Friday, September 25, 2015

シリアの叛乱勢力曰く、「ロシアによる軍事展開は戦争の激化と長期化を生む」


ロシア軍がシリア紛争への介入を宣言した…空爆の契機となったのは、アラウィ派拠点への叛乱勢力の侵入だったという
Syrian rebels say Russian involvement will escalate and prolong war- Rebels see tougher war with Russians in Syria, evoke Afghanistan
By Suleiman Al-Khalidi and Tom Perry (2015/9/21, Reuters)
シリアのバシャール・アル・アサド大統領の側に大きな損害をこうむらせた叛乱勢力はこういう─もしもロシアが、その同盟者らに加担して介入してきたなら…単に、戦争のさらなるエスカレーションを招くだけではなく…叛乱勢力を支援する湾岸アラブ諸国も一層の軍事支援を注入してくるかもしれない─と。
ロケットランチャーの傍らで、Daraa,にいる
アサド大統領に忠実な空軍基地への攻撃
作戦準備をしつつ、携帯無線で話す自由シリア軍兵士(7/27)

ロシアによる軍事力派遣は、叛乱勢力の間でも紛争を再評価しようという動きを喚起している。叛乱勢力が、この何か月かにわたって西部シリアに侵攻したことが、ロシアの決断の触媒となった可能性がある。米国の政府担当者はロシア軍はすでに到着しつつあるという。
Reutersがインタビューを行ったある叛乱軍の兵士は…すでに、こうした地域でシリア政府勢力からの強い抵抗に遭遇したと語った─とりわけアサド一族のアラウィ派が中央拠点とする地中海沿岸地域で。そして、ロシアの参戦を契機に一層、激しい闘いも予想されるという。
ロシアによる武力の展開とは、サウジなどによる武力支援の拡大の契機になると予測する人々もいる。そのことは、ロシアの関与が導くかもしれない危険性のひとつを示唆する─すなわち、サウジやイランといった地域勢力の間で複雑に錯綜しつつある戦局が、外国の介入によりさらにスパイラル的に拡大していく、という危険性だ。

より一層の武力支援を喚起したいと望む叛乱勢力は、アフガニスタンでのソ連軍敗退の記憶を彼らの闘争のモデルに想い起しながら、ロシアを新たな占領者として描写している。しかし彼らは…このことは、すでに5年目に突入したこの戦争がさらに長引く可能性も示唆しているという。
「我々の計算によれば…この闘いはロシアが参加しなかった場合よりも、はるかに長く引き延ばされる可能性がある」と…ロシア軍が空軍基地(飛行場)で軍備を展開しはじめたラタキア地方において、叛乱軍兵士として戦うアブ・ヨウセフ・アル・ムハジェルAbu Yousef al mouhajerいう。
「ロシアによる関与とは、シリア政府を救うためのものだ」と、アサドが支配する西部地域に侵攻中の同盟軍の一翼をなすグループ、Ahrar al-Shamの兵士がいう。この記事のためインタビューした他の叛乱軍兵士たちとも同様に、彼とはインターネット上で会話した。
米国政府担当者はロシアがその空軍拠点に大規模な軍を派遣しつつある、という─そこには戦闘機や攻撃用ヘリコプター、重火器や海軍の歩兵師団500人も展開していると。ロシアはその究極の目標を明らかにしていないが、ダマスカス政府への支援とは、テロリストとの闘いが目的だとし─西部地域における叛乱勢力もまた、アサドにとっての最も切迫したリスクをもたらしている彼らの作戦区域が第一のターゲットになるものと認識している。
 
ロシアは、地中海岸のラタキアに近いシリアの都市、タルトスTartous に唯一の海軍基地を持つ。増大するイスラム国の脅威とは今や、アサドにとって第一の脅威ではなくなっているが…それでも、彼らも(ロシア軍の)攻撃目標となると予想される。
海岸地帯で戦闘を続けている(アルカイダのシリア支部である)ヌスラ戦線Nusra Frontなどの叛乱勢力は、その兵力の3割が外国出身のジハード戦士だが…彼らは、アラウィ派率いるアサド政府との闘いというものに鼓舞されて参加している。彼らの中にはロシア人やアジア人、チェチェン人もいると、今年の初めヌスラ戦線のリーダーは語った。
モスクワのロシア政府は、ダマスカスのシリア政府に対する軍事支援とは、テロと闘うためのものであり…シリアの国家体制を守り、「全面的なカタストロフ(災厄)」を避けるためだ、と称する。同政府は、より大量のニュータイプの武器を、人手の足りないシリア軍に送っている。そうした支援とは、アサドがすでに数年前から獲得している同盟相手のイランや、レバノンのヒズボラといった外国の支援に、さらに加えた支援となる。
 イランは、シリア政府を支援すべくイラク人やアフガン人の民兵勢力も動員している。

