統領は大胆さと希望(audacity and hope*オバマの自伝のタイトル)においては、二人ほどの老いた白人の保守派…Dick CheneyとTed Olsonにも後れを取っているのだ。
 (*Dick Cheneyの娘のElizabeth Cheneyは、同性愛者だと知られている。*Ted OlsonはBush政権前期の訴訟長官だが、退任後にカリフォルニアの同性婚禁止の撤廃に尽力した人物…) コミュニティ・オーガナイザーとして、オバマはその、感情移入のめざましい才能を進化させてきた。しかし今や、彼はそれを間違った方法で用いている。部屋の中のすべての人々の考え方を知るだけでは、十分ではない。あなたは部屋の中の誰が正しく、彼と共に立つべきなのかを決める必要があるのだ。リーダーとはmediator(仲裁者)やumpire(審判員)ではなく、convener(会議の議長)でも、facilitator(世話役)でもないのだから。

 Chris Christieが時々、そう言うように、「大統領は、姿をみせるべき」なのだ。

 すべての言葉の曖昧さで、オーバル・オフィスの男は彼のアイデンティティをシールドし、本当のバラク・オバマは誰なのかを覆い隠している。

 彼は、ゲイのコミュニティからインスピレーションを得るべきなのだ: いずれにせよゲイたちがすべきひとつのこととは…すべてのコストを支払ってでも、彼らとは何者なのかを宣言することなのだから。

 この国が直面している最も重要な幾つかの課題において大統領は、もう箪笥の中に隠れておらず、カミングアウトすべきだ。

http://www.nytimes.com/2011/06/26/opinion/sunday/26dowd.html?ref=maureendowd

Monday, June 27, 2011

「米国育ちのテロリスト」デビッド・ヘッドリーの多くの顔 The many faces of a homegrown terrorist By Dinesh Sharma

デビッド・ヘッドリーが多重人格というのは本当なのか?

「米国育ちのテロリスト」の多くの顔 By ディネシュ・シャルマ The many faces of a homegrown terrorist By Dinesh Sharma (6/16, Asia Times Online)

(前記事の続き;冒頭略)

 先週、米国生まれのテロリストについて懸念を感じていた人々は、このパキスタン系米国人テロリスト、David Coleman Headleyの心が、コンパートメントに細かく隔離された、複雑な、多重的な分裂状態にあったと知ってショックを受けた─彼は多くの文化的、国際的なボーダーをもまたいだ諜報機関へと入り込んで、彼らを騙していたのだ。(右:David Headleyの法廷でのスケッチ)

 合衆国の司法当局は、最終的に2009年10月に彼を逮捕し、当局は彼とその共謀者とされるTahawwur Hussain Ranaが、デンマークの新聞社Jyllands-Posten(挑発的な漫画を掲載した)への攻撃を謀議した件で告訴した。

 2009年12月には、連邦捜査局(FBI)もまたHeadleyを、2008年のムンバイの大規模な虐殺テロ(164人が殺害された)計画に加担し、テロ組織Lashkar-e-Tayyiba (LeT)への物資援助、そして米国市民の殺害幇助を行った容疑で告発した。
 
 12件の容疑で告発されたHeadleyは、終身刑と莫大な罰金の支払いに直面していた。すると彼は…友人のRanaも、ムンバイ攻撃での役割を負っていたとして名指ししたのだ。Headleyはインド、デンマーク、あるいはパキスタンへの身柄引渡しを逃れ、死刑の宣告から免れるために、司法取引を結んだ。6月6日に結審を迎えた裁判において、Ranaはデンマークの新聞社へのテロ計画幇助とLeTへの援助の二つの罪状で有罪となったが、ムンバイへの攻撃計画における幇助の罪は問われなかった。

 ムンバイ攻撃の計画において、今や盛んに報道されているパキスタン諜報部ISIの関与という事実を再度確認したことに加えて、Headleyの裁判は国内生まれのテロリストの「多重人格」、あるいは「解離性同一性障害」を、白日のもとにさらけだし─心理学者たちや、治安の専門家たちに現実的な実例を提供した。彼の複雑なストーリーに関しては、既にドキュメンタリーも生み出された─HBOのドキュドラマなら理想的でさえあるかも知れない。 (*左:Tahawwur Rana)

 Headleyのプロフィールをさっと一見するなら、そこに彼の異なる人生のフェースにおける、人格上の深い亀裂や分裂、あるいは、全体性の欠如が見出される。Headleyが実際、1992年に多重人格性障害(MPD)と診断されていたことは、驚くには値しない…私は私の臨床的な仮説を検証しつつ、そのことを確認した。しかし、彼の病気とその診断を囲む状況は不透明なままに残されている。

  彼は、ニューヨークとシカゴ、フィラデルフィアのパキスタン系米国人コミュニティで、また同時に彼の先祖の故郷パキスタンでも、Daood Sayed Gilaniとして知られていた。テロリストに転じる前、1980年代と90年代にはHeadleyは、主にバーやビデオレンタル・ストアを経営するスモール・ビジネスのオーナーだった。2001年には、パキスタンからのヘロイン密輸の複数の容疑を受けつつも無罪となり、その後彼は米国麻薬取締局Drug Enforcement Authority (DEA)の情報屋となった。

 DEAに協力して覆面捜査を行いながらも、Headleyは2002年と2003年にかけて、LeTの組織の深層との接触を開始した。「彼は直ぐに手の平を返して…それが彼にとって好都合であるならば、すべての者たちを裏切ったのだ」と、あるテロリズム・アナリストは語る。

 ISIの、より効果的な継っ子組織の一つであるLeTへの度重なる訪問の後に、彼は2008年のムンバイへの攻撃と他のテロ活動の実行の責任を負い始めた。他の治安アナリストによれば、「LeTにとっての夢が現実となった」、のだという。Headleyの中に、LeTは「完璧なテロリスト」を見出した─ 金のある米国人で…米国のパスポートを持ち、いかなる嫌いや尋問にもであうことなしに米国を自由に出入りできる人間、として。

 2006年にHeadleyは彼のイスラム名を棄て米国人としてのアイデンティティを選択し、パキスタン系イスラム教徒たちとのコンタクトを隠蔽しながらインドへの旅を容易にするために、彼の母親の苗字を名乗り始めた。

 その当時、彼の親しい友人らやビジネス仲間らも、彼が何を計画していたかは想像もつかなかった…「David Headleyは気狂いだ…脳みそのある人間にはこんなことは出来るはずがない」、とRanaの妻は語った。

