Monday, May 28, 2012

エジプト当局、3大有力候補を大統領選から排除 - 3 Leading Candidates Barred in Egypt Race


大統領選から、合計10人もの候補が排除された理由は?

エジプトの選挙管理当局が、3大有力候補を大統領選から排除 
Authorities Bar 3 Leading Candidates in Egypt Race By David Karkpatrick(4/14, NYタイムス)  

 エジプトの選管当局が土曜の夜に、予想だにせぬ決定で3人の有力候補たちを大きな一撃で吹き払い…Mubarak追放後のエジプトの未来を形作るコンテストは再び混乱に陥った。 最高選挙委員会は合計10人の立候補を却下したが、その中には二極化したこの国でにおいて最も熱烈な支持を集める3人━ムスリム同胞団の主導的戦略家Khairat el Shater、超保守派イスラム原理主義者のSalah Abu Ismail、そしてムバラク政権の前・副大統領で元諜報部チーフOmar Suleiman━も含まれた。
立候補を却下されたel Shater,
Omar Sleiman,  Salah Abu Ismail
 投票開始をわずか1ヶ月あまり先に控え、この決定は選挙への信頼に新たな疑念を引き起こした…これは大統領選の影響力がこれまでになく重要さを増すことでもある… 議会の過半数を占めるイスラム原理主義勢力が憲法の起草にあたりリベラルな少数派勢力と衝突し、また軍の勢力との間で議会の支配に関しても衝突するのだ… 
 
…同時に、ムバラクが選任した5人の上級判事たちからなるこの委員会は、ムバラク政府と最も繋がりの深い候補者を却下し、また扉の外の怒れるイスラム原理主義者の群れをも無視して独立性を証明したようにも見える。Abu Ismail氏の立候補却下は予想されたことだった━彼のパスポートと有権者登録証が彼の母親が米国市民であることを証明したが、これは現在のエジプトの法律により大統領への立候補を無効にした。また、Shater氏の立候補却下は彼の過去の犯罪歴によるものだ━その罪状とはムバラク政府による反、政府的なイスラム原理主義のリーダーに対するでっちあげだった、と広くみなされるにもかかわらず。

Mubarakの息子、Gamal (左)と Alaa
がカイロでの法廷審問へ
 選挙管理当局は、Suleiman氏の立候補却下の理由は立候補に必要な数の署名を集められなかった為とする。彼は先週末に3万名の公正証書付きの宣誓を提出したが、その大半は適切な証明を欠くかあるいは地理的な分布条件を満たさなかったと言う。 
 エジプト人たちは決定の範囲の広さに驚いた。汎アラブ的ネットワークのAlJazeeraのアンカーマンは微笑むことすら不可能な様子で、カイロの特派員からのレポートに信じられないという素振りで頭を振った。  「私の頭はグルグル回っている」、とニューヨークのセンチュリー財団のエジプト人リサーチャー、Michal W.Hannaは言った。「これは一掃されたということだ。何が起こっているのかますますわからないし、誰が支配しているのかもわからない」 
 この件の選挙委員会への異議申し立てには2日間しかなく、またこれより上級の申し立て機関もない。土曜の夜までにすでにこの決定の裏に秘められているやもしれぬアジェンダについての陰謀論も囁かれ始めている。  この選挙戦はイスラム原理主義者とムバラク政権の元官僚たちの争いに絞られてきている。この決定が立ち行くならばそれはこの2つの勢力の候補者たちに、もっとも効果的に二極化する。

Abu Ismail氏はもっとも強硬派のイスラム原理主義者だが、ムスリム同胞団の穏健派としてはShater氏が最も有力な人物だった。一方で、Suleiman氏は最もムバラク氏に近く、最も前政権の秩序に近いものの再建を試みる候補者だとみられていた。
 こうした候補者らが消えると、争いの勢力ラインは同じではあってもその激しさは和らぐようでもある。残るイスラム原理主義者候補はムスリム同胞団の政党のリーダーで同組織の支持する候補者である Mohamed el-Mursiと、同胞団の元リーダーでよりリベラルな候補者であるAbdel Moneim Aboul Fotouhである(Futouh氏は昨年、同胞団の執行委員会の政治決定に反対して追放された)。
 土曜の夜までにAbuIsmail氏の支持者たち街頭で抗議運動をするかもしれないと述べた。彼の支持者たちは、彼の母親の米国市民権の件が否認されたことに一層の怒りを表明し、米国の書類がエジプトの裁判所の決定には影響すべきでないと主張した…。

    エジプト国営のAl Ahram政治戦略研究センターのリサーチャーDiaa Rashwanは、選挙委員会がイスラム原理主義者と彼らの宿敵のSuleiman氏の両方を撃ったこの決定は公平なものにみえると述べた。「これは彼らが、どちらか一方のサイドと結託していることはない、ということを示している」とRashwan氏はいう。「これは多くのエジプト人の目から見て、妥協のように見える。」 彼は、唯一の問題はAbu Ismail氏の支持者、すなわちSalafistとして知られる超保守派から反対運動が起きそうなことだという。「Salafistたちはとても憤激している、そして彼らは彼らに対する陰謀があるように感じて、我々は彼らから暴力的なリアクションがあるかもしれないと思う」と彼は言う。

ムスリム同胞団の弁護士らは土曜日夜に、選挙委員会を説得して決定を取り下げて貰うよう試みると述べた。同胞団幹部らは、Shater氏の立候補却下について、それは彼の犯罪歴といった法的な理由ではなく、もっと政治的な理由でなされたのだろうと言う。
…Suleiman氏が立候補に必要な3万名の署名を、国中から48時間以内の期限ぎりぎりに集めたことは政界を驚かせた。多くの論者は、こうしたことは諜報機関や軍による表面下の助力なくしては不可能だったに違いないという…
  選挙委員会はさらに7人のより有力でない候補者の立候補を却下したが、そのなかには他の元諜報機関の役人と元野党の候補Ayman Nourがいる。Shater氏と同様に、Nour氏は政治的な告発を受けている。その他の人々は、必要な3万名の署名を集められずに却下された。
http://www.nytimes.com/2012/04/15/world/middleeast/ten-candidates-barred-from-egyptian-election.html?_r=1&pagewanted=all

Interactive: Egypt election countdown13人の大統領選立候補者(~アル・ジャジーラ)http://www.aljazeera.com/indepth/interactive/2012/05/201251785750522366.html

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