"MORE FEROCIOUS"

より一層、獰猛に─
政府側よりも一層の武器や、組織力に優れている叛乱勢力は…トルコやカタール、サウジなどによる支援を得ながら…アサドに対して、今年は北西部でも南西部でも、未曾有の挑戦を展開してきた。そうした国々はことごとく、アサドの権力の座からの放逐を願っている。
そして、最近の成果として、叛乱勢力は海岸線を望むアラウィの山地のすぐ東側に広がるガーブ(Ghab)平原へと侵入した。
ロシアの軍事展開が報じられる前でさえも、その地域では叛乱勢力が政府軍兵力のより強硬な抵抗に遭遇したと報じられた。「我々は、今やこれまでになく獰猛かつプロフェッショナリズムに優れた新タイプの兵士たちと戦闘を交えている」と、al-Mouhajerは言う。
「戦闘は変わった…我々は今や、彼らアラウィ派の本拠地に居る。」
そしてまた、別の叛乱軍兵士は言う、「我々が海岸線に近づけばづくにつれ、相手は戦闘のなかで、より獰猛になる。」
幾人かの叛乱勢力の兵士は、ロシアによる支援拡大の兆候はまだないと証言するが…空爆の精度が増しつつあり、新たなタイプの装甲車両も目につく、という者もいる。
シリア軍の情報筋がロイターに語ったところでは、先週には彼らの軍がロシアから供給された新たなタイプの武器の使用を始めたという。
「我々はロシアが海岸線の防衛をはじめており…そしてまた彼らは、我々が現在戦っていJoreen近郊での戦闘を先導しているとの情報も得ている。」と─戦時名Abu Anas al-Lathkaniと称するヌスラ戦線の司令官は語った。


"ANOTHER AFGHANISTAN" 
「新たなるアフガニスタン」
ソ連時代からモスクワの政府の同盟者だったダマスカスのシリア政府は、ロシア軍の勢力に対してその必要が生じれば共闘を要請する、としているが、現今の時点でのロシアの地上兵力の存在は否定する。しかし、政治・軍事状況に詳しいレバノンの情報筋によればロシア軍はすでに軍事行動に加わっているという。そして、それに対する叛乱勢力側の反応もみられる。
大規模な叛乱勢力のひとつであるジャイシュ・アル・イスラムJaish al-Islamは、インターネット上に、ロシア軍の使用するラタキアの飛行場に対するミサイル攻撃の様子の動画を投稿した。Jaish al-Islamにはサウジが後ろ盾に居ると広く信じられているが、ダマスカスの近郊にも新たな攻撃を仕掛けている。他の叛乱勢力はイドリブ県やアレッポでの新たな攻撃をエスカレートさせている。
別の叛乱勢力の兵士は、ロシア人たちが「棺に入って帰国することになる兵士の一群を送る…新たなるアフガン戦争を経験する」危険を冒している、と語る。1980年代にソ連に対抗したアフガンの叛乱勢力・ムジャヒディーンの成功には、米国とサウジの支援が不可欠だった。
だが、一部の叛乱勢力への限定的な軍事支援のみを行う米国は、武器が過激勢力の手に渡るリスクを恐れるなどの理由から、大規模な軍事支援を避けている。彼らは特に、対空砲ミサイルの供給のリクエストを拒否し続けている。米国の抱く警戒にもかかわらず、叛乱軍のなかにはサウジのような支援国が彼らへの支援を拡大せざるを得なくなる、と信じている者もいる。

「我々にもたらされている報告を超えた、シリアへのロシアのシリアスな介入というものは──戦闘のさらなる継続を意味するものとなる」と…自由シリア軍の南部シリアのグループ勢力のひとつAlwiyat Seif al-Sham のスポークスマンであるAbu Ghiath al-Shamiはいう。
「ロシアには、政治的な解決を図るという意志はない。彼らには、シリアの現体制の維持だけが望みなのだ。我々(自由シリア軍)を支持する諸国に関しては─私はそうした国々の我々への態度には変化があるだろう、と思う…支援の仕方において─あるいは政治的な方針転換を通じて」、と彼は述べる。(記者、トム・ペリー)
http://www.reuters.com/article/2015/09/21/us-mideast-crisis-syria-rebels-insight-idUSKCN0RL0E720150921
JapanTimes