 MPDの臨床的な診断というものは容易に、あるいは少しずつ入手できるものではない─そこには全人口のなかでも非常にまれな、精神病理学的条件が必要となる。しかしこの、1960年に首都から数歩の距離のワシントン・DCで生まれたパキスタン系米国人のジハーディストのケースには、それが当てはまるようだ。

 1992年と、その他のストレスにみちた人生の変遷の時期において、Headleyは米国精神科協会(APA)の診断・統計マニュアルに示されたMPDの全面的な症状を示していた可能性がある。

・アイデンティティが分裂し、2つかそれ以上の顕著な別のパーソナリティによって特徴付けられる…ひとつはパキスタンに根を持ち、もう一つは米国に根を持つ。

・二つ以上の別の人生を送っているため、毎日の出来事に関する重要な個人的情報が分裂している。

・社会的機能、職業的機能または他の重要な分野で、顕著な失意の状態や障害を呈する。

・Headleyの異なる人格は、広く受け容れられる文化的な枠組において、「正常」とは見えない。

 発達心理学的にみると、Headleyの分裂した人格は初めから始まっていたようである。彼はパキスタン人の外交官Sayed Salim Gilaniと、米国人の母親Serill Headleyの息子であり、この両親は共に彼の生まれた当時、ワシントンのパキスタン大使館に勤務していた。

 Headleyは…彼の父が離婚し家族がパキスタンに帰国した後に、子供時代の一部をパンジャブ州の軍エリートの予科学校Cadet College Hasan Abdalで過ごした。熱烈なイスラム教徒として育てられ、学校で彼は過激派思想の強い影響を受けた可能性がある。彼は子供時代の友達で、後に明らさまな共犯者となるRanaに軍学校で出会い、二人は生涯の友人でビジネス上の協力者となった。

 彼の父親のもつイスラム的な世界は、米国において彼の母親が彼に提供した世俗的なライフスタイルと真っ向から対立した。1977年に17歳の当時、パキスタンの政情変化のために、Headleyの米国人の母は彼を、彼女がKhyber Passという名のバーを経営するフィラデルフィアに移した。
 
 波乱に富んだ十代の時期に米国の価値観を試したHeadleyは、母親のオープンな、あるいは「放蕩な」選択に対して反抗しながら、その狂信的思想の兆しを示しはじめて…非イスラム教徒全てが嫌いだと告白していた。 (*写真はHeadleyと米国のパスポート)



 Headley自身は、彼の憎悪がそれほど深く、彼自身を結局ジハードの道に駆り立てる物だとは想像できなかった。彼はISIやLeT、DEAなどの組織内部への潜入に成功し、別人を装うことでインドの治安勢力を避けつつ、同時に米国とパキスタンで何人もの女性にいい寄ったり離婚を重ねていた。
 
 「多くの人々はその人生のなかに矛盾を抱えているものの、人々はそれと折り合うことを学ぶものだ」、とHeadleyの叔父のWilliam Headleyは、記者に語った。「しかしDaoodhは決してそれをしなかった。彼の左半身は、右半身とは会話しないのだ」。

 病気に起因するHeadleyの狂信思想は、彼の気の触れた心のコンパートメントに隠され、しまいこまれていた。 その低いレベルの変化形といえば─通常では国境線によって分たれた異なる文化の間で生活しつつ分裂した忠誠心(divided loyalties)の持つ人々において、より低周波数の、小さな波長で見出されるかも知れないものだ。

 このような自国生まれの反米主義とは、我々の想像するよりもより激しく、米国の下院議員の個人的なブラックベリー端末から送られた猥褻なTwitter画像などよりもずっと危険だ。
http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF16Df06.html


「テロリスト」デビッド・ヘッドリーは、米国のスパイか? By スワラジ・チャウカン(12/17.2009 The Moderate Voice.com)

 米国はなぜ、11/26のムンバイのテロ攻撃の容疑者、パキスタン出身のDavid Headleyの、インドの司法当局による尋問を許さないのか?それは、Headleyが米国のスパイでもあるからか?…そのことインドのメディアでホットな話題となっている。 

 Headleyとその共犯者Tahawwur Hussain Ranaは、インドでの公共スペースの爆破を共謀した容疑で10月にFBIによって逮捕された。

 David Headleyは、ワシントンD.C.に生まれた─その地で彼の父Sayed Salim GilaniはVoice of Americaに勤務し、彼の母Serrill Headleyはその秘書だった。パキスタンの首相Yousaf Raza Gillaniのスポークスマン、Danyal GilaniはHeadleyの異母兄弟である。

 インド政府のオフィシャルな情報源によれば、David Headley(本名Daood Gilani)の、カシミール分離主義派Lashkar-e-Taiba (LeT) とのリンクを、米国CIAはムンバイへのテロ攻撃の1年前から察知していたが、彼がインドとの間を自由に旅行している間そのことをインド当局には伝えなかったと、The Times of Indiaは報じている。

 ミステリアスなことに、HeadleyとRanaのビザに関する書類は、シカゴのインド領事館から紛失した。

 そのような訴えはインド亜大陸で抱かれる疑念…テロリストのネットワークがこの地域で(米国の求める国益や秩序に従順ではない国々の)政府の不安定化をもくろむ活動に、米国の諜報機関自身が責任をもつのでは、との疑いに信憑性を与える。長らくカシミールは地政学的な理由から(宗教的理由からではなく)、遠隔地からのテロ攻撃を呼びやすかった。

 ワシントンの不透明なパワー・ポリティックスや、LangleyのCIAにおいて、米国の政策立案者たちは多くの有名な人々を使ってきた─その中には、ダブル・エージェントだったLee Harvey Oswaldや、Saddam Husseinも含まれる。そして今現在の最大のお尋ね者、オサマ・ビン・ラディンを忘れてはならない*(この記事掲載当時OBLは逃走中)─彼は、アフガニスタンでのソ連の帝国建設の野望に対抗する、彼らのお気に入りの戦士だった。

 The Times of India はこう続ける、「(インドの)捜査官たちは、米国の諜報機関がインド当局からその情報を遠ざけ続け、パキスタン生まれのHeadleyのことが、"露呈する"ことを決して許さなかったのだと信じている。」

 「ムンバイ攻撃に関与した容疑でFBIが逮捕した49歳のテロ容疑者:Headleyは、2009年3月にインドを訪れていた─LeTによって実行されたムンバイ攻撃の4ヵ月後だ─しかしそれでも、FBIは依然としてインド当局に、HeadleyがLeTの工作員であることを伝えなかった…明らかに彼がインドで逮捕されることを怖れていた」

