Saturday, December 5, 2015

モルディブに非常事態宣言 …ラグジュアリー・リゾートが政情不安に揺れる?- Maldives Declares State of Emergency

★前記事:トラブルに見舞われた楽園モルディヴ:Q&A/ の続き

 2015年10月、副大統領・アディーブが逮捕されたモルディブで非常事態が宣言されたが、その背景とは?

〔モルディヴを揺るがす政情不安〕
・2008  民主的大統領選挙で、モハメド・ナシード(ジャーナリスト、人権活動家、環境活動家)が当選 30年間のアブドゥル・ガユーム大統領の独裁政権が終焉 
・20122月 ナシード大統領が辞任、モハメド・ワヒード副大統領が昇格、11月迄大統領
 ・201211月 アブドゥラ・ヤミーン現大統領(ガユーム元・大統領の異母兄弟)が決選投票で政権を奪還 
・20152月 首都マレでIS系の黒旗集団がデモ 
・20153月 前大統領ナシード逮捕、自宅軟禁へ 
・201551日 マレで反政府デモ デモの「扇動者」と看做されたシーク・イムラン逮捕
・20158月 ナシード前大統領が投獄される;覆面の3人組が大統領・副大統領の殺害予告ビデオを投稿 
・2015911日 アマル・クルーニーがナシード元大統領の弁護団に加わる 
・20151028日 高速船上で爆発、ヤミーン大統領暗殺未遂が報じられる 
・2015115日 ヤミーン大統領暗殺謀議罪で、アディーブ副大統領が弾劾決議を受け逮捕(非常事態令を発令→国際社会の非難を受けて、11/10に解除) 


銃を持った3人の男大統領殺害脅迫ビデオで予告 (2015/8/15, Maldives Independent)

バラクラーバ(覆面帽)を被り、銃をかざす3人の男たちが大統領Abdulla Yameen、および副大統領 Ahmed Adeebの殺害と、モルディヴの観光業へのテロ攻撃を予告するビデオをYoutubeに投稿した。投稿者名はスレイヴリー・スレイヴSlavery Slave画面の隅にはISのロゴがあった。男たちは、「もしも政府がスイス滞在中(自主亡命中)のイブラヒム・サンダアヌ・ムーサ・ルスIbrahim ‘Sandhaanu’ Moosa Luthfyに対するハラスメント行為を停止せず、また、Adhaalath 党の党首シーク・イムラン・アブドゥラSheikh Imran Abdullaを釈放し新たな反テロリスト法を30日以内に撤回しない限り、 大統領の命と観光業を脅かすテロを起こす」ディベヒDhivehi語(モルディヴ語)で予告し

中東地域では100人程度のモルディヴ人が武力闘争に加わっているものとみられるが、予告ビデオのISとの関連の真偽は不明。このビデオと同様の脅迫は、昨年1230日にジャマイカ人歌手のショーン・ポール(Sean Paul)にも発され彼はコンサートをキャンセルした

シーク・イムラン51日の反政府デモでの暴力行為を煽ったとの咎で逮捕され、100日以上警察に拘留された。6、彼を裁くテロリスト裁判の担当判事が最高裁判事に昇進させられ以降裁判滞ってしまった3人の覆面男らはまた政府がスイスからサンダーヌ・ルスモルディヴに連れ戻そうとする行為を直ちに止めよ─とビデオで求めていた。
ルス
2月に、ヤミーン大統領の人権大使として議会からジュネーヴに派遣された折にそのミッションを辞任それ以後、ソーシャルメディア上で政府批判を行っていた。彼は反政府の新聞を発行したとして、Gayoomの政権から終身刑を宣告されたが、Gayoomの後任の前・大統領Nasheedによる恩赦を享受したNasheed 自身20129月にスイスへの自主亡命からの帰国後、当時大統領だったDr.Mohamed Waheed Hassanのアドバイザーに指名された。政府は、7月末に議会に新テロリスト法案を提出したが、10月に(議会が再開すれば)同法案成立する見込み。(新テロリスト法とは、外国の内戦の戦闘行為に参加することを違法化して20年の懲役刑を課して、モルディヴ人が中東等でのジハードに加わる行為阻止を意図している
http://maldivesindependent.com/society/gun-wielding-men-threaten-to-kill-president-in-youtube-video-116916 



モルディヴの前・大統領ナシード2カ月の自宅軟禁の後再び収監さる (2015/8/24 BBC 
Mohamed Nasheed (former president)
 


今年3月にモハメド・ナシードMohamed Nashheedは反テロ法違反を問われ、懲役13年の刑収監された。彼の弁護士その訴追は政治的なものであり、政府は減刑の約束を反故にした…と主張している─ しかし政府はこれを否定して、彼が先日まで自宅軟禁にあったのは医療上の理由からだった、と主張する。彼の弁護士は、政府が719日に13年の懲役を自宅軟禁に減刑した事証拠書類があるいう、大統領のスポークスマンはその書類偽造だ言っているナシードの弁護人の一人であるAmal Clooneyは、政府が完全に「法のルールを無視した」と述べる 

元・人権活動家のナシードは、2008年に民主的に選ばれた最初の大統領とな、有力者マウムーン・アブドゥル・ガユームMaumoon Abdul Gayoomが敷いた30年間の独裁を終わらせた。しかし、2012年にナシードは、裁判官の逮捕を命じたという理由で拘留された。1ヶ月後に彼は軍の兵士暴動や民衆の抗議運動の起こるなかで大統領を辞任した。ナシードはクーデターで政権を追われたとも主張したが、彼の後任となった副大統領はれを否定した。現・大統領のアブドゥラ・ヤミーンAbdulla Yameen、30年にわたって独裁政権を維持したマウムーン・アブドゥル・ガユームMaumoon Abdul Gayoomの異母兄弟で、論議を醸した2013年の選挙によって選任された
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-34043340 


4人のモルディヴ人が"家族でジハード参加(2015/8/30, Maldives Independent)


先週夫婦ともに28歳のカップル6歳と3歳の子を連れ、Fokaidhoo 島からスリランカ、トルコを経由しジハードに加わるべくシリアに向かったという。中東では100人以上のモルディヴ人がヌスラ戦線やISなどの戦闘に参加している。そうした渡航者のなかには、家族全員で行く者や、移民担当官、マレのギャング犯罪組織のメンバー、病院職員もおり、現地から家族とSNSで連絡を取る者もある。これまでに少なくとも、7人が戦闘によって殺害され、政府は、ジハードに加わるために国を出た者には懲役20年を課す、という反テロ法の議案を提出した。批評家たちは、厳罰だけでは不十分であり、過激化を予防するプログラムが必要だと訴える。
'Mohamed Nasheed was the first 
democratically elected leader'



野党第一党のモルディヴ民主党(MDP)は、ヤミーン大統領の過激派対策は手緩いとも批判する。昨年5ジハードによる初のモルディヴ人死者が報じられた際、与党PPMはそれが民主党の流した虚報であると主張したが、昨年9月にはモルディヴにおけるイスラム法施行を求めて、マレで200人がISの黒旗を掲げてデモをた。12月には、内務大臣が海外で戦うモルディヴ人は7人だと認めた─さらに翌1月には、警察のコミッショナーのフセイン・ワヒードHussein Waheedがその数を50人に修正した。


