Thursday, December 3, 2015

トラブルに見舞われた楽園モルディヴ- Q&A: The Maldives - Trouble in paradise

(※関連記事:モルディブに非常事態宣言 …政情不安に揺れるラグジュアリー・リゾート?

IN RETROSPECT
水中閣議でCO2削減を訴えたモルディヴの前大統領、モハメド・ナシードは、
今は獄中の身に…

トラブルに見舞われた楽園:
モルディヴ、Q&A
Q&A: The Maldives - Trouble in paradise 
(2012/2/11, CNN

2008年の大統領選で、政治改革のプラットフォームを掲げて当選した元反体制派、モハメド・ナシードは(警察が抵抗して叛乱したのを受けて)火曜に辞任。元副大統領Dr. Mohamed Waheedに政権を委ねる直前、彼は「自分が大統領を続ければ、人々がより一層の苦しみを被るだろう」と述べた。しかし、翌日には更なる暴力沙汰でナシードや他のモルディヴ民主党員らが殴打され、ナシードの支持者らによれば彼が銃口を突き付けられて辞任を強いられた、という。 ナシードの辞任は、彼の行なった判事の拘束が憲法上の危機を招き、野党が週間の抵抗を図った挙句の事だ─しかし、世界の注目を集めたのは、昨年のクリスマスに野党リーダーたちからモラルの弛緩が指摘されて…突如リゾートでのスパやアルコールの提供を彼が禁じた事だった。

<モルディヴとは何か?> 
インド南端の沖合いにつらなる千二百の島々とは、人口35万人の前・英国保護領のスンニ派イスラム国家だ。しかし、そのビーチの手つかずの自然と、豊かな海洋動物がハネムーン客に特に人気で、2010年には80万人近くが訪れた─世界中からの旅行客がフォーシーズンズやバニャン・ツリー、シャングリラ等の多国籍ホテルチェーンの運営するリゾートに結集、コンデ・ナスト・トラベラー誌の2011年の読者投票では島国国家の旅行先のトップを飾り、2005年以来英国のツアー会社Kuoni でも顧客の旅行先の筆頭だ。国家経済の1/3を観光業で賄うモルディヴは、2004年の南アジアの津波では数島の島々が破壊されて幾百万ドルもの犠牲を払った。

<モハメド・ナシードとは何者なのか?>
 ナシードは2008年、この島国で初めて真に民主的に選ばれた大統領として喝采の下に着任。44歳の彼は30年間政権を握ったMaumoon Abdul Gayoomを破った。彼は前任のGayoom政権下では政府を批判する記事を書いた等の咎で繰り返し投獄され、合計6年間を刑務所で過ごした。 ナシードが2009年に国際的注目を集めたのは…海抜が最低の位置にある国家モルディヴにとっての地球温暖化の脅威に対する認識を高めるべく、スキューバ・ダイビングのギアを身につけた閣僚たちと共に彼が水中閣議を開いた事だ─この国の最高海抜地点とは海面から2メートル程しかない。

<スパはなぜ問題を引き起したのか?>
  トラブルの第一の兆候とは、クリスマス休暇に訪れた─観光省が国中のスパの営業を禁じて、世界を驚かせたことだ。この動きは、高級客向けのリゾートでの マッサージやスキン・トリートメントを客が受ける権利を巡って対立を引き起こした─多くの高級顧客は、ひと晩の宿泊に何千ドルもの金を投じるが─反対派の グループは、このモスリム国家でのイスラム的価値のより厳格な実施を求めた。 この状況は、野党グループが1223日にデモを実施して…特に首都マレその他の人口過密地域でのマッサージ・パーラー等の禁止を擁護した後に、頂点に達した。政府はその要求を無視せずに、全てのマッサージ・パーラーとスパの閉鎖を命じて更にリスクを拡大し、反対派による政府非難が激化した。 首相府は当時─この禁止令の拡大の意図は、反政府派の人物らの立場のコントラストを際立たせる為だったという声明を発し、こうも言った、「皮肉なことに、旅行者に向けた スパやアルコール、豚肉等の販売に反対している同じ野党リーダーたちとは、この国最大のリゾートオーナーたちでもある…」、そして政府は、1月初旬にその 決定を撤回した。 