 「同じ情報源によれば…もしもHeadleyがインドの法廷でより軽い罰をうけたなら、Headleyが米国のスパイであると同時にLeTのためにも働いていた…と信じられる道理に叶った根拠を、インド当局に与えるかもしれない…と彼らは心配していた」
 「それはさらに、Headleyと米国諜報機関に司法取引があったとの考えに信憑性を与えた」

 「彼のインドへの幾度もの訪問の間にHeadleyはクレジットカードを通じて、米国の銀行からの多くの金と、パキスタンから持ってきたらしきインドの偽造通貨を何十万ルピーもの金に換えていた…」

 「インドの捜査官達は、そのクレジットカードの請求書を米国の銀行で誰が支払っていたか、の捜査を試みてはいない…」

 ワシントン生まれの、パキスタンの元外交官と米国人の母との間の息子Headleyは、インドに幾度も旅行し、ムンバイを含む多くの場所を訪れ、ボリウッド・スターたちと交友関係を結んでいた、とThe Hindustan Timesはいう*中略…HeadleyがDEA(麻薬取締局)の情報屋だった件は推測としている。

 別の記事によればHeadleyはユダヤ人を詐称していたという(Wikipedia
参照)それは何故か?FBIによれば、彼はユダヤ人を装う為、「How to Pray like a Jew」という本さえも所持していた FBIは、彼がインド、パキスタン、湾岸諸国やヨーロッパを頻繁に往復していると知った後に彼を監視下においた。

 インドの人々のなかには、もしもインド国籍の誰かが米国のどこかをテロ攻撃した容疑者とされ、そしてインド政府が米国当局による彼の捜査を拒否した場合、米軍はインドへの軍事作戦を行うだろうか?と問いかける人々がいる。もしそうなれば、今インド政府は一体どうするのだろうか?

 その場合─インドの首相は、彼がついこの間…例のお騒がせ闖入カップルの眼前で…ホワイトハウスで親愛感を込めて握っていた米国大統領の、その手を噛むのだろうか?
http://themoderatevoice.com/56118/terrorist-david-headley-an-american-spy/

*写真:David Headley(2009年頃?)Headleyは今や、米国政府にとって「スター証言者」なのか?

関連記事:
ムンバイのテロへと繋がる、新たなスパイのリンク
http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2011/05/new-spy-links-to-mumbai-carnage-by.html

ムンバイ攻撃を共謀?─テロ容疑者、ラナ&ヘッドリーの裁判のゆくえ
http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2011/06/chicago-businessman-tahawwur-rana-is.html

Thursday, June 23, 2011

ムンバイ攻撃を共謀?─テロ容疑者、ラナ&ヘッドリーの裁判のゆくえ

「ムンバイのテロ事件」への共謀を問われ…シカゴで行われた容疑者たちの裁判は複雑怪奇に?…

シカゴのビジネスマン、タハウール・ラナはデンマークでのテロ未遂計画幇助で有罪、ムンバイの攻撃計画では無罪との判決下る
Chicago businessman Tahawwur Rana is guilty of Denmark plot but not guilty of aiding the Mumbai attacks (6/9, Chicago Tribune)

 これまでにシカゴで開かれた最も顕著なテロ裁判の場で、木曜日にシカゴのビジネスマンは有罪判決を受けたが…陪審員団は彼を最大の罪─すなわち、2008年のMumbaiテロ事件での共謀罪からは無罪の評決を下した。 (*右図:Ranaの法廷でのイラスト)

 Tahawwur Rana 50歳は、幼なじみの友達David Coleman Headleyをテロ計画において助けたこと…シカゴのノースサイドからパキスタンの部族エリアへと足取りを拡げ、Mumbaiでのテロ攻撃へと及び、またDenmarkの新聞社も襲撃してスタッフを斬首しようとしたテロ未遂の計画も幇助した、との容疑で訴追された。

 HeadleyとRanaは、2009年にシカゴで逮捕されている。

 2日間の審議の後に陪審団はパキスタン出身のRanaに対して、Denmarkのテロ計画でHeadleyを幇助したとの罪で有罪判決を下した。しかし陪審団は、米国人6人を含む170名を殺害したMumbaiのテロ計画では彼は無罪だと認めた。Ranaはまた、パキスタンのテロリスト・グループ、Lashkar-e-Taibaを支援した件で有罪とされた。

 陪審団がRanaに対し…彼がインドのカシミールの分離統治に反対しているパキスタン本拠の過激派グループ、Lashkarの支援で有罪…との決断を下したのは、Rana自身がFBI捜査官に対する逮捕後の供述で、Headleyが同グループのために働いていたと知っていた、と話したことに基づいている。
 RanaはMumbaiのテロ幇助容疑から赦免されたことで終身刑を免れた。しかし彼は依然として懲役30年の宣告に直面し、弁護団は失望を表している。

 「我々は、この件に関する(陪審員らの)熟考に立ち戻ることは出来ない、そのため彼らがどうしてこの判断に至ったのか、よくわからない」とRanaの弁護団の一人Patrick Blegenはいう。「明らかに、我々は甚だしく失望している。我々はRana氏を信じており、そして我々は彼が無罪だった事を信じている。しかし、陪審は異なる判決に達した。我々は彼らの決断を尊重するが、しかし彼らは間違っていたと考える」(後略…)
http://www.chicagotribune.com/news/local/ct-met-rana-terrorism-trial-0610-20110609,0,141351.story

*Terror trial evidence
デビッド・ヘッドリーが、インドで撮影した「テロ攻撃のターゲット候補地」の写真の数々(法廷での証拠)http://www.chicagotribune.com/news/local/breaking/chi-110524-terror-trial-evidence-pictures,0,7248341.photogallery?index=chi-terror24subtah20110524111114


ラナのテロ裁判の終幕…州検察側が数多の証拠を示唆するなかで、ラナの弁護団は"スター証言者"(ヘッドリー)を罵った…
In close of Rana terror trial, defense rips star witness as government points to evidence
By Annie Sweeney, Tribune reporter (6/7, Chicago Tribune)
 

 テロ幇助の容疑で訴追されたシカゴのビジネスマンの弁護人は、彼に対するこの告発が…自らがテロリストであることを認めた人物が死刑を免れるべく試みた、絶望的でっちあげだと訴えた。

 「David Headleyに関しては、何事も単純に済む様な問題はない」、とTahawwur Ranaの弁護人Patrick Blegenは、州政府側のスター証言者に関していう。「彼は、自分にはすべての人々が騙せるものと思っているのだ」。

