Trump: Crazy Like a Fox, or Just Crazy? By Thomas L. Friedman
トランプ: それはFoxネットワークと同じくクレージーなのか?それとも彼は、タダのクレージーなのか? Byトーマス・フリードマン(2017.5/3, NYtimes)
大統領就任以降の100日間は、ドナルド・トランプの頭をおかしくしたのだろうか?
私はこの問いを、医者として聞いているのではない。私は医学的な診断をしているわけではない。私はこの問いを、新聞の読者として尋ねている。我々はトランプの100日間のあらゆるインタビューを読んだわけだが…それらは、まさに異様だった。
トランプは我々に、だし抜けにこういった─彼にとって、北朝鮮のリーダーと直接交渉できることは「光栄だ」、と…何週間にもわたって相手に戦争の脅しをかけていた、その後に。彼は、だし抜けにこういった、インフラ予算のためにガソリン税の設置を考える、と。彼はだし抜けにこういった、米国の最大手の銀行各社の解体を考慮中だ、と。彼はまたこうも主張する─オバマ・ケアの代替法案には、人々が従来からもっていた医療保険への保護策も含まれると…そんなものはありもしないのに。
世界中の独裁者らのあいだで、彼の称賛を受けない者はほとんどいない。そして彼は、よく知られた虚言を繰り返す─バラク・オバマが彼を盗聴した、という話を─そして、報道記者たちに向かって、彼らが真実を見出すべきだと語る…彼自身が大統領として、電話一本でFBIから真実を聴取できるはずなときに…そして、そのような事実の訴えを主張し続けるのかと問われた時には、「私はどんなものに対しても支持しない」などと答える。
これは、政治的なストラテジーなのか、それとも、精神病の症状が明らかになりつつあるのか?私にはわからない─しかし、そのことは私に、この次の100日間には絶対にどんな出来事も起こり得るだろう、と告げる─良い事も、悪い事も。トランプにとっては明らかに…ギアの入れ替えをしながら、いかなる事に関する、いかなる相手とのいかなる交渉でも、可能となるだろう。
トランプとは常に、予測不可能な、現在進行中の仕事のようなものだ…なぜなら、オフィスに出勤する前に、彼は何のホームワークもやってこないからだ…それが今や自分は予測していたよりもはるかに多くの問題を見つけている、などと、彼が我々に語る理由なのだ─そして、それは、彼が彼の閣僚たちのメンバーのほとんどを知らなかったからでもある。彼らとは、一種の急ごしらえのバスケットの選抜チームのようなものだ…トランプの核にある無知さ加減や、不安定さ、不作法ぶりを大目にみよう、という意志で結ばれている以外には、何のビジョンも共有していないような。そして、彼らは自分の主要責務には、トランプによる行為を最大限に牽制しながらも、同時に彼にリードされながら仕えたい…などと考えている。
彼の最初の100日間には、その同盟者と敵対者たちとが共に、トランプとこの国を、彼のもっとも過激で誤った選挙公約の実践から救出した。彼の外交政策チームは、彼にイランとの核交渉の破棄をとどまらせ、またテル・アビブの米国大使館のエルサレム移転も思い止まらせた。
北朝鮮の大のミサイル好きの独裁者は、彼が中国に対して…同国が為替操作者だと宣言して貿易戦争を始めることを止めさせた─なぜなら、トランプは北朝鮮にたいする牽制と戦争回避のためには、彼にとって中国が必要だ、ということを発見したからだ。
ボーイング社とGE社は、トランプに輸出入銀行の排除を止めさせた…それは、米国の輸出業者を大いに不利にしてしまう、という可能性があった。連邦裁判所は、彼のイスラム教徒への入国禁止令の実施を止めさせた。国境沿いの州の共和党員らは、メキシコ国境における彼の壁の建設をブロックし、その他の共和党員たちは、彼の強権的なオバマ・ケア撤廃と、その代替策の施行をブロックした。NAFTAの締結以来メキシコへの輸出高が飛躍的に拡大している米国の農業者たちは、彼がその貿易交渉から手を引かないよう説得した。
次の100日間には、誰が我々を守るのだろうか?私自身の事をいえば、民主党のことは頼りにしていない。彼らは、弱すぎる。私がもっとも懸念する事柄については、実際のところ、私はカリフォルニア州を頼りにしている。私は、カリフォルニアの市場規模や、野心的な目標と立法能力が、米国で今日、カリフォルニアをトランプに対する最も強力な反対勢力(野党勢力)にしている、と信じている。
…どのように?トランプは、2025年までに乗用車の燃費を平均でガロンあたり51マイルとする、と定めた、オバマ時代の基準を破棄したがっている─現状ではそれは、ガロンあたり37マイルなのだが。しかし、最近LAタイムスが伝えたように、Clean Air条例の元では、カリフォルニアは「二酸化炭素排出基準を、連邦政府の求める基準値よりも厳しくでき、他の多くの州もまたカリフォルニアのルールを適用することになる」、という。
米国に販売される車の3分の1以上が、カリフォルニアが定めた排ガス基準の対象となるのだ。トランプは米国の自動車製造業界への規制を緩和して、一層、彼が求める燃費の悪い車を製造させることができる…しかし、彼らがカリフォルニアで車を販売したいという限り…それは出来ないのだ。トランプは、それを訴えることもできるが、それには何年も要する。
それは、カリフォルニアの企業も同じだ─アップル社は今やその操業の96%を海外で、再生可能エネルギーによって行っている─そのうち、米国と中国を含む24か国では、その100%がそうなのだ。トランプの石炭回帰キャンペーン(「make-America-cough-again(アメリカに再び、咳をさせよ)」は、アップル社を石炭エネルギー利用に戻すことはあり得ない。
そしてまた、Energy Innovationの設立者、Hal Harveyはこう言う、「カリフォルニアは、再利用可能エネルギー利用によるポートフォリオを要求している─2030年までに、電力の50%を、風力・太陽エネルギーとその他の再生可能エネルギーに代替することを。その他の15%とはすでに、既存の原子力・水力発電から得られているが、我々の電力エネルギーのグリッドというものは、13年以内に65%を脱炭素化(二酸化炭素排出ゼロ)できることになる。
カリフォルニア州議会の院内総務、Kevin de Leonは私にこう語った、「カリフォルニアには、米国・カナダの石炭業界を合わせた雇用よりもはるかに多くのクリーンエネルギー関連の雇用がある。そして、現状におけるカリフォルニアの全米トップの雇用の伸びは、トランプの言葉がすべて虚偽であることを証明している。あなたは、クリーンエネルギーの環境基準と技術革新、雇用形成と、GDPの伸びを徐々にアップさせることができるのだ─それらを、すべて同時に。
カリフォルニアはまた、厳しい国境管理などの網の目のごときイニシアチブを掲げた、トランプの強権的な移民政策へのレジスタンスにおいてもリードしている…この国で責任を全うしつつ、生産的に暮らしている不法移民のための医療保険制度や、教育、職業機会なども提供しながら。
「我々は、それをはっきりと宣言した─我々は、トランプの手から我々の経済的繁栄を守り、我々の価値観を守る」…とLeonはいう。彼の立法議会は最近、トランプによる訴訟から彼ら自身を守るべく、前司法長官のEric Holderを雇ったのだ。Holderは、カリフォルニアの、(そして私の)国防長官なのだ。
https://www.nytimes.com/2017/05/03/opinion/trump-crazy-like-a-fox-or-just-crazy.html
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