<そして今週何が起きたのか?> 
1月16日に、軍はモルディヴ刑事裁判所の首席判事Abdulla Mohamedを逮捕した─彼が国の司法を支配し、腐敗への捜査を怠ったとの容疑で。火曜日のガーディアン紙では、ナシードの元アドバイザーMark Lynasが「力ある前政権の連盟者を守るべく、腐敗の容疑の訴追をたびたび拒否した上級裁判所判事の逮捕で、危機はスパークした」などと書いた。1月下旬には、この騒動に国連が乗り出し─政府がモハメド判事を釈放しないなら彼を犯罪容疑で訴追すべきだ─と述べた。そんななかで政府は、国連の人権高等コミッショナーに、この案件に関する国際的な司法パネルを設置し聴聞会を開くようリクエストした。 「この地では幾つもの抵抗デモが野党連盟者らの手で行われて…彼らはすでに19晩にわたり政府によるモハメド判事の釈放を求め続けている」、とモルディヴのジャーナリストAhmed RasheedはCNNに語った…その日、抵抗デモの暴徒が国営TV局を乗っ取ったとされ…同日遅くに、暴力の激化を怖れたナシード大統領は辞任した。 水曜日、ナシードのモルディヴ民主党は、前・大統領が警察に殴打された、と述べた。首都マレが暴力の掌中に陥るなかで議員4人が逮捕され、同党の党首は重篤な状態で病院に搬送されたと、議員のEva Abdullaは言う。

<この国への旅は安全なのか?> 
英国政府は、モルディヴの首都マレへの重要性の薄い旅行を差し控えるように警告したが、マレの国際空港やリゾートでのストライキは、特に、報じられなかった。オーストラリアと米国も、旅行者に警告を発した。新大統領のWaheedは、 市民や旅行者に対して─同国が安全で、ビジネス環境もオープンである旨を保証した。その声明で、彼は政党や大衆間の相違も国の団結の下では脇に置くべき事 柄である、と述べた。「ごく最近、この国は難しい事態に見舞われているが、モルディヴ国民は重大な決断を行った。その決断に従って、いかなるコストを払お うとも法のルールが維持されるべきだ」。
水曜日に警察はマレで催涙ガスを噴射し、デモの参加者を警棒で殴打したとAbdullaはいっている。その暴力で路上では、幾人かの抵抗者の血が流された。彼女は、「その瞬間に秩序は完全に失われたが、誰も秩序を維持する任にはなかった」、と言う。国連の最上級官僚Oscar Fernandez-Tarancoは、火曜日に、政府リーダーや各政党との対話のためにこの島を訪れた。その声明のなかで、彼は世界が「モルディヴで獲得されてきた民主的な成果を維持するよう」望むとも述べた。 http://edition.cnn.com/2012/02/08/world/asia/maldives-dispute-explainer/index.html

モルディヴ政府、水中閣議で温暖化に警鐘
 この土曜日、地球上で最も低海抜にある国家として、地球温暖化による脅威を訴えようと…モルディヴの閣僚メンバーらがスキューバ用ギアを身に付け、ハンド・シグナルで合図を送りつつ、水中閣議を行った。大統領ナシードと13人の閣僚らは軍用の島Girifushi島のラグーン沖の、水面下6>メートルの海底に置かれたテーブルで会議をした。 サンゴ礁が背景のこのミーティングでは極地の氷が溶けて100年以内にインド洋の島へと押し寄せる危険性に注意を促す、という目的で、閣僚らがCO2削減を誓う書類にサインをした─ http://www.huffingtonpost.com/2009/10/17/maldives-meeting-underwat_n_324772.html






※動画:
 地球を救おうと、モルディヴの閣僚らが水中閣議


https://www.youtube.com/watch?time_continue=16&v=g0VhOcuPWkI 
Maldives cabinet meets underwater to save the earth(News)

Democracy Now!英語版: Maldives Holds Cabinet Meeting Underwater 1 https://www.youtube.com/watch?v=QGupkz3ZCb8

Democracy Now!日本語版 追放されたモルディブ前大統領モハメド・ナシードが語る
http://democracynow.jp/video/20120409-2 


モルディヴ大統領、辞任を強いられる(2012/10)

http://edition.cnn.com/2012/02/08/world/asia/maldives-dispute-explainer/index.html


←(ナシードの取組みや水中閣議を映画化 『南の島の大統領-沈みゆくモルディブ-The Island President:気候変動問題に取り組む大統領ナシードを描いた、2011年のドキュメンタリー映画、製作はアメリカのドキュメンタリー映画会社アクチュアル・フィルムズ。ジョン・シェンク監督、音楽はRadio Heads…)

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