 最終弁論の場でBlegenはHeadleyの信憑性をひどく非難し、彼がいかにしてヘロイン密輸で2度も告発されたか、家族や当局に対して度々嘘を繰り返しついてきたか、そしてFBIによる抑留中にさえ、大胆にも彼の妻に電話をかけて彼の兄弟に警告するように頼んだか…等々を陳述した。

 「彼は彼のオフィスから、正義を妨害すべくはかったのだ」とBlegenは言った。
だが、裁判官が彼を紹介した直後に、検察側のテーブルから最後の言葉を放った米国の連邦副検事は、強い声で…陪審団に対しHeadlayのバックグラウンド(病気を含め)を超えたその向こう側に注目するように、と求めた。

 「皆さん、一秒たりとも…(このようなことで)この男が(車中の会話において)言っていたことを変えさせてはならない」、とCollinsは政府が残したRanaに関する盗聴録音について語った。「それはあなた方が今、行うべき眼前の仕事から、あなたがたの方向性を逸らしてしまう」

 検察当局はHeadleayには人格障害(人間性欠陥)があると即座に認め、彼のことを酷い、軽蔑すべき(awful and despicable)人間だと呼んだ。しかし彼らは、Ranaを陰謀の内側に据えた長い証拠のリストをも読み上げた─それは、HeadleyとRanaが2009年に、自動車での長時間の走行中に録音された秘密録音を含むものだった。

 シカゴにおける最も顕著なテロ裁判で、50歳のRanaは、彼がHeadleyを支援し─2006年から2008年にかけて5回にわたり彼を、シカゴを本拠に彼の経営する移民ビジネス会社の代理人として旅行させ…インドのムンバイへのテロ攻撃(2008年に170人程の人々を殺害した)のターゲットの候補地探しをさせた…という犯罪の容疑者とみなされた。

 彼は、50歳のHeadleyに同じビジネスの隠れ蓑を着せた上でデンマーク旅行をさせ、コペンハーゲンの新聞社を標的とした2度目のテロ計画の未遂(ムスリム世界の大半を激怒させたモハメッドの漫画掲載への報復を目的としていた)のために偵察を行わせたとの件でも告発を受けた。

 陪審団は水曜の朝からこの件に関する審議を始めた。
BlegenはRanaを合法的なビジネスマンであるとみなしており、Headleyがパキスタンのテロリストから何千ドルもの資金を集めつつ、同時にRanaには金銭を支払って詐欺的に(彼を利用し)ムンバイのオフィスを運営させた、との見地に立とうとしている。

 Blegenは、Ranaがいかなるテロ計画にも真に関わってはいなかった、と主張した。秘密の録音でさえもHeadleyの、信憑性の薄い、その解釈にもとづいたものにすぎないと彼は言う。そしてBlegenは、Ranaが6時間の審問の間に当局の放ったすべての質問にも答えたと指摘した。

 しかし、検察官らはRanaが、虐殺テロで死亡した若いMumbaiのガンマンを祝福し、またテロの計画者の一人(当局に告発されている事件の共謀者)のことをパキスタン軍の名誉に値すると述べている…車内での会話の録音のことを証拠に挙げている。

 また別のやり取りでは、HeadleyはRanaと、インドとデンマークのスポットを含む彼のテロ攻撃のトップ・ターゲットの地について話しているとしている。Collinsは陪審員団に対し、Ranaがそのことを論じ合っている会話中で笑っていると話した。

 州検察側は、その証拠に関する裁判に陪審員団が注目し続けるようにはかるとみえる。多くの証拠の提示と審査の後にも、共同訴追者であるVictoria Petersは陪審員らに対して、彼女が提出した15件に上る証拠を審議するように再度求めている。

 その証拠の一つとは、Ranaが─"Major Iqbal"(イクバル大佐)としてのみ知られる、告発を受けたもう一人の共同謀議者からのeメール内容を…彼がHeadleyに送ったメールの中に貼付けている、との訴えである。しかし、そのもう一人の共謀者もまた、Mumbaiテロ攻撃の1ヵ月後の2008年12月にHeadleyにメールを送り、彼にRanaがどう感じているのか、彼は「怖がっているのか」と質問しているという。

 Headleyが「酷い男(an awful man)」であった、と認めつつPetersは、陪審員団にこう尋ねた、「あなたがたは、政府(検察側)に対して何をして欲しいのか?”II'm sorry、お前たちは軽蔑に値する…我々は、あなたがたの提示する情報(Ranaに関する証拠)になど興味はない”、などと言って欲しいのか?」と。
http://www.chicagotribune.com/news/local/ct-met-rana-terrorism-trial-0608-20110607,0,4532268.story


テロの容疑者に対し、評決は分かれた(要約)(6/ 10, NYtimes)
Split Verdicts for Man Accused of Terrorism

…「テロリストを幇助しようとするすべての者に対する、この評決のメッセージは明白だ」と、政府側の検事Patrick J. Fitzgeraldは声明で述べた。「我々は暴力を容易にする者たちすべてに正義の裁きを下す」

 有罪、無罪のミックスした判決は、30年の懲役刑となるRanaと、政府側の双方に打撃を与えた…検察側の陳述は、死刑の宣告とインドへの身柄引渡しを免れるため、Mumbaiのテロ計画での重要な役割を担ったことを告白した、David Headleyの証言に大きく基づいている…

 Headleyの証言は…彼がRanaだけでなくパキスタン諜報部の幹部らもムンバイのテロ攻撃を幇助したと訴えた際に世界のメディアのヘッドラインを飾った。その告発は米国とパキスタン、インドの関係を悪化させる脅威を与えた─特に、パキスタンの軍事都市に隠れていたオサマ・ビン・ラディンを米特殊部隊が発見した後には─

.....Ranaの弁護団は、Headleyの成人して以降の大方の人生での詐欺行為を列挙し、彼の信頼性を切り捨てることで弁護を行った。Headley氏─パキスタンの外交官とフィラデルフィアの社交家との間の50歳の息子は、テロリストになる以前に多くの実質的な逮捕記録があり、麻薬密輸でも逮捕され、その後は長期の懲役宣告を逃れるため麻薬取締局の情報屋となっていた。

…Rana氏…パキスタン系カナダ人で3児の父親は、デンマークの新聞社の襲撃計画でも類似の幇助をし、告発されている。しかしその計画は実行されなかった。

 Rana氏の家族たちは判決の宣告を聞いて泣いたが、Rana氏は目に見える感情を示さなかった。彼の弁護士の一人は、「彼はショックを感じているのだろう」と語った。もう一人の弁護士Patrick Blegenは陪審員らについて語った、「明らかに我々は失望している。我々は彼らが、解釈を誤ったものと思う」