モルディヴのイスラム省は、昨年7若者の戦争のための海外渡航を牽制し、宗教大臣や宗教機関もまた、イスラム教徒の流血は許されないという宗教令を発した。米国務省は一昨年、モルディヴでのイスラム教徒の喜捨がテロ資金に流れたと報じていたが、モルディヴ財務当局はこれを否定したhttp://maldivesindependent.com/politics/family-of-four-leaves-maldives-on-jihad-116870



アマル・クルーニー、前・モルディヴ大統領のモハメド・ナシードの解放を要求する国際弁護団の代表となる (2015/9/10, 2015, The Guardian

ウィキリークスのジュリアン・アサンジ等を顧客にもつ人権弁護士で(同じく国際人権活動家でもある)ハリウッド俳優ジョージ・クルーニーと先頃結婚したアマル・クルーニー、ナシード前大統領の弁護団代表に就任

モルディヴ政府はこれに対抗したのか、シェリー・ブレア〔*ジョン・ブレア元首相の夫人、夫よりも切れ者といわれる弁護士〕の法律事務所PR会社Omnia Strategyを高額で雇い入れた(9/102015,The Guardian)
 
アマル・クルーニーは、ナシードの解放を訴えるべくモルディヴを訪問して、水曜日には司法長官Mohamed Anilと会談。弁護団のメンバーJared Genserはマアフシ島を訪れ刑務所のナシードとも面会した。Genserは、「彼は元気だが、収監に対して憤っている」とモルディヴ・インディペンデント紙に語った。「ナシードは大衆に人気が高く、大統領選に再び立候補することを考えているが、政府は彼の動きを阻止したがっている 

元・ジャーナリスある政治犯ナシードの流転のサーガや、国民の大半がイスラム教徒のこの国へのハイ・プロファイルな注目度の高い国際的弁護団の来訪と最新の予期せぬ展開でもある。デヴィッド・キャメロンとも親しいというナシードは、大統領に就任以降、モルディヴが直面している気候変動や海面上昇による脅威を強調すると同時に司法制度の民主化も求めてきた。

しかし、彼は幾度も問題に衝突して、政治的な反対者や宗教勢力とも対立していた。彼の支持者らは─こうしたグループとは、彼が選挙破った前・独裁者のMaumoon Abdul Gayoomに関与者たちだ、みている。2012年2月ナシードは大統領辞任を決断をしたが彼と彼の支持者たちはそれが同国の警察勢力によるクーデターだったと訴える。2013年10月には、ようやく再選挙が行われたが、その際は彼の職位が廃止されたのみであり、翌1月の決選投票によって結局、前・大統領の異母兄弟のAbdullaYameenが大統領に当選した。

Amal Clooney in Male

ナシードは大統領在位中の2012年 に上級判事らの逮捕を命じたが、これが軍による誘拐に近いものだったため反テロ法に抵触するとされて彼逮捕された。この事件への終夜の抗議j運動と国際的な非難巻き起こり…政府はナシードの党モルディヴ民主党との交渉開始したが、裁判所が控訴それまでの自宅軟禁は健康上の理由だったとして彼を再度、収監した。現在両者は法廷で争っている。

ナシードの党の党員Hamid Abdul Ghafoorは、政府がこの国を「deep state〔=影の政府〕」支配する過去に戻しつつある、と非難、「デモクラシーとはモルディヴでは新しいもので、適正な形で実現したことは未だにない」と訴えた。 http://www.theguardian.com/world/2015/oct/28/maldives-boosts-tourist-resort-security-amid-search-for-explosives 
 
アマル・クルーニー、身の危険を冒してモルディブを訪問!
http://top.tsite.jp/entertainment/celebrity/i/25392005/

アマル・クルーニー、前・大統領モハメド・ナシードを解放するための新たな戦いをモルディヴからスリ・ランカへと移す2015/9/11, the Daily Mail

国際人権弁護士のアマルは、最新の法的闘争の地モルディヴに4日間,滞在した後、金曜日には訴追をスリランカの首都コロンボに持ち込みメディアのジャーナリストらと対話した。
危険かつ困難な案件であるにも関わらず意気軒昂な彼女は微笑みを振りまきつつ、ピンクのジャケットにスカート姿で事件への注目喚起に努めた。Lebanon系英国人の彼女はナシード弁護団の前任リーダーMahfooz Saeedが先週の末に正体不明の人間に頭を刺され負傷した後この任務を引き継いだ。彼女は前大統領を代弁するという非常に危険な立場にっている─それ故に司法長官のAttorney General Mohamed Anilは、この裁判の判決は迅速に下されると言明した。検察側は訴追に対する異議申し立てを準備する事となる。  

先週、米国はモルディヴ政府に対して、再び収監された前・大統領の解放を要求。モルディヴ政府は国際的な非難に直面して、論議を
醸したこの決定から彼ら自身が距離を置くための努力を始めている当局は、彼の訴追への異議申し立てめの為には特殊な手段を講じるとも述べた。アマルと彼女の同僚弁護士であるジャリド・ゲンセル(Jared Genser)はスリランカを訪れた後に、モルディヴ政府が秘密裏に盗聴器を仕掛けて、彼らと刑務所内の依頼人との秘密の会話を盗聴していた、として同政府を訴えた
http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-3231128/Amal-Clooney-moves-fight-former-president-Mohamed-Nasheed-s-freedom-Maldives-Sri-Lanka-meets-local-press.html 
 
 
世界がナシード大統領の解放を要求するなかで モルディヴは抑圧へと後退する (10/14, HuffPost WorldPost) <*弁護士アマル・クルーニーの寄稿>

ナシードの恣意的な収監とは、孤立したケースではない。いまや、すべてのモルディヴの野党リーダーらが収監されたり、政府による訴追・脅迫を受けて、1700人の人々が政治運動を理由に訴追され、ジャーナリストらは襲われたり、逮捕されたり、行方不明になっている。 

 国連による見解の発表以来の政府の行動とは、この国の野蛮な凋落を示している。その戦略は矛盾しており、どんな反体制分子も、雇われたロビイスト党や、高額な雇われ者の手によって窒息させられる様な抑圧的手段が加速している。98日には政府は月額5万ドルの契約でワシントンのロビー会社Podestaを雇った。当初、政府はその契約を否定していたが、その後それは公的記録からも露呈し、認めざるを得なくなった。 政府は、法律事務所兼・PR会社のOmniaStrategy

にも非公表の報酬で仕事をさせている。

Omniaは、政府に法的な枠組の強化
について助言している政府による(国家の)「民主的な強化(democratic consolidation)」の一環という名目で、また、「現在進行中のナシード前・大統領の案件」の取り扱いも依頼している。しかしOmniaが顧問として助言を開始してからの4カ月には、抑圧のスパイラル更に強化されただけだ。国連見解の発表に続いて生じた政府に対する大衆の抵抗運動の最中で、政府は「WGAD(国連委員会)による決定は受け入れられない」と声明。そして与党の著名議員が、ジュネーブを本拠とする専門委員会を、国連システムの「門番(janitorial staff)」とも呼んだ。英国連邦からの批判に対して政府は33年間維持された英国連邦のメンバーシップを返上するといって脅迫した。