Saturday, May 30, 2015

ボルチモアの州検察官、マリリン・モスビーの巻き起こす政治的旋風 Baltimore State’s Attorney Marilyn Mosby Is an Instant Political Sensation


 
(※前項:我々は知っている:何がフレディ・グレイを殺したのか?」のつづき)


フレディ・グレイ事件の州検察官、マリリン・モスビーが市の動揺を鎮める (5/2, NYtimes)
 
(冒頭略)父や祖父が警察官だったMarylin J.Mosby米国の大都市で最年少の州検察官の職に就く少し前に、黒人男性に対する国の犯罪司法制度のあり方に対しては厳しい見方を抱いていた。モスビーは、10月に母校のアラバマのタスキジー大学において行ったスピーチで、こう述べていた「マイケル・ブラウンが路上で警官に撃たれてから、78日が経過した」、「そして、エリック・ガーナーがニューヨークで警官に窒息死させられてから101日がたちNYの検死官が、それを殺人だと断定してから54日が経過したがいずれのケースも告訴には至っていない。」.

金曜日の朝モスビーは、それらとは別の独立したペースで手続きを進めることを表明した。フレディ・グレイを死に至らせた警官たちを告訴するとの驚くべき声 明は彼女を、全米のスポットライトのもとに正面きって晒して、全米各地で黒人男性に対する扱いの改善を求めている者たちのヒロインに押し上げた。しかし彼 女が余りにも早く動き過ぎるといった批判や政治的アジェンダを追い求めているといった鋭い批判の声も、多くの都市から上がっている。
35歳のモスビーの公的な肩書とはボルチモアにおけるメリーランド州検察官だ彼女には自ら、その町の問題の多いエリアで黒人として育った、という経験がある。ボストンのドーチェスター地域の学生として朝5時に起床して、裕福な白人地域へと1時間のバス通学をしていた彼女は、そこでは唯一の黒人の子供だった。 

Mos
byにスポットライトが当てられたのは、その職務に就いて4ヶ月目のことだった。11月に、彼女は警察の誤った行為を告発するとの強い訴えを発した結果、現職のGregg L. Bernsteinを破って当選したのだ。彼女の支持者の一人であるTawanda Jones〔彼女は兄弟のTyroneが警察との暴力的な争いで殺害されていた〕は、金曜日の彼女の声明を聞いて落涙した。

だが彼女に批判的な人々は、Mosbyの立ち回りは政治目的によるもので、そのやり方は拙速に過ぎ案件の進捗を損なう可能性がある、とも批判する。Grayの死から2週間もたたぬうちに、彼女が素早く容疑を宣言したことはボルチモア市を驚かせ、市の内外の法の専門家たちをも驚かせたなかには、彼女が不穏な情勢を鎮めようという願いから行動したのではないか、との疑いを抱く人々もいる。
警察による、マイケル・ブラウンの射殺事件(加害警官のDarren Wilsonは、告訴を逃れた)に言及して、「ファーガソンの事件で(司法当局が)すべての事実や細かな証拠を検討するために、いかに長くかかったのかを想い起すべきだ」と、ボルチモアの前・殺人事件検事(homicide prosecutor)のIvan Batesはいう。「告訴するのは簡単だが、有罪にすることは困難なのだ。」http://www.nytimes.com/2015/05/02/us/marilyn-mosby-prosecutor-in-freddie-gray-case-seen-as-tough-on-police-misconduct.html?_r=0

Marilyn J. Mosby金曜日にボルチモアの警官らの告訴を宣言(By Gabriella Demczuk, NYTimes
 
冒頭略)彼女に、警察への尊敬の念がないなどと考えるべきではない。Mosbyは、金曜日に彼女の母親も、そして、父親や祖父も警官だったと述べた。彼女の祖父は、マサチューセッツ州の黒人警官たちの、最初の連盟創立メンバーだったという。そうした歴史にもかかわらず、彼女はインタビューで、彼女自身が警官になることは一度も考えなかった、とも語ったのだ。 彼女は、未来の夫に出会ったTuskegeeのカレッジを修了し、2005年に学位を得たボストンのロー・スクールも卒業した後に、Mosby氏とともに彼の生まれ育った地のボルチモアに住むことを決意した。その地はボストンよりも物価が安く、彼らは、Reservoir Hillのうらぶれた地域の、ことさらに砂利に覆われた地所に家を買った。 
 
