まず、不正告発者を黙らせろ─今年のアフガン選挙の腐敗と、国連の恥ずべき共犯関係 (11/2、By クリストファー・ヒッチンズ)
もしも我々が、アフガニスタンへの我々の介入は屈辱的な敗走となった…と思い返すような時がきたら、先週の末とはその災難が後戻りできないものになった瞬間のひとつ、と見なされるだろう。
同国で、2004年の選挙の前奏曲の流れていた頃に、私は地方の人々が投票の原理やメカニズムに関して指導を受けている場所を見てまわった。それはまるで、とても硬いつぼみが徐々に膨らんで、花開いていくのを見るようだった。さまざまな国際組織の職員たちが…たとえば幾らかのアフガンの女性たちを惹きつけ、彼女らの以前の抑圧者たちに立ち向うべく、彼女らが投票人登録をするよう望んでいたが…その投票施設は、本当にたくさんの自発的に現れた女性たちによって、埋めつくされたのだ。
タリバンに蔑まれ、虐殺されていたマイノリティの部族──たとえばハザラ族や、ペルシャ人と従兄弟関係にあるシーア派部族なども登録のために結集していた。新聞報道やテレビなどは多くのアフガニスタン人にとって全く新しいものだったが…それらは民主主義のビビッドな光景や、有益な討論などを見せていた。投票日の当日には、(投票済みであると証明する)指先のインクが消すことのできないインクだったことへの苦情もあったが、膨大な数の民衆はタリバンの配る「夜の手紙」(投票する者に危害を加えると脅迫する)をものともせず、票を投じる機会を求めて白日の下で列に並んでいた。どんなプロセス上の欠陥も、アフガン人たちが自由競争による選挙を受け容れているという印象を、壊すことはできなかった。
タリバンに蔑まれ、虐殺されていたマイノリティの部族──たとえばハザラ族や、ペルシャ人と従兄弟関係にあるシーア派部族なども登録のために結集していた。新聞報道やテレビなどは多くのアフガニスタン人にとって全く新しいものだったが…それらは民主主義のビビッドな光景や、有益な討論などを見せていた。投票日の当日には、(投票済みであると証明する)指先のインクが消すことのできないインクだったことへの苦情もあったが、膨大な数の民衆はタリバンの配る「夜の手紙」(投票する者に危害を加えると脅迫する)をものともせず、票を投じる機会を求めて白日の下で列に並んでいた。どんなプロセス上の欠陥も、アフガン人たちが自由競争による選挙を受け容れているという印象を、壊すことはできなかった。
8月20日のわびしくも嫌な茶番劇は、そんな思い出の大半を影で覆ってしまう。その最初のラウンドでばかげたバナナ共和国スタイルの誤魔化しが行われ、その開票結果(の公正さ)は最も粗略な検査すらも通らなかった。最初の投票所と票の検査は、その投票所が一度も開けられなかったのに、膨大な数の人が票を投じたと記録され、その票とは、印刷機からHamid Karzai大統領と彼の協力者たちのポケットに直行していたことが笑えるくらい簡単に発見された──Karzaiの協力者の一人Azizullah Lodinは、アフガニスタンのばかげた独立選挙委員会(Independent Election Commission)の長に指名され、愚かしさを倍加した。
もしもそこにカブールの国連ミッションにも切望された共犯関係がなかったなら、彼らには十分まずかっただろう。おそらく2億ドルの国際社会の金が、アフガニスタンの人々の投票を可能にすべく用いられたのに、彼らの多くがそれをせず、または出来ず…そんな中で他の多くの人々は何とかやり遂げた──実際のところ、5,6回にわたり、責任あるカブールの国連の職員たちからは何の警告も発されなかったのだ。或いはたぶん、私はこう繰り返すべきだろう: ある職員は実際、こう苦情を言った: a)そこには広範な不正がある b)政府での共謀関係[馴れ合い]もみられる c)国連の無関心さが共犯関係へと積もっていった…。
これは米国の上級外交官Peter Galbraith…その煌めく姿が歌や物語として知られるBan Kimoon〔潘基文〕事務総長の、当時の特別代表代理… が述べた苦情だ。Galbraithは、ノルウェーの国連ミッション代表、Kai Eideが、アフガン政府の地方役人たちが見せた眼に余る性向…実際、彼らは国連の金を彼らの政治的ボスのための票の買収に使っていたということに対して、無関心だったと苦情を言った。Eideは、それへの返礼にBanに苦情をいい、そしてBanは直ちにGalbraithを解雇したのだ。かくして、我々はこの大失態と腐敗の祭りに関わった者のうち、解雇された者はまだ誰もいないとは言いがたいだろう…しかし、メインの不正告発者は、その仕事の最初の段階で首になったということはほとんど確実だろう。
いまや、決選投票があったかなかったか、あるいは“競争の行われた”選挙があったかどうか、は問題ではなくなった─知覚力のあるアフガン人で、このプロセスが皮肉な解決以上の何かだった、と信じる者はいないだろう。それは最近の近隣イランでの選挙で、人々の投票権が踏みつけにされたことほどには酷くはなく、我々はそれより微妙にましな基準にあるだろうが(もちろん、そうした単純な比較は、こうした事が如何に大きな賭けなのかを示している)
タリバンはあなたも想像できる通り、彼らの運(luck)をかろうじて信じられるだろう。彼らは投票というものには原則において反対する…反イスラム的だといって。そして彼らは特に、女性による投票に猛烈に反対する、しかし今や彼らはそれを強調する必要もない…彼らは単純に、皮肉と軽蔑の大合唱を増幅していればいいい…。
パニック事態への対策として、この恐ろしい結末を矯正しようというような提案は、時として、その元々の病と同様に性質が悪くなる。そのセカンドラウンドで不正行為が必要とされたことを、余りにも遅々と、余りにも嫌々ながら認めつつ──Kai Eideは我々が、同じ監視機関の詐欺師たちのもとで性急な2度目の投票を行うか、次の暴力的なアフガンの冬(もうひとつの破壊と狂信主義の力へのフリー・ギフトだ…)が過ぎ去る後までは投票を延期するか…のどちらかを選択すべく我々を置き去りにした。幾人かはまた今にも倒れそうな”暫定政府”を提案するか、あるいはKarzaiと彼のライバルのAbdullah Abdullah(彼を2度も名づけるとは、すばらしい)の面目を維持するべく、両者の関係を繕うことを提案した。こうしたことはすべて、今年何ヶ月の間も明白になっている事がら…我々の注いだ資金と共に、アフガンの人々が助けを必要としていた時にだまされ、裏切られたという事実に、面と向かうのを避ける試みに過ぎない。
モラル的な過ちなどは冒すことのない国連の偉大な友人たちは、今、なんというのだろう?そして議会と大統領と、その他の寄付者や資金提供国のリーダーたちは、彼ら自身が承認し投資をした国に起こったことを、いったいどう説明するのだろう?私は何十回も、いわゆるベトナムとの対比などというのは、よい事ではないと書いてきた(Al-Qaedaとはアフガニスタンでは外来の輸入物であり、アメリカの都市での…ベトコンの脅威とは異なる;私がそれ以上何を言いたいかはお分かりだろう)、しかしそこには、南ベトナムでもその国の形を損ねたもの、そして、いかなるケースでも避けるべき肝心なことがある: つまり米軍がこうした政府にコミットすること…富をかき集めることと、破綻することを同時に考案したり、自国の人々を唾を吐きかけたいような気持ちにさせる政府に対して関与をすることだ。
http://www.slate.com/id/2234333
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