政府の孤立政策とは、恐るべき法的な衰退を伴っている。国連の決断についての記者会見の翌日には、政府が新たな刑法上の罪を規定モルディヴの検事が政府内の人権侵害者に対する制裁措置sanction 求めるような者は、誰でも収監しうるという新法を策定する、とも発表した。この新法とは、「モルディヴに対する観光業ボイコットと制裁措置への要求を禁ずる法律」と呼ばれるこれは「国内外における制裁措置実行の奨励や、それへの参加や呼びかけ」から構成される様ないかなるスピーチ(言論)をも対象とし、あるいは「旅行者たちやモルディヴを訪れるすべての人々の間に恐怖を巻き起こしたり、そうした情報を広めるような」いかなる言論をも対象とする。その罰則とは10年以内の懲役か、あるいは325千ドル以下の罰金である。議会での、この法案審議の場において、与党議員Riyaz Rasheedは、この法案が国内外の反体制派を黙らせる為のものだと述べ、またもう一人の与党議員Ahmed Amirはソーシャル・メディアの利用は禁ずべきであり、憲法による言論の自由は、「停止されるべき」だと述べた、


 Rasheedは、野党の全議員に対して、「ここにいるすべての野党議員は逮捕されるべきだ」とも述べた。彼は、さらに議会議員らに対して、モルディヴを訪れた外国人が、制裁や観光業ボイコットの呼びかけを行うことを禁じるよう求めた。これに続いて政府の議会グループのリーダーAhmed Nihanが、ナシードの国際的なカウンセラーのアマル・クルーニーとジャリード・ガンセルを、「国家の敵」とみなすよう求めたなぜなら彼ら二人が旅行の自由剥奪と資産凍結という制裁措置を、モルディヴにおいて深刻な人権侵害を行った者に科すべき論じたので。その法案は与党議員から広い支持を集め、いまや委員会審議を通過するところだ。


この法外な法案とは、専制独裁(autocratic)体制における基準からみても、極めて厳しいものだそれは国際条約としての市民の権利や政治的権利条項である、第19条(人権条項)の扱う国際法のレベルの問題なのだそれは、政府が表現の自由を保証すべきものと定めているが。この提案では、内務省が新たな規則を公布した2週間後に、省がすべてのNGOに対し、彼らの行うプロジェクトに政府の許可が必要となるとして、「調和を乱すような、あるいは国家の安全を脅かすような」、いかなる行動に関与した場合にもその業務を停止させ得るとする。


去る719日、司法長官その法案を提出したが、法案では「国家の利益に反するような、いかなる表現」も有罪と規定する。そんななかで最高裁は、弁護士連盟をも解散させて、国連に対して政府の実績(パフォーマンス)を報告した人権組織に対しては叛逆罪を適用するとし、すべての独立した組織の政府への報告義務を規定している そんなななかでヤミーン大統領は播基文〔国連事務総長〕ほかの国連担当者、世界各地の独立した状況観察者からのナシード氏解放への要求の声と、大統領のもつそれへの法的権限にもかかわらずナシード氏の恩赦の受け容れを断固、拒否した。政府は世界に対しモルディヴが生まれたばかりのデモクラシー(民主主義国家)で、旅行客の楽園であると信じさせたがっている。しかし、高額なPR戦略に もかかわらず、世界は騙されてはいない。同政府は、人権と正義を擁する代わりに、抑圧と孤立に陥りつつある。すべてのモルディヴ人にとっての利益とは、こうした風潮が覆されることだ。

 http://www.huffingtonpost.com/Amal-Clooney/maldives-president-nasheed-release_b_8297848.html



モルディヴ大統領、高速船上で爆破を逃れる 10/28 the Guardian.AFP) 
 
モルディヴのヤミーン・アブドゥル・ガユームYameen Abdul Gayo大統領は、同国の首都マレに向かう途中のスピードボート上で起きた爆発を免れた、妻のFathimath Ibrahimと、ボディガードが負傷した。大統領は、サウジ・アラビアへの豪奢な巡礼旅行から帰国したところだった。56歳の大統領と、複数の側近たちが病院に運ばれた。比較的大きなそのボートは軍に関与するものだが、爆発の原因は不明という。 

近年モルディヴの政情は不安定で、同国はイスラム武装勢力の伸長の問題も抱える。1ケ月前には、正体不明のグループが大統領の殺害予告を発して脅迫し、ネット上でこの国の金の儲かる観光産業に反対するビデオを投稿していた。犯行グループの正体は不明だが、彼らはISと何らかの関わりがあるともみられる。彼らのビデオ声明では、幾つかの要求と共に、反テロリスト法の撤廃を求めていた。8月に投稿されたこのビデオは、1ヶ月後の攻撃を予告していた。
モルディヴでは、保守的なイスラム諸国では禁じられている飲酒も容認しており、休日を過ごしに来訪する多くの旅行者たちは飲酒が容認された環礁リゾートの島々に直行する。首都の空港は別の島にある為に、人々はボートでショート・クルーズをせねばならない。 
Ahmed Adeeb (ex-vice President)

記者たちはサウジから空路で帰国したヤミーン大統領を出迎えるべく、首都の島のジェットボートに乗っていたが、そのうち3人が軽傷、ボディガードが最も重症を負ったが命に別条はないという。スピードボートには、閣僚が数名と大統領室のスタッフ、幾人かの国会議員と大統領の家族がいた。 


ヤミーンは2013年に物議を醸した選挙によって当選して以降、過去の人権弾圧の前歴を問われていた。野党の党首で環境問題(気候変動)活動家のナシードは今年の春、支持者らが「でっちあげ」と呼ぶ容疑によって収監されている。  
 http://www.theguardian.com/world/2015/oct/28/maldives-boosts-tourist-resort-security-amid-search-for-explosives  
  
Video captures explosion on Maldives' President's boat 00:51(CNN)
http://edition.cnn.com/2015/11/10/asia/maldives-lifts-state-of-emergency/index.html
モルディヴ、非常事態法で弾圧を強化し、副大統領を弾劾2015./11/5 Yahoo News)  
この木曜に、モルディヴ議会は副大統領Adeebを船上での爆発事件の謀議罪で訴追したがその前日に政府は1ケ月の非常事態宣言を出して、国際社会からの非難を浴びた。Adeebは、10/28の爆発事件の後に議会の85人のメンバー中61人の賛成弾劾訴追された。野党勢力は、この投票は違憲であり、政治的な意図によるものだ、として投票を棄権した。この動きは首都マレでセキュリティが強化されて、軍の兵士が路上をパトロールする只中で起きた。

米国や人権保護団体、・英国植民地を中心とする英国連邦諸国は、モルディヴが非常事態宣言を解除して、反体制派への抑圧を止めるよう、要求した。Yameen大統領は反政府派が〔公式に〕デモを計画していた当日2日前に(当局がマレの彼の家の近隣で爆発装置と武器の山を発見した、とも発表したその直後国家の安全の危機を唱えつつ、非常事態宣言を発令した。米国FBIは船上の爆破現場を捜査したが爆発物があった証拠はないとして、その原因に疑問を呈した。 


