Thursday, August 20, 2009

パレスチナの謎の武装カルトグループ?/Jund Ansar Allah group was armed by Fatah operatives, Hamas claims


8月14日にガザで勃発した、
カルト系イスラム武装グループとハマスの戦闘… 
このグループとは何者だ
ったのか?

 この週末の流血で、ハマス民兵と治安部隊とそれに対するJund Ansar Allah(’神の従者の戦士達’)とが戦い、28名のパレスチナ人が死亡、120名以上が負傷した。グループのメンバー90名以上も逮捕拘束された。 グループのリーダーは金曜日の礼拝で突然、ガザ全域でのイスラム・カリフ公国の設立を宣言し、ハマスに対して、仮借のない口調で非難を行い、100名ほどの礼拝者たちを驚かせた。その後ハマスの民兵と警察官が周囲を包囲、彼らは自動小銃と迫撃砲によって応戦した。  
  この戦いは土曜日の朝に、リーダーのAbu Noor al-Maqdisi(Sheik Abdul Latif Moussa)と、シリア人側近(Abu Abdullah al-Muhajir)を含む数名の部下たちが逮捕されようとした際、爆弾のついたベルトで自爆したことで終了した…。 ハマス側の武装部門Izzadin Kassamのトップ・コマンダー、Muhammad al-Shamaliもこの戦闘で死亡、警官6名も死亡したという。

Jund Ansar Allahには、ファタハの工作員が武器を渡していた?(8/16、The Jerusalem Post)
 Jund Ansar Allahとは、ここ2、3年ガザに台頭してきた原理主義グループの一つだ。彼らはハマスによるガザの政府が、スーダンやその他のイスラム諸国のような厳格なシャリア法(盗っ人は両手を切断され、姦淫者は石打ちの刑などと定めるイスラム法)を実行していない、として非難した。彼らはアル・カイダを信奉すると称したが、アル・カイダとの実際の繋がりはないとみられた… 近年、ハマスが弾圧したパレスチナの原理主義グループには、他にAnsar Bet al-Maqdes, Tawheed and Jihad, Army of Islam、Jund Muhammadなどがある。 ハマスの高官はJ-Postに対し、Jund Ansar Allahはガザのファタハの元警官および治安担当者によって武器を供給されていた、と語った。西岸のファタハのリーダーたちが、ハマス政府に損害を与えるために彼らを利用していた可能性も排除できないという。

 ハマスによると、同グループは最近ハマスの名声を損なうべく、ガザ領内でカフェやヘア・サロン、Music Shopなどの幾つかの爆破を行い、また2週間ほど前にDahlan家の結婚式会場の爆破も実行した。〔*Dahlan家はファタハと関係の深いクランで、西岸のファタハのリーダーMohammed Dahlanは最近その中央委員会に選出された …同グループは、ガザ市内のインターネット・カフェのさらなる破壊を予告、海辺の人々がより質素な服装をすべきだと警告していた〕…ハマスによれば、同グループのメンバーは、殆どがモスクで勧誘されたティーンエージャーで、彼らは2002年のイスラエル軍の西岸でのOperation Defensive Shield による侵攻の後、「絶望感を爆発させて」、その行動を激化させた。

 死亡した彼らのリーダー Sheikh Abdel Latif Mousaは、ガザでも最も影響力のあったモスクの説教師の1人で、その金曜礼拝は何千人もの若者をひきつけていた。彼の人気の高さから、その信奉者たちは彼が自らを、ガザのイスラム・カリフ公国の支配者を名乗ることを願っていた。彼の主な主張とは、ハマスは余りに寛大で穏健になりすぎた、というものだ。彼は2年前に自分のRafahの私設診療所を放棄、反ハマスの運動に全生活を投じて信奉者の確保を試みた。彼らはハマスの度重なる警告にも関わらず、Rafah郊外のBrazil 地区のモスクを本拠地と定めた。
 このグループの解体と彼の死は、ハマスにとって顕著な勝利であり、何れにせよハマスのガザでの勢力が維持されることを意味する。
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1249418612530&pagename=JPost%2FJPArticle%2FPrinter