彼女は新居探しの道中を思い起してこういう「彼は築20年になる、屋根もなく、地面の真ん中から樹木の生え出た荒れ果てた空家を指さして、こう言ったのよ─”ここが、俺の住みたいところだって。」「そして、私はドラッグの青空マーケットや、路上のごみや、居並ぶ空家を眺めてこう言ったわあなたはクレージーだって」。

彼女は、2006年に州検察官のアシスタントとなる以前、ボルチモアの検察官オフィスで法務事務員として働いていた。彼女の被告人弁護をつとめるPettit氏は、彼女が頑固な、妥協しない性格だったと回想する。あるとき彼は、その行為が正当防衛だったと彼が信じている依頼人を、司法取引に応じさせようとしたという「私がみたものは、彼女が一寸たりとも譲歩などしない、という態度だったのだ」。

その後Mosby昨年、市の検察官に選出される前には保険会社Liberty Mutualの弁護士を3年にわたって務めた。彼女が民主党の予備選挙の場で、白人のBernstein氏に挑戦した際には、多くの人が彼女が敗北するだろうと予想したそして、彼女ははるかに多くの資金を投じたのだ、とPetit氏はいう。  メリーランド州のACLUの弁護士、Sonia Kumarは、家族にMs.Jonesのような警察官に殺された近親者を持つ)メンバーがいることはMosbyに票を投じるために〕投票に足を向けるか否かに。大きな影響を及ぼすものだと語る。  Kumarは、Mosbyに関して「彼女の行動とは、今日、彼女が誰なのかを示している」、ともいう。「何年ものあいだ、我々の市での、警察暴力による犠牲者たち(それは圧倒的に黒人である)は、愛する者たちのために正義を追い求めてきたものの、何も得られることがなかったこれは、歴史的な瞬間だ」。  

だが、Bates氏を含むMosbyの批判者たちは、彼女がGray事件のような複雑な案件を訴追するためには経験不足だ、とも指摘する。 警察の友愛会のボルチモア支部(Baltimore chapter of the Fraternal Order of Police)の長官である、Gene Ryanは、Mosbyが本件の利害に個人的な関わりをもっているとも非難する彼女は、Gray氏の家族の顧問弁護士だったWilliam H. Murphy Jr.の政治的支援をも受けていた、というのだ。彼は、彼女の夫の政治的な未来もまた、彼女と同様この件の行く末に左右されるだろうという。

金曜日にMosbyは、Gray氏の案件から手を引くべきだ、との勧告も拒否し彼女の夫に関して、「私は法を優先的に支持する。彼が、法律を作ってきたのだから」、と述べた。「そして、私は私の司法管轄地域における、いかなる訴追をも進める」と。

インタビューのなかで、彼女は市民と警察の間に長年、蓄積した緊張を見てきたといい、そのために困らされてきた、ともいう。ボルチモア市の戦争記念堂の前で行われた金曜の記者会見で、彼女は、ここ何週間かの出来事が彼女の心に強くのしかかっている、と明言した。
Mosbyの夫、市議会議員Nick Mosbyのインタビュー(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=OWs2jTi16iI 
Baltimore City Councilman Nick Mosby tells Sky News he understands protesters' frustration 

Baltimore States Attorney Marilyn Mosby Is an Instant Political Sensation By Ben Mathis-Liley ボルチモアの州検察官、マリリン・モスビーの巻き起こす政治的旋風(Slate.com,) 

前半略)…35歳のMosbyは、検察官オフィスの仕事に選ばれこの1月に就任したが米国の大都市の、トップ検察官のうちで最年少とされる。ボストン生まれの彼女は、ボストン・カレッジの法学部に通う以前、アラバマのタスキジー大学の学生だった時期に、夫となるボルチモア・シティカウンシル(市評議会)の議員NickMosbyに出会った(木曜日には、彼自身もスターになりつつある、とNPRのラジオ番組によって報じられた。)彼女は、2006年から11年にかけてはボルチモアの州検察官のアシスタントとして働き、その後、リバティ・ミューチュアル保険会社の、「フィールド・カウンセラー」としても働いた。