 米国防省は、水曜日に非常事態宣言への深い憂慮を表明し、憲法に従って市民の自由を回復し、政治的訴追や拘留を止めるよう繰り返し求めたまた、米国は前・大統領のナシードの解放をも要求している。人権団体アムネスティも、同政府による言論の自由と人権侵害を非難している。33歳のAdeeb、Yameenが前任の副大統領を7月に罷免して以降、2人目に(弾劾された)副大統領でもある
http://news.yahoo.com/u-rights-groups-call-maldives-lift-state-emergency-084706496.html;_ylt=AwrSbm5g6z1WctUAlw1XNyoA;_ylu=X3oDMTEydmluZGpyBGNvbG8DZ3ExBHBvcwMxBHZ0aWQDQjExNzhfMQRzZWMDc2M-
 
モルディヴ、弾圧に対し高まる非難に直面11/5the Guardian
ヤミーンYameen大統領は、爆発事件の後に非常事態宣言を発したが、これは、今週予定されている大きな反政府集会開かれる直前に基本的人権を停止し、そして、治安部隊に対し容疑者逮捕の為の全権限を与えるためのものである。米国国務省のスポークスマン、ジョン・カービー(John Kerby)は、同国政府に対し非常事態宣言を解除し憲法の保証する人権をただちに回復するよう求めた。木曜日には、モルディヴ議会副大統領アーメッド・アディーブ(Ahmed Adeeb)を大統領暗殺謀議の罪で弾劾し、85議席中賛成票61票、反対票ゼロで国家叛逆罪によ弾劾決議した。野党のモルディヴ民主党はこの投票を棄権した。旧宗主国の英国も11年ぶりに米政府の懸念に同調し、英国のアジア方面担当大臣、ヒューゴ・スワイヤ(Hugo Swire が、モルディヴ政府を非難した。http://www.theguardian.com/world/2015/nov/05/maldives-government-faces-growing-international-criticism-over-crackdown



モルディヴ、非常事態令を早々に解除 (2015/11/10,Yahoo News) 
Yameen Gayoom大統領
ヤミーン大統領は、国際的な非難に接して非常事態令が観光業にも悪影響を与えるとの懸念から、発令後1週間をまたずにこの非常事態令を解除し、全ての人権を回復する、とした。 同国の司法長官Mohamed Anil 大統領は、爆発事件や武器発見に関する捜査に大きな進展がみられたことや、国際的な非難、観光業への影響等を顧慮しこの決断を行った、と発表した。


野党のモルディヴ民主党は、この発表を歓迎するものの、この非常事態宣言は第一に、先週金曜に企画されていた前・大統領のナシードの解放を要求する反政府集会を妨害する為の政治目的のものだった、とした。


同党は、「Yameenは政治的な仕返しの為に、国家の非常事態を捏造したものと思われる。彼は、ますます常軌を逸しており、そのパラノイア的で危険な行動は、国の大統領には相応しくない。彼は失敗した人間であり、辞任すべきである」、との声明を発した。 
http://news.yahoo.com/maldives-president-revokes-state-emergency-early-131131014.html


*モハメド・ワヒード・ハサン博士
モハメド・ワヒード・ハッサン: Mohamed Waheed Hassan195313日生)ナシードの大統領辞任後の201227 – 20131117日に副大統領に在任。スタンフォード大学で博士号取得。1980年、モルディブ憲法議会議員に任命。 1989年、モルディブ人民議会議員選挙で当選。1991年から2006年まで、ユニセフに勤務した。20086月に帰国して、国民統一党を結成。 200810月のモルディブ大統領選挙に副大統領候補として出馬して当選。 
Mohamed Waheed Hassan

201227日にモハメド・ナシード大統領が野党との対立やデモにより辞職すると、第5代モルディブ大統領に昇格。20131111日に前大統領の分の任期を満了したが、大統領選挙が延期され続けたため、1117日まで暫定大統領として職務を執行した。しかし、大統領選挙の最中の1115日、録画した辞任メッセージをメディアに公表し、診察を受ける妻に同行するとしてシンガポールへ向け出国した。https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=モハメド・ワヒード・ハサン&oldid=54663474

http://www.dhivehisitee.com/election-2013/candidates/mohamed-waheed/ 
(モハメド・ワヒードとは誰か?

モルディヴ、英連邦に対し連邦脱退への政府申立てをブリーフィング (7/29/2015, raajje)
https://raajje.mv/44938

モルディヴ議会は先週、大統領ヤミーンからの議会への手紙による依頼に基づいて、モルディヴの英国連邦メンバーシップの更新について討議した。この討議で与党モルディヴ先進党の議会総務であるアーメッド・ニーハン(Ahmed Nihan) は、英国連邦内部のより大きな国による行為は脅しであり、苛めなので─もしも、同連邦を脱退すべき場合には政府はそれに躊躇しない、と言明して、「彼らの 行動とは、教室でより大きな子供が、一番弱い子供を苛めて喜ぶようなもので、我々はそれを受け入れられない」と述べた。


アムネスティ、白昼の弁護士刺傷事件の捜査を要求 (2015/9/5, Maldives Independent)

アムネスティ・インターナショナルはモルディヴ当局に対し、弁護士マフフーズ・サイードの白昼の刺傷事件に関する、迅速かつ徹底した捜査を求めた…前・大統領モハメド・ナシードの弁護士団のメンバーで、野党第一党のモルディヴ民主党(MDP)法律委員会のマフフーズ(26歳)は、夕方5時頃にバイクの二人組の男に頭を刺され─左の側頭部にナイフが刺さったまま病院に急送された。26歳のマフフーズは左耳の上に3.5インチの深さに刺さったナイフの除去手術を受けたが(視覚や脳機能へのダメージはなく)快方に向かっている。病院に搬送された際の彼の画像は、ソーシャル・メディアを席巻した。
 
若手弁護士のホープとみられていたMafhooz Saeed

アムネスティ担当者は「人権の保護者の自由は保護されるべきで、この悪意ある攻撃の犯人を捕捉して必ず責任を糺すべきだ。この攻撃のターゲットがマフフーズであった可能性は高く、その動機の解明が重要」「過去2年間にモルディヴの人権保護の状況は衰退して政治的緊張が高まり、野党支持者らの間に恐怖が広がっている。当局はこうした攻撃が許されないと明言すべきだ」と述べた。
攻撃はJared Genser、 Amal Clooneyらの弁護団到着の前夜に行われ、その直後に数人の野党議員がもしも政府の推す新テロリスト法案に反対票を投じないなら、「マフフーズと同様に」殺害するという脅迫メールを受け取った。http://maldivesindependent.com/politics/amnesty-calls-for-investigation-of-lawyers-brutal-stabbing-in-broad-daylight-117029
 
*与党議員野党の全議員を収監すると脅迫 
 

*FBI、船上の爆弾の存在を否定 FBI: No evidence that Maldives explosion was a bomb   http://www.aljazeera.com/aboutus/fbi-evidence-maldives-explosion-bomb-151101023311706.html

*副大統領アディード、9/12にCNNに寄稿(2015/9/12)
 Struggle in paradise: The case against former Maldives President Mohamed Nasheed  http://edition.cnn.com/2015/09/12/opinions/maldives-vice-president-ahmed-adheeb/index.htm (=政府を代弁してナシード元大統領を批判し彼の拘禁を擁護している)  

*元副大統領アディード、腐敗を追及したジャーナリストの昨夏の失踪に関与?
 Suspicion cast on ex vice president over journalist’s disappearance
http://maldivesindependent.com/politics/suspicion-cast-on-ex-vice-president-over-journalists-disappearance-120159