 Fitzgerald判事は、Headleyに対する判決に関して「それは、まだ当分先のことになる」と語った…
http://www.nytimes.com/2011/06/10/world/asia/10headley.html?ref=davidcheadley

*関連記事:



「米国育ちのテロリスト」デビッド・ヘッドリーの多くの顔http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2011/06/many-faces-of-homegrown-terroristby.html





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Sunday, June 12, 2011

米国-パキスタンの十年来のパートナーシップに入る罅(ひび) Cracks in decade-old US-Pakistan partnership-BY TARIQ A. AL-MAEENA

イスラム過激派に手を貸した米国諜報部員?ビン・ラディン逮捕より前の今年1月の怪しい事件の回顧

Cracks in decade-old US-Pakistan partnership
米国-パキスタンの十年来のパートナーシップに入る罅(ひび)  By タリク・A.アル・マエーナ (2/26 Arab News)

 去る2001年、パキスタンのペルベズ・ムシャラフ大統領が、米国の「テロとの戦い」におけるパートナーシップ推進のためにジョージ・ブッシュ大統領と握手を交わしたその時、ほとんどのパキスタン人は、そのパートナーの手でテロが彼らの国に輸入されるなどとは、思いもよらなかった─

 多くのパキスタン人たちが米国―パキスタン関係を眺めるとき、心の底に横たわる怒りは否定できない─彼らの国とは、米国に苛められてばかり居ながら、その施しに頼る不承不承の同盟国なのだと。この十年間に両国政府がたどった変遷の許でもこうした感情は改善しなかった。今日、この二国間の悪名高き同盟のなかの亀裂は深まりつつある。

 パキスタンにおける疑念を高めた最近の出来事とは、Lahoreの路上で2人のパキスタン人を冷血にも射殺した米国政府関係者、Raymond Davisの逮捕だった。憤怒に駆られたパキスタンの大衆の抗議は、危機をはらんだ両国のきわどい縁を更に緊張させた。群衆の怒りは…Davisが二人のオートバイの男たち(治安勢力の銃器を所持して彼に窃盗を働こうとした、と彼が主張する)を殺害したLahoreの現場の付近を、彼が一人で車で走行していたときに逮捕された事実によっても鎮まらなかった。

 36歳のDavisは元米軍特殊部隊の隊員で、民間警備会社XE Service(旧名Blackwater)に雇われていた。Davisは4年近く前からCIAのために働き始め、そして2009年末にパキスタンに来た。彼は射撃事件の前までは、警備会社の他のメンバーらと共にラホールの安全な家に住んでいた。米国人らはすぐさま、Davisがその外交上のステイタスにより、パキスタンでの起訴を免れるべきだと要求した。毎日が過ぎ行くなかで、Barack Obama大統領の主張のレトリックのレベルは高まり、Davisは外交特権により免罪されるというオフィシャルな主張へと飛躍し、そして彼はそのメッセージを伝えるべくイスラマバードにJohn Kerry 上院議員を派遣した。

 そんな中、パキスタンの匿名の外務省員が、同国政府がすでにDavisには全面的な免罪権はないと決断したと述べた。

 米国上院の外交委員会議長であるKerryは同国の訪問中に、彼の目的が「…レトリックをトーンダウンさせ、米国のパキスタンとのパートナーシップを再度、確認すること」であると、Davisに対する抑留騒ぎの余波のなかで表明した。しかしDavisとCIAとの関係について暴露された新たな事実が、何か一層邪悪なものを示唆していた。
 いくつかの新聞報道が、Davisと「テロリスト活動」及び、パキスタンのタリバンとを結びつける匿名の情報を掲載した。それらによれば、Davisはテロリストの活動を活発に助けて、そそのかしていたという。

 The Express Tribune 紙は、ヘッドラインでこのように喧伝した、「CIAエージェントのDavisは、ローカルな民兵組織との繋がりがあった」。同紙は匿名の「警察幹部」からの情報として、Davisにはテロ活動を首謀した容疑がかけられていたと書いた。

 「捜査によって、彼とTTP (パキスタンのTaleban)とは密接な繋がりがあり、そして、彼は反政府活動を鼓舞するためにパンジャブから若者たちをタリバンに勧誘するための道具だったことが暴露された」。その警察幹部は、Davisがパキスタンの不穏な状況を掻き立てるべく、パキスタンのタリバンと手を取り合っており、同国の核兵器は安全な者たちの手にはない、との論議を主張した。警察のソースによれば、Davisの携帯電話の会話記録はすでに…彼と27人のパキスタンの武装分子たちや、Lashkar-e-Jhangviとして知られるセクト組織との繋がりを証明していたとされる。

 南アジアのニュース・エージェンシー、ANI はこう報じた─ロシアの外国諜報部によれば、Davisは核兵器と生物兵器の材料をアル・カイダに渡していた、と。またDavisはCIAの最高機密文書を所持しているところを発見され、またその地域で活動し、怖れられる米軍のAmerican Task Force 373 (TF373) との繋がりも見出された。

 ANIはSVRが、36歳のDavisの逮捕がこの危機を煽ったと伝えた。彼の逮捕の後に押収された証拠書類は、彼が現在、アフガンの戦争地域とパキスタンの部族地域で非合法な活動をするTF373 のユニットのメンバーであることを示している。

 同紙によれば、その(殺された)二人組とは─Davisの携帯電話がアフガニスタンと国境を接するワジリスタンの部族地域に入ったことが追跡され、そして彼が(その地で)アル・カイダと継続的にコンタクトを取っている状況が見出された後に、彼を追跡すべく送られたISIのエージェントだったと─パキスタン当局が述べたという。

 このSVRのレポート中の最も不吉な点とは、「パキスタンのISIが─Davisの所持していたCIAの最高機密文書が…彼、またはTF373(あるいはこの両者)が、アル・カイダのテロリストに”核分裂性の物質”と”生物剤(生物化学兵器)”を供給していると指し示している点」であり…(ISIによれば)それらは、崩壊寸前の世界経済における覇権をふたたび確立すべく、全面戦争をひき起こそうとする米国自身に対抗するために使われる─と、同紙は付け加えているのだ。

 Lahoreの地方裁判所は、それ以来パキスタン政府に対し、二人のパキスタン人殺害の容疑で抑留中の米国政府関係者が、彼らの主張する外交特権を有するかどうかの審理に3週間の猶予を与えているが…その遅れは米国を失望させ、両国の間にわずかに残る信頼関係の痕跡さえも蝕む可能性がある。