この1月の「Baltimore」誌のインタビューは…Mosbygが、法の執行官たちと、彼らの奉仕する地域コミュニティとの信頼の重要性について抱いている信念を論じたそれは、彼女が金曜日におこなった、力強く、時に雄弁でもある記者会見の場でも語られていたテーマだ。彼女は語った「ボルチモア市警組織の人々へどうか、6名の警官に対するこれらの告発というものが、警察全体へのものではないことを知って頂きたい。私は、5 代にわたる、法の執行官の家族出身だ。私の父は警官で、母も警官だった。叔父や、叔母にも数人の警官がいる。最近、亡くなった最愛の祖父は、マサチュー セッツの黒人警官組織の創立者の一人だった。私は、こうした警官たちの行動が、警察と検察官の重要な、機能する関係性にダメージを与える事があってはなら ない、ともいい得る我々が、今後も継続して、ボルチモアの犯罪を減らすべく協力しあっていくために。」  
 
そして彼女はその発言を「市の若者たち」にむけた言葉で締めくくった 「この街の若者たちへ私はあなたがたに代わって正義を追及するつもりだ。今がその時なのだ今があなたの時だ、我々は平和的で生産的な(抵抗の)集ま りを催して、来たりくる世代のために構造的でシステム的な変化をもたらすことを確実にしよう。あなたがたはその運動の前線にいる、そして若者たちとしての 我々の時とは、今この時なのだ。http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2015/05/marilyn_mosby_is_charging_six_baltimore_police_officers_with_freddie_gray.html
 

Sunday, May 10, 2015

我々は知っている・何がフレディ・グレイを殺したのか?We Know What Killed Freddie Gray And a police badge shouldn’t hide the truth.


我々は知っている:何がフレディ・グレイを殺したのか?─ そして、警察バッジは真実を匿せない

金曜日の朝、ボルチモア州検事 マリリン・モスビーMarilyn Mosbyは、フレディ・グレイFreddie Grayの検死官による調査結果を発表した。報告書は明快だった。彼を死に至らせた首の損傷とはほとんど、頸椎が切断されていたも同然だったがそれは、 手錠をはめられ、警察のワゴン車に乗せられた際に、十分な安全確保がされなかったことによるものだった。

レイは、手頸と足首とを手枷足枷で拘束されて、バンが西ボルチモアを走り回るあいだ車内にうつ伏せの状態で放置されていた。車の走行中には少なくとも2 の警官が、グレイの状態をチェックする任務にあったが、彼らは彼の呼吸ができないとの訴えに対しても、何もしなかった。彼による訴えと「急速に悪化」して いく状態にも関わらず、彼にいは何の医療処置も施されなかった。最後に、警察署に到着した瞬間に彼は、心臓発作を起こしていた。

だが、それだけではない。Mosbyによれば、逮捕そのものが違法だった。警察にはグレイを拘束する理由はなかった彼は武器すら所持しておらず、警官たち が彼のポケットにみつけたナイフはスウィッチ・ブレード(飛び出しナイフ)ではなかったため、メリーランドの州法の下でも、所持は合法だった。「グレイ氏 は何の犯罪も冒して」いなかった。
つまりは、グレイは警察によって誤って拘束されて、致死的な怪我を負わされた。もちろん6人の警官[Officer Caesar Goodson Jr.Officer William Porter Lt. Brian RiceOfficer Edward NeroOfficer Garrett MillerSgt. Alicia White]らはグレイが医療処置を受ける必要があったことを知っており、彼が死ぬか深刻な怪我を負う可能性がある、とも知っていたが、彼らは何ら行動しないことを選んで、彼の運命を決定づけた。Mosby彼の死因は殺人であると述べた。それはボルチモア警察が出したメディア向けのプレス・リリースによる主張つまり、グレイは自死した、という見解とは決定的に対立する。

かくしてMosbyのオフィスは、この件に関与した者全員の容疑を提出すると宣言したGoodsonの容疑とは、第2級醜行謀殺罪(または人命に対する酷薄なる無視)、未必の故意による過失致死罪、第2級暴行罪、車両による過失致死罪、職権乱用罪だ。Porterの容疑とは未必の故意による過失致死罪、第2級暴行罪、職権乱用であり、Riceもまた同様の容疑と誤認逮捕によって拘置した罪に問われる。Nero Millerは第2級暴行罪、職権乱用と誤認逮捕による拘置罪に問われる。Whiteは過失致死罪に加えて、暴行罪、職権乱用と誤認逮捕による拘置罪に問われる〕。彼らのすべてが休職処分を受け、逮捕状が発行されている。こうした変化とはボルチモア警察への決定的な反撃となる。