*ナシード元大統領の弁護士が、国連機関のバックアップの許で彼の解放を求めて、下級裁判所に申立てへ(2015/12/22) http://maldivesindependent.com/politics/nasheeds-lawyers-petition-lower-courts-to-secure-release-120905 Nasheed petitions lower courts to secure release

*元副大統領アディードが心境のOp-Ed寄稿 (2015/12/12,The New Indian Express=>Maldives Independence)I fear for myself and the future of Maldives: former vice president
 http://maldivesindependent.com/feature-comment/i-fear-for-myself-and-the-future-of-maldives-former-vice-president-120587 

*イスラム過激派"取材中のドイツARDのクルーが'やらせ'で強制送還(ドイツのTVクルー、撮影対象のモルディヴ人らにイスラム過激派の名を口する事を依頼…)
http://maldivesindependent.com/politics/maldivians-who-assisted-deported-german-crew-under-fire-120874/comment-page-1#comment-185094 

※政情不安の"頻発"するMaldivesでは、反体制派野党党首イムラン・アブドゥラ(*下右)のほか、 モハメド・ナズィーム前防衛大臣らも現政権により投獄されている

Sheikh Imran Abdulla

 

に http://doreview.blogspot.jp/2010/04/president-pardons-ibrahim-moosa-luthfee.html (President pardons Ibrahim Moosa Luthfee, co-founder of Sandhaanu)(Dhivehi Observer Maldives News,2010) 

Ibrahim Moosa Luthfy
*上記の記事にリンクされたナシードとルスフィが共同設立したSandhaanuのサイトとは、Gayoomの行った政治犯拷問殺害の凄惨な遺体写真を掲載する告発サイト
            ↓
*Gayoom is fully aware of torture in the Maldivesガユームは拷問を完全に承知していた (2008/11, MARVERICKS) https://maverickmagazine.wordpress.com/2008/09/11/gayoom-aware-torture-maldives/ 
 (拷問死した政治犯らの写真の暴露が、2003年スリランカでのMDP(モルディヴ民主党)の結党、モハメド・ナシードの大統領選での勝利…独裁政権の終焉をもたらしたという)






Thursday, December 3, 2015

トラブルに見舞われた楽園モルディヴ- Q&A: The Maldives - Trouble in paradise

(※関連記事:モルディブに非常事態宣言 …政情不安に揺れるラグジュアリー・リゾート?

IN RETROSPECT
水中閣議でCO2削減を訴えたモルディヴの前大統領、モハメド・ナシードは、
今は獄中の身に…

トラブルに見舞われた楽園:
モルディヴ、Q&A
Q&A: The Maldives - Trouble in paradise 
(2012/2/11, CNN

2008年の大統領選で、政治改革のプラットフォームを掲げて当選した元反体制派、モハメド・ナシードは(警察が抵抗して叛乱したのを受けて)火曜に辞任。元副大統領Dr. Mohamed Waheedに政権を委ねる直前、彼は「自分が大統領を続ければ、人々がより一層の苦しみを被るだろう」と述べた。しかし、翌日には更なる暴力沙汰でナシードや他のモルディヴ民主党員らが殴打され、ナシードの支持者らによれば彼が銃口を突き付けられて辞任を強いられた、という。 ナシードの辞任は、彼の行なった判事の拘束が憲法上の危機を招き、野党が週間の抵抗を図った挙句の事だ─しかし、世界の注目を集めたのは、昨年のクリスマスに野党リーダーたちからモラルの弛緩が指摘されて…突如リゾートでのスパやアルコールの提供を彼が禁じた事だった。

<モルディヴとは何か?> 
インド南端の沖合いにつらなる千二百の島々とは、人口35万人の前・英国保護領のスンニ派イスラム国家だ。しかし、そのビーチの手つかずの自然と、豊かな海洋動物がハネムーン客に特に人気で、2010年には80万人近くが訪れた─世界中からの旅行客がフォーシーズンズやバニャン・ツリー、シャングリラ等の多国籍ホテルチェーンの運営するリゾートに結集、コンデ・ナスト・トラベラー誌の2011年の読者投票では島国国家の旅行先のトップを飾り、2005年以来英国のツアー会社Kuoni でも顧客の旅行先の筆頭だ。国家経済の1/3を観光業で賄うモルディヴは、2004年の南アジアの津波では数島の島々が破壊されて幾百万ドルもの犠牲を払った。

<モハメド・ナシードとは何者なのか?>
 ナシードは2008年、この島国で初めて真に民主的に選ばれた大統領として喝采の下に着任。44歳の彼は30年間政権を握ったMaumoon Abdul Gayoomを破った。彼は前任のGayoom政権下では政府を批判する記事を書いた等の咎で繰り返し投獄され、合計6年間を刑務所で過ごした。 ナシードが2009年に国際的注目を集めたのは…海抜が最低の位置にある国家モルディヴにとっての地球温暖化の脅威に対する認識を高めるべく、スキューバ・ダイビングのギアを身につけた閣僚たちと共に彼が水中閣議を開いた事だ─この国の最高海抜地点とは海面から2メートル程しかない。

<スパはなぜ問題を引き起したのか?>
  トラブルの第一の兆候とは、クリスマス休暇に訪れた─観光省が国中のスパの営業を禁じて、世界を驚かせたことだ。この動きは、高級客向けのリゾートでの マッサージやスキン・トリートメントを客が受ける権利を巡って対立を引き起こした─多くの高級顧客は、ひと晩の宿泊に何千ドルもの金を投じるが─反対派の グループは、このモスリム国家でのイスラム的価値のより厳格な実施を求めた。 この状況は、野党グループが1223日にデモを実施して…特に首都マレその他の人口過密地域でのマッサージ・パーラー等の禁止を擁護した後に、頂点に達した。政府はその要求を無視せずに、全てのマッサージ・パーラーとスパの閉鎖を命じて更にリスクを拡大し、反対派による政府非難が激化した。 首相府は当時─この禁止令の拡大の意図は、反政府派の人物らの立場のコントラストを際立たせる為だったという声明を発し、こうも言った、「皮肉なことに、旅行者に向けた スパやアルコール、豚肉等の販売に反対している同じ野党リーダーたちとは、この国最大のリゾートオーナーたちでもある…」、そして政府は、1月初旬にその 決定を撤回した。 

<そして今週何が起きたのか?> 
1月16日に、軍はモルディヴ刑事裁判所の首席判事Abdulla Mohamedを逮捕した─彼が国の司法を支配し、腐敗への捜査を怠ったとの容疑で。火曜日のガーディアン紙では、ナシードの元アドバイザーMark Lynasが「力ある前政権の連盟者を守るべく、腐敗の容疑の訴追をたびたび拒否した上級裁判所判事の逮捕で、危機はスパークした」などと書いた。1月下旬には、この騒動に国連が乗り出し─政府がモハメド判事を釈放しないなら彼を犯罪容疑で訴追すべきだ─と述べた。そんななかで政府は、国連の人権高等コミッショナーに、この案件に関する国際的な司法パネルを設置し聴聞会を開くようリクエストした。 「この地では幾つもの抵抗デモが野党連盟者らの手で行われて…彼らはすでに19晩にわたり政府によるモハメド判事の釈放を求め続けている」、とモルディヴのジャーナリストAhmed RasheedはCNNに語った…その日、抵抗デモの暴徒が国営TV局を乗っ取ったとされ…同日遅くに、暴力の激化を怖れたナシード大統領は辞任した。 水曜日、ナシードのモルディヴ民主党は、前・大統領が警察に殴打された、と述べた。首都マレが暴力の掌中に陥るなかで議員4人が逮捕され、同党の党首は重篤な状態で病院に搬送されたと、議員のEva Abdullaは言う。