 多くのパキスタン人は、彼らの国内第二の都市で武装した米国人が暴れ回っていることに対して激怒し、もしもDavisが解放された場合には大規模な抗議行動を起こす、と警告した。その最終結果がどうあれ、これが十年来のパートナーシップにとってよい前兆であることはありえない。
http://arabnews.com/opinion/columns/article285164.ece

参考記事

Tuesday, June 7, 2011

悪い駆け引き Bad Bargains - By THOMAS L. FRIEDMAN

911の本当の黒幕、としてのサウジのワッハーブ派批判を、トム・フリードマンはしばしば訴える…

悪い駆け引き Bad Bargains - By トーマス・L.フリードマン(5/10, NYタイムス)

 というわけで、オサマ・ビン・ラディンはパキスタンの特別に建てられた別荘に住んでいた。私は、彼がどのようにしてその家を買う金を得たのかに興味がある。彼はサウジ・アラビアからの年金401(k)を、キャッシュにでも換金したのだろうか?たぶん、パキスタンのサブプライム・ローンの担保金なのか?否、私はそのすべてが、アル・カイダのほとんどの資金と同じ出所からきたことを…我々は発見するだろうと思う─パキスタン軍の用心深い目の許で、サウジの複数の個人からの献金を結合した資金が用いられたのだろうと。

 なぜ、我々はそれを気にする必要があるのか?それは、これが問題の中心だからなのだ。つまり、我々による、9月11日のテロを惹起したビン・ラディンの殺害は正当であり、戦略上でもきわめて重大だった。私は… その資金をまかない、主な計画立案者たちや末端の歩兵らを送りこみその攻撃を真に可能にした…二つの悪しき駆け引きの排除が、簡単なものであれば良いのにと望んでいる。我々は今、サウジ・アラビアとパキスタンの支配者らの駆け引き(彼らは今もつつがなく生き延びているが)のことを話しているのだ。

 サウジ・アラビアの支配者が行った駆け引きとは、アル・サウド一族とワッハーブ主義の宗教的セクトとが交わした古いパートナーシップのことだ。アル・サウド一族は、どんなにその宮殿の壁の背後に隠れている必要があろうとも権力の座に留まり続け、その見返りとしてワッハーブ派のセクトの追随者たちが、その国の宗教的慣習やモスク、教育システムを支配している。

 ワッハーブ派はサウジの政権をひとつの選挙も行わずに祝福し、そしてその政権が、彼らに金と宗教的なフリーハンド(やりたい放題)を与えて祝福している。唯一のマイナス点とは、そのシステムが、「座っているだけの男たち(“sitting around guys” )」─宗教教育を受けただけで、何の職業的スキルももたない若いサウジ男性たちを、安定的に、確実に供給し続けている点だ…そしてこうした男たちは9/11スタイルのハイジャッカーたちや、イラクの自爆テロリスト要員としてリクルートされるに至った。

 そのことを、『イスラムの揺り籠(“Cradle of Islam” )』を書いた文筆家で、サウジ・アラビアの前石油大臣の娘でもあるMai Yamani以上に巧みに説明した者はないだろう。「西欧の10年にわたるテロとの戦いにも関わらず、そしてサウジ・アラビアの米国との長期的な同盟にも関わらず、王国のワッハーブ主義の宗教エスタブリッシュメントは引き続き、世界中でイスラム過激派の思想を援助し続けた」、とYamaniは今週、レバノン紙のデイリー・スターに書いた。

 「サウジで生まれ教育を受けたビン・ラディンは、その倒錯的な思想の申し子だ」、とYamaniは付け加える。「彼は、宗教的な改革者などではない。彼はワッハーブ主義の申し子として、後にワッハーブの体制側からジハード戦士として輸出されたのだ。1980年代には、サウジ・アラビアはワッハーブの教義の宣伝活動に750億ドル以上を費やし…パキスタンからアフガニスタン、イエメン、アルジェリア、そしてそれ以遠のイスラム世界全体において学校やモスク、慈善事業の設立を援助した…驚くなかれ、何千ものアンダーグラウンドのジハード戦士のウェブサイトに扇動された国際的なイスラム主義の政治運動は、サウジ王国に起源を持っている。同じくサウジからのワッハーブ主義の輸出品である9/11のハイジャッカーたちの如く、サウジ・アラビアには未だに潜在的なテロリストの予備役らが残っている─なぜならワッハーブの狂信的な思想工場が無傷で残存しているからだ。故に、本当の戦いはビン・ラディンとの戦いだったわけではなく、それはサウジの国家が援助する思想工場との戦いだった」

 これはパキスタンも同様だ。パキスタンの支配層の行う駆け引きとはパキスタン軍が仕組んでお膳立てしたもので、それはこのように言う:「我々はこの国を君ら文民が支配しているように見せかけ、そして実際には国家予算の25%近くを費やして全ての重要事の支配権を握り…そのすべてをパキスタンにとっての真の安全保障上の挑戦─インドとそのカシミール占領に対して必要な経費だ…として正当化する」。ビン・ラディンが、米国のパキスタン軍への援助を発生させるためのサイド・ビジネスと化すのを見ながら。

 アル・カイダに関するエキスパートLawrence Wrightが今週号のThe New Yorker誌で彼の見解を論じている─パキスタン軍の諜報部門は、「これまで“ビン・ラディン探し”のビジネスに従事していたが、もしも彼らを見つけたなら、それ以降は仕事がなくなることになった」。9月11日以来─と、Wrightはつけ加える、「米国はパキスタンに110億ドルを与えたが、そのうち膨大な額を軍事的援助が占め、多くは同国のインドに対する防衛のための武器購入に不適切に費やされた」

 (アフガニスタンのHamid Karzai大統領もまた、同様なゲームを行った。彼は“アフガニスタンの“安定を模索するビジネス”のなかに居る。しかし彼は、我々が資金援助をし続ける限りは、その探索というものを続けていくだろう)

 この両国に必要なのもは、ショック療法だ。パキスタンにとっては、その不当に大きな部分を軍事援助にあてていた米国からの援助を、K-12(*)の教育プログラムへと振り向け、同時に米国のアフガニスタンへの介入を減らしていく、という意味だ。そして同時に我々が送るべきメッセージとは…我々がパキスタンのその真の敵(我々の真の敵でもある)─との戦いを助ける準備がある、ということ…つまり、無知と文盲、腐敗したエリート層、そして宗教的な反啓蒙主義(蒙昧主義)との戦いだ…しかし我々は、パキスタンがインドに脅かされているがためにアフガニスタンでの「戦略的縦深性(ストラテジック・デプス)」やタリバンとの連携を必要とする、というようなナンセンスな主張に騙されることには興味がない。