ハマスとアル・カイダ系グループとがガザで激戦(8/16、The Observer)
  …サラフィストのグループ、Jund Ansar Allahはオサマ・ビン・ラディンの思想を奉じ、彼の言葉やテロリスト訓練ビデオをそのウェブサイトに掲載、ガザは厳格なシャリア(イスラム法)で支配すべきだ、と求めていた。同グループは6月初めに、Nahal Oz の国境地域でイスラエルへの攻撃を行い、トラックと馬に乗る10名ほどの武装兵士を動員し、その何人かが自爆用ベストを身につけていた。

 …先にハマスのリーダーが発表した、反乱グループはみな「外国籍」だった、という情報と異なり、ハマスは今日の戦闘の死者にパレスチナ系シリア人がいた事を認めた(…ハマスの内務省スポークスマンは、パレスチナ系のシリア人 Khaled Banat 〔Abu-Abdullah al-Suri〕が戦闘における死者に含まれていたとする。) ハマスによれば、グループのリーダーSheikh Moussaは「精神的に不安定」だったが、Sheikh Moussaはどうにか何百名もの若者を勧誘した…彼らの幾人かはアフガニスタンやイラクのジハード戦士達のスタイルを模倣して髪や髭を長く伸ばし、同じような衣装まで身に着けていた。彼らのウェブサイトにはイスラエルへの攻撃準備の様子を撮影したビデオがあるが、多くは馬の背に跨る男たちによって運ばれ、弾薬は馬の背に積まれている─ それは彼らがグローバル・ジハードを唱え、パレスチナのナショナリズム闘争に焦点を当てたハマスには反対していたことを示す。馬の背に跨った作戦とは、イスラム帝国が世界を征服した時代を模倣したいという願いを象徴している…

 Jund Ansar Allahは、ガザから出現した最初の強硬派ジハーディストのグループではなく、またアル・カイダ系のグループがここで鎮圧されたのもこれが初めではない。昨年の、ロンドンのal-Hayat紙のインタビューによると、ファタハのMahmoud Abbas首相はハマスが、アル・カイダがガザに入ることを許している、と非難していた。不明なのは、ハマスがNahal Ozでの攻撃を仕掛けたグループの鎮圧に、なぜこんなに長く時間を要したかだ。ハマスは他のジハード組織が出現する度に、すぐに鎮圧してきた──例えばBBC のジャーナリスト Alan Johnstonを07年に誘拐したArmy of God(巨大なDogmoush 部族クランに属する組織)などだ。最近のJund Ansar Allah に対する動きは、大局的にはハマスの支配への努力の一環、少なくとも同グループによるハマスへの批判や、彼らによる武器隠匿とそのことの誇示などを排除することが狙いのようだ。

 ハマスと同グループとの紛争の根底にはより複雑な思想的、宗教的なものがある。…ハマスは、少なくとも思想的には、シャリア法の実施を人々に強要するよりも、自分たちがその模範例となることを信条にしているといい、ジハード主義者たちの、モラルは強制されるべきだとの考えとは異なる。しかし、より重要なのはおそらく政治的な外観の違いだろう。ジハード主義者のグループはグローバルなカリフ公国を暴力を通じてでも実現したいとしているが、ハマスはそれ自身の立場をパレスチナの紛争のみに限定した「レジスタンス」組織だとし、その為にイスラエルとの停戦の維持も受け入れる。ハマスはまた、アル・カイダの他の国での爆破事件も非難する──ハマスのスポークスマンSami Abu-Zuhari は、同グループは「思想的に後退」し、単独で行動していたのだと主張する。彼は「このグループは外部のいかなる組織とも関係がない」。「このグループの誰にも、法律を支配する権利はなく、そして法を尊重しないグループは治安当局によって対処される。」という。http://www.guardian.co.uk/world/2009/aug/15/hamas-battle-gaza-islamists-al-qaida
Who is Al-Maqdisi? (Asharq Al-Awsat)
http://www.aawsat.com/english/news.asp?section=1&id=17785
Profile: Jund Ansar Allah (BBC)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/8203239.stm
Video:Islamists killed after challenging Hamas - 15 Aug 09 (Al-Jazeera English)http://www.youtube.com/watch?v=rCaC7bHxj5o
 ハマスがこのグループの弾圧で示そうとしたのは、パレスチナの叛乱勢力に対する断固たる支配の姿勢、またアルカイダなどの反米過激派グループに反対する姿勢を米国や国際社会に示そうとした…(アルジャジーラ)

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