<この国への旅は安全なのか?> 
英国政府は、モルディヴの首都マレへの重要性の薄い旅行を差し控えるように警告したが、マレの国際空港やリゾートでのストライキは、特に、報じられなかった。オーストラリアと米国も、旅行者に警告を発した。新大統領のWaheedは、 市民や旅行者に対して─同国が安全で、ビジネス環境もオープンである旨を保証した。その声明で、彼は政党や大衆間の相違も国の団結の下では脇に置くべき事 柄である、と述べた。「ごく最近、この国は難しい事態に見舞われているが、モルディヴ国民は重大な決断を行った。その決断に従って、いかなるコストを払お うとも法のルールが維持されるべきだ」。
水曜日に警察はマレで催涙ガスを噴射し、デモの参加者を警棒で殴打したとAbdullaはいっている。その暴力で路上では、幾人かの抵抗者の血が流された。彼女は、「その瞬間に秩序は完全に失われたが、誰も秩序を維持する任にはなかった」、と言う。国連の最上級官僚Oscar Fernandez-Tarancoは、火曜日に、政府リーダーや各政党との対話のためにこの島を訪れた。その声明のなかで、彼は世界が「モルディヴで獲得されてきた民主的な成果を維持するよう」望むとも述べた。 http://edition.cnn.com/2012/02/08/world/asia/maldives-dispute-explainer/index.html

モルディヴ政府、水中閣議で温暖化に警鐘
 この土曜日、地球上で最も低海抜にある国家として、地球温暖化による脅威を訴えようと…モルディヴの閣僚メンバーらがスキューバ用ギアを身に付け、ハンド・シグナルで合図を送りつつ、水中閣議を行った。大統領ナシードと13人の閣僚らは軍用の島Girifushi島のラグーン沖の、水面下6>メートルの海底に置かれたテーブルで会議をした。 サンゴ礁が背景のこのミーティングでは極地の氷が溶けて100年以内にインド洋の島へと押し寄せる危険性に注意を促す、という目的で、閣僚らがCO2削減を誓う書類にサインをした─ http://www.huffingtonpost.com/2009/10/17/maldives-meeting-underwat_n_324772.html






※動画:
 地球を救おうと、モルディヴの閣僚らが水中閣議


https://www.youtube.com/watch?time_continue=16&v=g0VhOcuPWkI 
Maldives cabinet meets underwater to save the earth(News)

Democracy Now!英語版: Maldives Holds Cabinet Meeting Underwater 1 https://www.youtube.com/watch?v=QGupkz3ZCb8

Democracy Now!日本語版 追放されたモルディブ前大統領モハメド・ナシードが語る
http://democracynow.jp/video/20120409-2 


モルディヴ大統領、辞任を強いられる(2012/10)

http://edition.cnn.com/2012/02/08/world/asia/maldives-dispute-explainer/index.html


←(ナシードの取組みや水中閣議を映画化 『南の島の大統領-沈みゆくモルディブ-The Island President:気候変動問題に取り組む大統領ナシードを描いた、2011年のドキュメンタリー映画、製作はアメリカのドキュメンタリー映画会社アクチュアル・フィルムズ。ジョン・シェンク監督、音楽はRadio Heads…)

ISIS Oil イスラム国の石油 By Vijay Prashad


ISIS(イスラム国)の石油 ISIS Oil BY Vijay Prashad (12/3/2015 Counter Punch)

12月2日、ロシアの防衛副大臣Anatoly Antonovは、トルコIS共謀していると訴え強い抗議の声明を発した。その容疑を述べた書面とは長大かつ詳細にわたっていた。それは、多くの側面について特に、「ISの石油」に対する憤激を表明していた。ISはMosul近郊で油田を支配しているが彼らはそれらの油田から毎日、何百万ドルもの資金を得ている。ISはいったいMosulの油田からどのようにして石油を市場に届け、売り捌いているというのだろうか?

実のところISは、クルドの自治政府が、バグダッドのイラク政府の主権の意志に何ら左右されることなく石油密輸を行ってきた古いネットワークを利用している。は、クルド政府が〔イラクの〕北部で自治権を握って以来、幾十年も論議を呼んでたものだ。クルドの石油は密輸業者の手へと売り渡されて、彼らはそれをトルコ国境を跨いで、タンカーまで陸上輸送する。そして、トルコ領内ではトラックは地中海岸の港のCeyhanまで、一カ国ほどの距離を運ばれる。トルコ政府の管理する港Ceyhanから、石油はMalta島までの海上輸送を担う業者へと売却された後に─イスラエルのAshdodなどの最終目的地に向けて、運ばれる。このことは、長らくイラク政府とクルド自治政府の間で論争の種なってきた。この件については、2015年にTolga Tanışが彼の著書、Potus ve Beyefendiのなかでも描写していTanışは、この不法なもくろみに、トルコのRecep Tayyip Erdoğan首相の義理の息子Berat Albayrakが関与している、とも告発した。ISとはただ単に、こうしたクルド自治政府の役割を新たに引き継いだに過ぎないのだ。

ISは、それをどうやって実行しているのだろうか。ISは、その石油をCeyhan港への陸上輸送の業者へと売却する。しかし、このストーリーは、今や、ますます面白味を増している。…トルコ国内で、この石油に関与している者とは誰なのだろうか?ロシア人は、BMZグループが石油の輸送に関する大口の代理店である、といって非難した。BMZのオーナーの一人Bilal Erdoğan(BMZグループ総裁の息子)は、〔ファイナンシャル・タイムズ紙によるなら、〕先月、新しいタンカー2購入したのだという。それらの船の石油積載量は、増大しているのだ。これはISの石油なのか?ロシア人らによる訴えに関しては、さらなる調査が必要だろう。英国議会では労働党党首のJeremy Corbynがこういった、「我々は、ISの石油の密輸にどの銀行・どの国が関与しているのかを知る必要がある」。これは、最も重要な問いなのだが…そのことは、看過されてきた。

トルコではその大半が、周知の事実でもある─その国では、勇敢にもジャーナリストたちが、抜け穴だらけのトルコ-シリア国境地帯でのトルコ政府の役割について書いてきた。それが、すなわちErdoğan政権がメディアの後を容赦なく追い回す理由でもある 

Cumhuriyet紙のエディターCan Dündarと、同紙のアンカラ支局長Erdem Gülの逮捕とはそうした弾圧のごく一部だ。DündarGülは、向う見ずにも、トルコがシリアの過激派勢力に補給を行っている写真を公表した。Erdoğanは、トルコ国内のISのリクルート・センター(の幾つか)を取材したNew York Timesの(女性)記者、Ceylan Yeginsuの後を付けまわし。そこには、こうした事柄の報道の自由など全くありはしない。もしも誰かがこうした者たち(Bilal Erdoğan, Berat Albayrak, Ahmet Çalık等)のうちの誰かの名を口にしたなら、告発される危険に遭遇する。 