 それはサウジ・アラビアも同様だ。我々はアル・サウード家とワッハーブ主義者たちのménage à trois(夫婦と三角関係のもう一人が同居する世帯)に住んでいるのだ。我々がアル・サウード家にセキュリティを提供する代わりに、彼らが我々に石油を提供する。ワッハーブ主義者たちはアル・サウード家に法的正当性を提供し、アル・サウード家は彼らに、金(我々から得た)を提供する。それは、アル・サウード家にとっては実に上手く機能する、しかし我々にとっては上手く働きすぎるということはない。そこから脱出するための唯一の策とは、どちらのグループからも提案されていないこと…つまり、米国の新たなるエネルギー政策だけなのだ。

 それゆえ、私の結論はこうだ:我々は確かにビン・ラディンが死んでより安全になった、しかし、誰も安全になる者はないだろう…もちろん、まともな未来を獲得するに値するサウジ・アラビアやパキスタンの多くの穏健派ムスリムたちにとっても、安全は得られない─イスラマバードとリヤドの支配者たちが、異なる駆け引きを行わない限りは。
http://www.nytimes.com/2011/05/11/opinion/11friedman.html?ref=thomaslfriedman

*K-12:幼稚園(KindergartenのK)から始まり高等学校を卒業するまで無料教育の受けられる13年間の教育期間」のこと[米国・カナダ]

(写真は2009年6月、オバマ大統領のサウジ訪問)


 

 

Wednesday, June 1, 2011

アル・カイダのパキスタン海軍への浸透…を報じたジャーナリスト、Syed Saleem Shahzadが殺害される- Pakistani Journalist Syed Saleem Shahzad is slain


パキスタンのジャーナリスト、サイード・サレーム・シャハザッドSyed Saleem Shahzadが殺害される
─パキスタン海軍上層部のアル・カイダとの関与を暴露後─

 パキスタンのカラチの海軍基地への武装勢力による襲撃と、治安勢力による掃討戦の詳細なレポートを報じた直後に、Asia Timesの記者Syed Saleem Shahzadは誘拐され、拷問により殺害された。911以来パキスタンの諜報部や、タリバン、アル・カイダについて驚くべきインサイド情報を暴露してきたオンラインジャーナルで、パキスタン支局長として常にトップ記事を執筆していた人だ。

 この記事の掲載の後Saleem Shahzadはパキスタンの諜報部から脅迫を受けていると人権団体Human Rrights Watchに訴えていたという(同諜報部は、関与を強く否定している)。6月1日に、彼の行方不明が報じられた後、殺害はあっという間のことだった。カラチでは水曜日に彼の埋葬が行われたと報じられた。


  特にここ数年、Asia Timesを強く特徴づけていたパキスタンの過激派に関する彼の頻繁なレポートは余りにも詳細で、ここまで書いてよいのだろうか?としばしば危惧も感じざるを得なかった(当blogでも何度か翻訳を掲載…)気概と勇気で常に真実を伝えてくれていた、ジャーナリストが殺害されてしまった

(以下は彼の最後の記事の翻訳です)
 

Al-Qaeda had warned of Pakistan strike
アル・カイダ、パキスタンに対する攻撃を警告 By Syed Saleem Shahzad (5/27, Asia Times Online)


イスラマバードにて─
 5月22日に、アル・カイダとの関係性の容疑で逮捕された海軍軍人らの釈放をめぐり、アル・カイダとパキスタン海軍との間で行われていた交渉が失敗した後、アル・カイダが厚かましくもカラチのPNS Mehran naval air stationを攻撃したことを、AsiaTimesは暴露した。

Sayd Salem Shahzad

 パキスタンの治安勢力は、海軍基地がひと握りの重武装した武装勢力による急襲を受けた後に、15時間にわたって同基地での掃討作戦を行った。
 幾人かの攻撃者たちは、何千人もの軍兵士による警戒線を抜けて逃亡する前に、少なくとも(基地の内部で)10人を殺害し、2機の米国製P3-C Orion哨戒機(一機あたり3千6百万米ドルに値する)を破壊した。

 公式発表では武装兵士の数は6名で、うち4人は殺害され2人は逃亡した。しかし非公式情報では、10人の武装兵士がおり、6人が逃亡したとも言う。Asia Times Onlineによる確認では、攻撃者らはアル・カイダの作戦部隊であるIlyas Kashmiriの313 Brigade(第313部隊)から来たのだという。

 先月、海軍のバスへの3回の攻撃で乗っていた9人が殺害されたが、これは拘束されている(海軍の)容疑者らに関するアル・カイダの要求を受け容れるように、との海軍関係者らへの警告の銃撃だった。

 5月2日の、パキスタンでのオサマ・ビン・ラディンの殺害が、アル・カイダの複数のグループのあいだで、カラチ攻撃を行う、というコンセンサスに弾みをつけた─それは彼らのリーダーの死への報復であり、また同時にパキスタンのインド海軍に対する哨戒のキャパシティ(偵察の能力)に打撃を与える、という目的のためだった。

 しかしその深層に横たわる動機とは、海軍組織の内部におけるアル・カイダの同盟者らへの大規模な弾圧に対するリアクションだった。

好戦性の噴火山 Volcano of militancy 数週間前に海軍諜報部は、この国の最大の都市であり、重要な港であるカラチの数箇所の海軍基地の内部で活動する、あるひとつのアル・カイダのセルの動きを追跡していた。「イスラム的な感情は軍の中でも共通して(普通に)みられるものだ」と、ある匿名の海軍上級幹部(メディアに対して話すことを許可されてはいない)は、Asia Timesに語った。

 「我々は、そのことに決して脅かされたりすることはない。世界中の全ての武装勢力は、米国人だろうと、英国人やインド人だろうと、宗教から─ 彼らが敵と戦う上での動機となる何らかのインスピレーションを得ているものだ。そして。、パキスタンは二国主義の概念のなかで建国された─すなわち、ヒンズー教徒とイスラム教徒は二つの別の国民だという考えであり…それゆえ、誰もイスラムやイスラム的感情をパキスタンの軍から切り離すことはできないのだ」、と彼はいう。