ツイッター上で巻き起こったリアクションとは全くの驚きに溢れていたが、それには大きな理由がある。警察が、犯罪容疑に直面したことは非常に稀なのだ。Washington Post紙は、近年の警察による暴力事件の統計をこう報じている2005年以降に発生した、何千件もの死を招いた狙撃事件のうちでは、わずか、54人の警官が訴追されたにすぎない」と。そしてメリーランド州では、警察権力による「正当化される殺人」が高率で発生しており、市民が死亡した場合でも、警官たちが犯罪容疑で訴追された例は2%以下なのだ。いや、グレイの死は狙撃による死ではないが彼らに対する容疑の提出とは従来のパターンへの挑戦ともなる。

警官らに対する容疑とは法に則ったものだ。人々はボルチモアのリーダー達が持つ視力というものは無視し得ない、ともいう。Mosbyとは黒人だ警察のコミッショナーのAnthony Battsも黒人で、市長のStephanie Rawlings-Blakeも黒人だ。こうして描写される代理人たちも、これまで、市に巣食う問題を解決してはこなかっただがFerguson ような都市のリーダーシップに比べれば、彼らがその選挙民たちとの間により密接な繋がりをもち、コミュニティーの動きに対してより一層の采配を揮う可能 性はある。抵抗デモや暴動や一般市民のあいだの不満(先週までに、ボルチモア市民の間でそれを耳にするのは容易だった)が渦巻いている、不穏さのただ なかで、警官らへの容疑取り下げが、危険を招くということを担当官たちは判っていた。

容疑が全うされる、との保証はない。シカゴでもRekia Boyd、という男性が銃に手をかけたと信じて人々の群れに向かって発砲して、Boydを殺害した非番の警官は、未必の故意による過失致死罪に問われたものの容疑は取り下げられたのだ。しかし、警察の暴力をめぐる問題が信頼性の問題であるなら、今回の容疑の提出とは、次の動きがどうなろうと重要だ。
ボルチモア市は、これらの警官らによる行為が誤てる行為だったのだ、と多くの言葉を連ねて述べた。Freddie Grayの生命が重要で、彼の死が起こるべきことでなかったならば、あなたのつけた警官バッジとは、あなたの負うべき責任を否定するものではない。
 http://www.slate.com/articles/news_and_politics/politics/2015/05/marilyn_mosby_is_charging_six_baltimore_police_officers_with_freddie_gray.html
 

How to Hold the Baltimore Police Accountable  
Editorial/ ボルチモア警察の信頼性を保つために (5/1, NYtimes)

今朝、ボルチモアの州検事Marilyn J. Mosby…Freddie Gray.に対する過失致死罪と職権乱用罪の容疑で警官たちを訴追するとのサプライズ・アナウンスメントを発した(中略)
Gov. Larry Hogan of Maryland
曜日に起きた暴動の只中で、メリーランド州知事のLarry Hoganは今週、州議会に提出する筈だった数件の議案への署名を遅らせることを強いられていたその議案とは、ボルチモア市のみならず、州全体におけ る警察の信頼性を改善して市民による監視を高めることを目的とした議案だった。警察の暴力によって暴動が誘発されたという状況のなかで、Hogan氏はこうした議案へと立ち戻って、それにできるかぎり早急に署名すべきである(中略)
 若い黒人青年、Freddie Grayの死が暴動を誘発してから数日間にボルチモア市が警察暴力が多くの人々の生命を奪ってきたという由々しき歴史を持っており、それが州政府と住民とのあいだの信頼も損ねてきた、という事実が広く知れ渡ってしまった。だが、警察権力に調査の手がはいらないのはこのメリーランド最大の都市に限ったことではない。メリーランド州の米国自由人権教会(The American Civil Liberties Union of Maryland)はこの3月に─2010年から2014年までの期間において、全米を対象に調査した報告書を発信した(後略)
  http://www.nytimes.com/2015/05/01/opinion/how-to-hold-the-police-accountable.html?_r=0