Çalıkとは、Cehyn製油所の王国の鍵を握る人物だ─それを通じて、ISの石油が海外へと運ばれている。それに対する偏りのない捜査は、行われるのだろうか?そうとは思えない。あまりにも多くの権益が関与し過ぎている。Erdoğanは、もしもそうした繋がりが僅かでも証明されたなら、辞任すると言っている。そのような繋がりの一つが暴露される可能性など、ほとんど存在しない。

それゆえに、ロシア人たちがこうした告発を行ったことも、トルコ政府とロシア政府の間の緊張を高めたというだけだった。もちろん123日には、ロシアのウラジミール・プーチン大統領が〔トルコ軍によって領空侵犯を口実に〕撃墜された〔ロシア軍の〕航空機に関する報復が行われるための機は、未だに熟さないと述べた。脅威のテンポは増しているのだ。

驚くべきことに、Ceyhan港とは、米軍機が離陸してシリアで目標を空爆するIncirlik 空軍基地からは、車で数時間の距離にある。そのことは、すなわちISの石油の密輸が文字通り米軍機の鼻先で行われている、ということだ。米国がISの目標を攻撃しはじめてから14カ月間、米国は石油タンカーへの攻撃を避けてきた。米国政府担当者たちは、彼らが石油タンカーを「コラテラル・ダメージ(付随的被害)の発生を怖れて」避けてきたという。事実─米軍が先月石油タンカーを空爆したとき、彼らはドライバーにリーフレットによって事前に警告していた(*註)。それは非常にノーブル(高貴)な行為だったが、もちろん…柄に合わない行為だ。米国は通常、攻撃目標に警告を行わない。それはただ、ロシアのジェット機が石油タンカーを攻撃した後に、攻撃し始めたというだけだった。
 

米軍はタンカーを、ロシア機が(それ以上)現れて欲しくなかったがために攻撃し始めたのだろうか?私が、この疑問を米国国務省の担当者に投げかけたところ、彼女は異議を唱えた。彼女は…米国は単に、タンカーの航行ルートに関する諜報情報を組み立てただけだった…ということそして今や、彼らはコンボイの車列を攻撃する準備がある…、とも語った。ロシアによるタンカー攻撃の後に行われたのは、単なる偶然だったのだ、という。

欧米によるシリアに対する空爆は今や、さらに激化している。フランスも、米国と共にこれに加わった。ドイツ人たちがフランスを支援しようとするなかで、今や英国人も空爆による攻撃を始めようとしている。空爆の歴史とは、ゲリラ勢力というものが空からの攻撃では容易に敗退しないことを示している。米国はベトナム軍を空から攻撃したが、戦争には負けたきりなのだ。第二次大戦において英国は、ドイツ軍の空爆が英国人の抵抗の意志を強めただけだった知っている。彼らは、こうした過去の教訓を忘れている。ヨーロッパ人たちは、難民問題の危機の解決を探っている。彼らはその空爆が彼らの利益となる、と信じている。それは、シリアでの難民の発生を加速させるに違いない。

トルコ政府が求める「緩衝地帯(バッファーゾーン)」の設定とは、ヨーロッパ人の利益に叶うものだ。彼らは、それが難民の為にもなると信じている。しかし、それは同様にタンカーを空爆するロシア軍を保護するものにもなる。それは、Corbynの要求の重要性を形造るものでもある─ISの石油パイプラインに対する完全な調査の必要性だ。こうした問いかけは次の様な疑問を呼ぶ:
 

1.Mosulから、トルコ国境へは誰が石油を陸輸しているのか?それらのトラックの所有者とは誰なのか?

.トルコ国境からCeylan港まで石油を陸輸している者とは誰なのか?それらのトラックの所有者とは、誰なのか?

3.ISの石油は、トルコ政府が所有する港Ceylanをどうやって通過しているのか?

4.ISの石油をトルコ国外で、遠方へと輸送している船舶は誰が所有していのか?

5.ISの石油の販売と、外国のバイヤーとの間の取引を仲介る銀行とはどこなのか?彼らもまた、ISの石油の〔犯罪的な〕密輸の関与者なのか?


こうした各項目への調査は、もはやその期限を過ぎている。ロシアによる告発を受け入れるだけでも、あるいは無視するだけでも、不十分なのだ。これらの調査とは、現実にISの資金源となっているパイプラインを明らかにするための機会として、用いられねばならない。シリアのオマール油田(Omar fields)に対する空爆(英国が今日、それを行った)とは、それだけでは十分ではない可能性がある。それは、ISの石油というものに関するより一層、大きな証拠の塵払いをして露呈させるためのものであらねばならない。
http://www.counterpunch.org/2015/12/03/isis-oil/ 

Vijay Prashad, director of International Studies at Trinity College, is the editor of “Letters to Palestine” (Verso). He lives in Northampton.

*註:Newsweekより
「…国防総省の広報担当者によれば、今月行われた米国主導の有志連合による空爆で、イスラム国の石油密輸に使われる燃料輸送車116台が破壊された。攻撃の45分前には運転手に逃亡を呼びかけるリーフレットが散布されていた。これに加えて21日には、イスラム国の燃料輸送車283台が有志連合の攻撃によって破壊されたという。
また、8日には、有志連合の空爆により、トルコ国境に近いシリア領内の石油精製所3カ所が破壊された。
米国が「史上最も裕福なテログループ」と呼ぶイスラム国は、国防総当局者によれば、10月までは月4700万ドル(約58億円)もの収益を石油の密売によって得ていた。」
(焦点:イスラム国との経済戦争、米国が投入する「新兵器」~11/25, Newsweek)

http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2015/11/160306.php

Friday, September 25, 2015

シリアの叛乱勢力曰く、「ロシアによる軍事展開は戦争の激化と長期化を生む」


ロシア軍がシリア紛争への介入を宣言した…空爆の契機となったのは、アラウィ派拠点への叛乱勢力の侵入だったという
Syrian rebels say Russian involvement will escalate and prolong war- Rebels see tougher war with Russians in Syria, evoke Afghanistan
By Suleiman Al-Khalidi and Tom Perry (2015/9/21, Reuters)
シリアのバシャール・アル・アサド大統領の側に大きな損害をこうむらせた叛乱勢力はこういう─もしもロシアが、その同盟者らに加担して介入してきたなら…単に、戦争のさらなるエスカレーションを招くだけではなく…叛乱勢力を支援する湾岸アラブ諸国も一層の軍事支援を注入してくるかもしれない─と。
ロケットランチャーの傍らで、Daraa,にいる
アサド大統領に忠実な空軍基地への攻撃
作戦準備をしつつ、携帯無線で話す自由シリア軍兵士(7/27)

ロシアによる軍事力派遣は、叛乱勢力の間でも紛争を再評価しようという動きを喚起している。叛乱勢力が、この何か月かにわたって西部シリアに侵攻したことが、ロシアの決断の触媒となった可能性がある。米国の政府担当者はロシア軍はすでに到着しつつあるという。
Reutersがインタビューを行ったある叛乱軍の兵士は…すでに、こうした地域でシリア政府勢力からの強い抵抗に遭遇したと語った─とりわけアサド一族のアラウィ派が中央拠点とする地中海沿岸地域で。そして、ロシアの参戦を契機に一層、激しい闘いも予想されるという。
ロシアによる武力の展開とは、サウジなどによる武力支援の拡大の契機になると予測する人々もいる。そのことは、ロシアの関与が導くかもしれない危険性のひとつを示唆する─すなわち、サウジやイランといった地域勢力の間で複雑に錯綜しつつある戦局が、外国の介入によりさらにスパイラル的に拡大していく、という危険性だ。