 「そうはいっても、我々はカラチの異なる複数の海軍基地が、不穏な仕方でグループ分け(grouping)されるのをみていた。誰も軍の兵士らを、彼らが宗教的儀式を行ったりイスラム教を学んだりしたからとの理由で妨害することはできないため、そのようなグループ分けは軍の規律に反するものだ。それは怪しい活動をチェックするための、海軍における諜報作戦の始まりだった」。

 その軍人は、そのグループ化が軍のリーダーたちの意に反しており、またイスラム武装勢力に対峙する上での米国との繋がりにも逆らうものだと説明した。米国から訪問している米国政府関係者らへの攻撃を示唆するいくつかのメッセージが傍受されたとき、諜報部は行動にでるためのよい理由付けを得て、そして最低10人の人々(主として下級軍人であるが)に関する慎重な評価が行われた後に、彼らは数々の活動の容疑で逮捕された。

 「それが大きなトラブルの発端だった」と彼はいう。
 逮捕された者たちは、カラチの首相公邸の裏にある海軍諜報部のオフィスに抑留されていたが、適切な尋問が始まるよりも前に捜査の担当者は、それらの男たちがどこに拘束されているかを知っている武装勢力からの、直接的な脅迫を受けた。

 抑留者たちはすぐにより安全な場所に移されたが、脅迫はなおも続いた。この件に関与した軍幹部たちは武装勢力が彼らの行う尋問を恐れていたことを信じている─武装勢力はそれによって、海軍の内部の内通者ら…彼らに忠実なより多くの者たちの逮捕に繋がるかもしれないことを、怖れていたのだろうと。武装勢力はこのため、もしも拘束者らが解放されないのなら海軍施設が攻撃されることを、明白に宣言していた。

 武装勢力が常に、容疑者らがどこに拘束されているかを知っていたことから、彼らが確たる内部情報を得ていたことは明白であり、それは海軍上層部への大規模なアル・カイダの浸透を示唆していた。ある海軍の上級幹部会議が召集された際に諜報官僚らは、その件はとても慎重に(機密的に)扱われるべきで、さもなくば結果は破滅的になる、と主張した。その会議の出席者らはすべてそれに同意し、そしてアル・カイダとのコミュニケーションのライン(チャネル)を開くことが決議された。

 Abdul Samad Mansooriは元学生組合の活動家だったが、今は313 brigadeの一員で、元々カラチの出身だが今や北ワジリスタンの部族地域に住んでいる─彼は当局からのアプローチを受け、そして、当局とアルカイダとの間の対話が始まった。アル・カイダは軍人らに対しての尋問を行わずに即時解放することを要求した。しかしこれは拒絶された。

 抑留者らは家族と話すことを許され、よい取り扱いをも受けたが、諜報関係者らは彼らを十分に尋問して、アル・カイダの浸透の度合いについての情報を得たい、という必死の願いを持った。武装兵士らには、もしも尋問が終わったなら抑留された軍人らは兵役を解かれて解放されると伝えられた。

 こうした出来事は、ひとつ以上のアル・カイダのセルが海軍でトラッキング(追跡)されていたことを物語る。こうした問題が公けに訴えられないなら、NATOの物資供給ラインは新たな脅威に直面するだろう、と危惧された。NATOのコンボイは、ひとたびカラチからアフガニスタンに抜けようとすれば日常的な攻撃を受けた─今や、彼らはカラチ港でも危険に晒される。同市の海軍施設をしばしば訪れる米国人らも、また危険に晒されることとなる。

 これにより、更なる弾圧作戦が実施されて、より多くの人々が逮捕された。拘束された人々は多様な民族的バックグラウンドから出ていた。ある海軍司令官は南ワジリスタンのMehsud部族出身であり、Tehrik-e-Taliban Pakistan (Pakistan Taliban) のリーダー、Hakeemullah Mehsudから直接の指示を受けていた、と思われた。他の者たちはPunjab 県と Sindh 県の首都Karachiから来ていた。

 ビン・ラディンがイスラマバードの北60キロのAbbottabadで米国のNavy Seals によって殺害された後、武装兵士たちは大きな行動を起こすための時期が熟した、と決断した。

 1週間のうちにPNSのMehranは、地図や、別の脱出口・接近のためのルートを昼間や夜間に撮影した写真を供給した─それは軍機格納庫(hanger)のあり場所や、表にいる治安勢力からの予測される反撃の詳細を示していた。

 結果として、武装勢力は重度に警戒された施設に入り込むことができ、そこで最初のグループが軍の偵察機をターゲットに破壊し、2番目のグループが最初の攻撃を仕掛け、3番目のグループは他の者たちが援護射撃をするなかで最後に逃亡した。そこで逃げ切れなかった者たちは殺害された。
http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/ME27Df06.html
Syed Saleem Shahzad is(was) Asia Times Online's Pakistan Bureau Chief and author of Inside al-Qaeda and the Taliban: Beyond Bin Laden and 9/11


http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF02Df04.html
EDITORIAL-Justice, not words

http://www.huffingtonpost.com/2011/06/01/syed-shahzad-murdered-pak_n_869555.html
Syed Shahzad, Murdered Pakistani Journalist, Buried

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF01Df03.html
Asia Times Online journalist feared dead (6/1)

http://www.atimes.com/atimes/south_asia/mf01df02.html
Asia Times Online journalist missing

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF02Df03.html
Target: Saleem By Pepe Escobar

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF02Df07.html
Tributes to Saleem

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/MF02Df08.html
Pakistan - silencing the truth-seekers
"Saleem, 40, disappeared on his way to a television interview in Islamabad on Sunday evening. On Tuesday, police said they had found his body in Mandi Bahauddin, about 150 kilometers southeast of the capital. There were indications that he had been tortured. He is survived by his wife, Anita, and two sons aged 14 and seven, and a daughter aged 12.”

http://www.washingtonpost.com/world/asia-pacific/pakistans-spy-agencies-are-suspected-of-ties-to-reporters-death/2011/05/31/AGhrMhFH_story.html
Pakistan’s spy agencies are suspected of ties to reporter’s death

 彼の近著 Inside al-Qaeda and the Taliban: Beyond Bin Laden and 9/11 http://www.plutobooks.com/display.asp?K=9780745331010


R.I.P Mr. Shahzad








*過去のSyed Saleem Shahzadの翻訳記事(当blog)
http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2009/08/baitullah-dead-or-alive-his-battle.html
ベイトゥラ・メスード死す?/Baitullah: Dead or alive, his battle rages
http://hummingwordiniraq.blogspot.com/2009/11/pakistans-military-stays-march-ahead-by.html
パキスタン軍拡大と、反大統領デモの可能性/ Pakistan's military stays a march ahead