より一層の武力支援を喚起したいと望む叛乱勢力は、アフガニスタンでのソ連軍敗退の記憶を彼らの闘争のモデルに想い起しながら、ロシアを新たな占領者として描写している。しかし彼らは…このことは、すでに5年目に突入したこの戦争がさらに長引く可能性も示唆しているという。
「我々の計算によれば…この闘いはロシアが参加しなかった場合よりも、はるかに長く引き延ばされる可能性がある」と…ロシア軍が空軍基地(飛行場)で軍備を展開しはじめたラタキア地方において、叛乱軍兵士として戦うアブ・ヨウセフ・アル・ムハジェルAbu Yousef al mouhajerいう。
「ロシアによる関与とは、シリア政府を救うためのものだ」と、アサドが支配する西部地域に侵攻中の同盟軍の一翼をなすグループ、Ahrar al-Shamの兵士がいう。この記事のためインタビューした他の叛乱軍兵士たちとも同様に、彼とはインターネット上で会話した。
米国政府担当者はロシアがその空軍拠点に大規模な軍を派遣しつつある、という─そこには戦闘機や攻撃用ヘリコプター、重火器や海軍の歩兵師団500人も展開していると。ロシアはその究極の目標を明らかにしていないが、ダマスカス政府への支援とは、テロリストとの闘いが目的だとし─西部地域における叛乱勢力もまた、アサドにとっての最も切迫したリスクをもたらしている彼らの作戦区域が第一のターゲットになるものと認識している。
 
ロシアは、地中海岸のラタキアに近いシリアの都市、タルトスTartous に唯一の海軍基地を持つ。増大するイスラム国の脅威とは今や、アサドにとって第一の脅威ではなくなっているが…それでも、彼らも(ロシア軍の)攻撃目標となると予想される。
海岸地帯で戦闘を続けている(アルカイダのシリア支部である)ヌスラ戦線Nusra Frontなどの叛乱勢力は、その兵力の3割が外国出身のジハード戦士だが…彼らは、アラウィ派率いるアサド政府との闘いというものに鼓舞されて参加している。彼らの中にはロシア人やアジア人、チェチェン人もいると、今年の初めヌスラ戦線のリーダーは語った。
モスクワのロシア政府は、ダマスカスのシリア政府に対する軍事支援とは、テロと闘うためのものであり…シリアの国家体制を守り、「全面的なカタストロフ(災厄)」を避けるためだ、と称する。同政府は、より大量のニュータイプの武器を、人手の足りないシリア軍に送っている。そうした支援とは、アサドがすでに数年前から獲得している同盟相手のイランや、レバノンのヒズボラといった外国の支援に、さらに加えた支援となる。
 イランは、シリア政府を支援すべくイラク人やアフガン人の民兵勢力も動員している。

"MORE FEROCIOUS"

より一層、獰猛に─
政府側よりも一層の武器や、組織力に優れている叛乱勢力は…トルコやカタール、サウジなどによる支援を得ながら…アサドに対して、今年は北西部でも南西部でも、未曾有の挑戦を展開してきた。そうした国々はことごとく、アサドの権力の座からの放逐を願っている。
そして、最近の成果として、叛乱勢力は海岸線を望むアラウィの山地のすぐ東側に広がるガーブ(Ghab)平原へと侵入した。
ロシアの軍事展開が報じられる前でさえも、その地域では叛乱勢力が政府軍兵力のより強硬な抵抗に遭遇したと報じられた。「我々は、今やこれまでになく獰猛かつプロフェッショナリズムに優れた新タイプの兵士たちと戦闘を交えている」と、al-Mouhajerは言う。
「戦闘は変わった…我々は今や、彼らアラウィ派の本拠地に居る。」
そしてまた、別の叛乱軍兵士は言う、「我々が海岸線に近づけばづくにつれ、相手は戦闘のなかで、より獰猛になる。」
幾人かの叛乱勢力の兵士は、ロシアによる支援拡大の兆候はまだないと証言するが…空爆の精度が増しつつあり、新たなタイプの装甲車両も目につく、という者もいる。
シリア軍の情報筋がロイターに語ったところでは、先週には彼らの軍がロシアから供給された新たなタイプの武器の使用を始めたという。
「我々はロシアが海岸線の防衛をはじめており…そしてまた彼らは、我々が現在戦っていJoreen近郊での戦闘を先導しているとの情報も得ている。」と─戦時名Abu Anas al-Lathkaniと称するヌスラ戦線の司令官は語った。


"ANOTHER AFGHANISTAN" 
「新たなるアフガニスタン」
ソ連時代からモスクワの政府の同盟者だったダマスカスのシリア政府は、ロシア軍の勢力に対してその必要が生じれば共闘を要請する、としているが、現今の時点でのロシアの地上兵力の存在は否定する。しかし、政治・軍事状況に詳しいレバノンの情報筋によればロシア軍はすでに軍事行動に加わっているという。そして、それに対する叛乱勢力側の反応もみられる。
大規模な叛乱勢力のひとつであるジャイシュ・アル・イスラムJaish al-Islamは、インターネット上に、ロシア軍の使用するラタキアの飛行場に対するミサイル攻撃の様子の動画を投稿した。Jaish al-Islamにはサウジが後ろ盾に居ると広く信じられているが、ダマスカスの近郊にも新たな攻撃を仕掛けている。他の叛乱勢力はイドリブ県やアレッポでの新たな攻撃をエスカレートさせている。
別の叛乱勢力の兵士は、ロシア人たちが「棺に入って帰国することになる兵士の一群を送る…新たなるアフガン戦争を経験する」危険を冒している、と語る。1980年代にソ連に対抗したアフガンの叛乱勢力・ムジャヒディーンの成功には、米国とサウジの支援が不可欠だった。
だが、一部の叛乱勢力への限定的な軍事支援のみを行う米国は、武器が過激勢力の手に渡るリスクを恐れるなどの理由から、大規模な軍事支援を避けている。彼らは特に、対空砲ミサイルの供給のリクエストを拒否し続けている。米国の抱く警戒にもかかわらず、叛乱軍のなかにはサウジのような支援国が彼らへの支援を拡大せざるを得なくなる、と信じている者もいる。

「我々にもたらされている報告を超えた、シリアへのロシアのシリアスな介入というものは──戦闘のさらなる継続を意味するものとなる」と…自由シリア軍の南部シリアのグループ勢力のひとつAlwiyat Seif al-Sham のスポークスマンであるAbu Ghiath al-Shamiはいう。
「ロシアには、政治的な解決を図るという意志はない。彼らには、シリアの現体制の維持だけが望みなのだ。我々(自由シリア軍)を支持する諸国に関しては─私はそうした国々の我々への態度には変化があるだろう、と思う…支援の仕方において─あるいは政治的な方針転換を通じて」、と彼は述べる。(記者、トム・ペリー)
http://www.reuters.com/article/2015/09/21/us-mideast-crisis-syria-rebels-insight-idUSKCN0RL0E720150921
JapanTimes